"がん" を含めた各種の病気が、"遺伝子" 情報(DNA/塩基配列)と深くかかわっていることは、かねてより注目されているところだ。
◆ 参照 病気などの"原因遺伝子"が次々明らかに! "遺伝子操作"が治療の決め手となる趨勢か?!( 当誌 2013.09.12 )
こうした研究に意義があるのは、"がん" を含めた各種の病気の "予防/早期発見/治療" に役立つからだと思われる。
下記引用サイト記事:肺がん患者に特徴的DNA 浜松医大・華表助教ら発見/静岡新聞/2013.10.29 - 14:25 は、 <たばこを吸わない肺がん患者に特徴的なDNAの塩基配列> が突きとめられたことを報じている。
ところで、"肺がん" と言えば、その原因として "喫煙" が挙げられがちであるが、<肺がんの中でも非喫煙者の割合が比較的高いとされる肺腺がん>( 下記【 参照記事 】参照 ) と分類されている "肺がん" もある。
そして、<肺腺がんは、日本を含む東アジア諸国に患者が多く、その原因は世界の多くの研究者の関心を集め、遺伝的要因も疑われている> とのことであり、今回の研究はその点に触発されて進められたようだ。結果は次のとおりとなる。
<肺腺がん患者は健康な人より、DNA配列の中に、「ある特定の約千個の塩基からなる配列」がある頻度が約2倍多かった/ この結果から、この配列を持つ人が肺腺がんにかかるリスクが2倍になると推定される> と......。
【 引用サイト記事 】
肺がん患者に特徴的DNA 浜松医大・華表助教ら発見/静岡新聞/2013.10.29 - 14:25
浜松医科大(浜松市東区)の腫瘍病理学講座の華表友暁(かひょう・ともあき)助教と椙村春彦教授らは29日までに、たばこを吸わない肺がん患者に特徴的なDNAの塩基配列を突き止めた。英国・オックスフォード大出版部の雑誌「カルシノジェネシス」オンライン版に掲載された。
肺がんの中でも非喫煙者の割合が比較的高いとされる肺腺がんは、日本を含む東アジア諸国に患者が多く、その原因は世界の多くの研究者の関心を集め、遺伝的要因も疑われている。華表助教らはこれに着目し、肺腺がん患者と健康な人で、塩基配列に違いがあるかどうかを調べた。
浜松地域(同大付属病院、聖隷三方原病院、磐田市立総合病院)と愛知県(県立がんセンター)で60歳以上の非喫煙女性に被験者を募って採血し、遺伝情報を分析した。その結果、肺腺がん患者は健康な人より、DNA配列の中に、「ある特定の約千個の塩基からなる配列」がある頻度が約2倍多かった。
この結果から、この配列を持つ人が肺腺がんにかかるリスクが2倍になると推定される。「ほかにも関連する遺伝子が分かれば、さらに高い確率でリスクが分かる」と華表助教。こうした情報が、病気の早期発見、治療につながるとしてさらに研究を深める方針だ。
【 参照記事 】
<● 福岡大病院呼吸器・乳腺内分泌外科助教授 岩崎 明憲氏
肺がんは、腺がん、扁平(へんぺい)上皮がん、小細胞がん、大細胞がんに分類されます。
肺がんの主原因は喫煙ですが、腺がんについてはたばこを吸わないのに発症する人、特に女性が増えています。女性の肺がんで最も多いのが腺がんです。大気汚染や環境ホルモンの影響など諸説ありますが、理由はまだはっきりしていません。
腺がんは、肺の1番外側の胸膜(きょうまく)など肺の末梢(まっしよう)に発生しやすいため、初期は、せきや痰(たん)などの症状はあまり出ません。腫瘍(しゅよう)が大きくなれば、せきや血痰(けつたん)が出るようになり、胸膜から胸腔(きょうくう)にがん細胞がこぼれ出て胸水がたまったり、胸壁(きょうへき)に浸潤したりして胸が痛みます。......
腺がん自体の大きさが例え小さくても、脳や骨、肝臓など遠隔の臓器、周辺のリンパ節に転移しやすいため早期発見が非常に重要です。胸部エックス線撮影やコンピューター断層撮影(CT)で発見できるため、健康な人でも年1回は健康診断を受け、異常があればすぐに精度の高いCT検査を受けることが大切です。>( 「肺腺がん」とは?/非喫煙者も発症、原因不明/西日本新聞-医療・健康/2007.01.29 )
<腺がんについてはたばこを吸わないのに発症する人、特に女性が増えています。女性の肺がんで最も多いのが腺がんです。...... 理由はまだはっきりしていません> という "非喫煙の肺がん患者" にまつわる不条理/不幸がいくらかでも晴らされるのであろうか...... (2013.10.31)
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