生涯のうちに "がん" に罹る可能性は、大雑把に言えば "二人にひとり" だとされているだけあって、自分の身近にも "がん" に罹り、治療中の方が大勢おられる。だからこそ、他人事だとは思えず、こうして関心を向け、関連情報の整理を行ったりもしている。
話を伺ってみると、やはり恐いのは、"再発/転移" だとおっしゃる。せっかく、苦しい "抗がん治療" を掻い潜って治ったと感激しても、それがぬか喜びとなり、かえってショックが大きいと......。
これまで、"がん" の "再発/転移" の具体的な仕組みは、肝心な点が "未解明" であったようで、その結果、"再発/転移" への対応も後手に回りがちだったとされる。自分の知り合いの中にも、他の臓器のみならず "脳" への "転移" にまで至った方もおられる......。
ところが、現在の "がん治療最前線" では、漸く、この "がん" で最も警戒すべき "再発/転移" の、その "メカニズム解明" と、それに基づいた "新たな治療法" 追及が急速に進展しているとのことである。
頼もしいこの動向に "拍車をかける" ことになったのは、どうも、通常の "がん細胞" とは区別された "がん幹細胞" の発見だと理解される。
こうした経緯については、この間も以下のように関心を向けてもきた。
◆ 参照 ① <......「がん幹細胞」の構造に潜む<「Fbxw7」というたんぱく質> に着眼して、これに対処することで、抗がん剤が効きにくい「がん幹細胞」に、抗がん剤を効かせてしまう "状態"("増殖" 開始状態 ?!) を作り出すという "新アプローチ"......>( がんの"再発転移"を阻止!"がん幹細胞"に"抗がん剤"を効かせるための新研究と新治療!( 当誌 2013.03.22 ) )
◆ 参照 ② アルツハイマー型認知症の原因物質:タウ蛋白質集積"画像化"に成功!早期診断に奏功!( 当誌 2013.09.20 )
そして、ここに来て、こうした "がん幹細胞" に関する研究が飛躍的に発展し、そうした成果が、TV番組などで一般人にも分かるかたちで報じられるようになった。
今回、下記に引用した記事は、そうしたTV番組の紹介記事である。もちろん、自身で視聴してみたわけだが、アニメーション解説もあり大変分かり易いものであった。
【 引用記事 1 】 がん"根治"の時代は来るか ~"がん幹細胞"研究最前線~/クローズアップ現代 - NHK ONLINE/2013.09.19 (木) 放送
【 引用記事 2 】 シリーズがん幹細胞(1) がん再発の謎が解けた! 新発見「がん幹細胞」/サイエンス ZERO/2013.09.08 放送
【 引用記事 3 】 シリーズがん幹細胞(2) がん根絶も夢じゃない! がん幹細胞 最新攻略法/サイエンス ZERO/2013.09.15 放送
"がん患者" にとって、その "再発/転移" への不安と恐怖は並々ならぬものがあるはずだ。そうした方たちにとって、下記TV番組のような情報は、大変貴重であるばかりか、苦しい "闘病生活" にとって不可欠! でさえあると思える。
とりわけ注目せざるを得なかったのは、【 引用記事 3 】における<意外にも「身近な薬」が特効薬となることが判明! ついにがん根絶は実現するのか?> という箇所であった。(【 注 】筆者は、専門的資格を持つ者ではないので、誤解が生じないように、これ以上の詳細に触れることは差し控えておく。)
冒頭でも書いたとおり、"がん" は、"二人にひとり" が "行き着く病気" だとされるのであれば、"がん" についての "基礎知識" は、もっと広く普及されて然るべきではないかと思っている......。
【 引用記事 1 】
がん"根治"の時代は来るか ~"がん幹細胞"研究最前線~/NHK ONLINE/2013.09.19 (木) 放送
「5年生存率は20年後に80%になるかもしれない。がん幹細胞の発見は大きく寄与するはずだ。」(国立がん研究センター研究所長)。いま、がん幹細胞と呼ばれる特殊な細胞の発見によって、がん治療が大きく変わろうとしている。がん幹細胞とは、あたかも"女王蜂"のように、がん細胞を次々と生み出し腫瘍をつくる、親玉的な細胞だ。しかも、がん幹細胞には抗がん剤が効かない。一度は治ったと思ったのに再発や転移が起きる、その原因もこのがん幹細胞にあるのではないかと言われ始めている。しかし今、最新の研究によってその弱点が明らかになりつつある。4月には、国立がん研究センターで実際の患者を対象にした臨床研究が始まるなど、がん幹細胞をたたく研究が進み始めている。がん治療の根本を変える可能性を秘める「がん幹細胞」との格闘の最前線に迫っていく。
【 引用記事 2 】
シリーズがん幹細胞(1) がん再発の謎が解けた! 新発見「がん幹細胞」/サイエンス ZERO/2013.09.08 放送
治ったはずのがんが、なぜ再発・転移するのか? その長年の謎がついに解明された。体内に潜み、新たにがん細胞を生み出す元凶、「がん幹細胞」の存在が発見されたのだ。しかも恐るべきことに、がん治療の頼みの綱である抗がん剤も放射線も、がん幹細胞には効かないことが分かってきた。なぜなのか? がん幹細胞が初めて見つかった "血液のがん" =白血病を例に、がん幹細胞の驚異的な生存戦略を徹底解剖する。人類はがん幹細胞に打ち勝てるのか? がんという病気の根幹を握る「がん幹細胞」研究の最前線を2週にわたってご紹介する。
【 引用記事 3 】
シリーズがん幹細胞(2) がん根絶も夢じゃない! がん幹細胞 最新攻略法/サイエンス ZERO/2013.09.15 放送
新たに見つかった「がん幹細胞」の恐るべき実態と治療法に迫るシリーズ第2回。白血病から見つかった「がん幹細胞」は、その後、胃がんや乳がん、大腸がんなどからも次々発見されている。抗がん剤も効かない脅威の生命力を持っているが、これを根絶しない限り再発や転移が引き起こされるのだ。ところが、がん幹細胞だけが持つ特別なたんぱく質に注目したところ、意外にも「身近な薬」が特効薬となることが判明! ついにがん根絶は実現するのか?
上記の番組での "がん治療最前線" においては、"がん幹細胞" との "攻防戦" が、人間界での "犯罪者(テロリスト)" との闘いのごとく扱われてもいたが、まさにそう見えなくもない......。
"患者とがん幹細胞" との "命懸けの攻防戦!" なのである。その戦線で、"がん" 研究者たちは "患者" サイドに立ちつつ、"敵の致命的弱点" を徹底的に探究し、その弱点に "高度な知的戦略" を仕掛けて行くのである...... (2013.09.21)
コメントする