"iPS細胞" の技術は、いわゆる "再生医療" において "移植" するために使われる "さまざまな当該細胞を作成する" ことができるという点で画期的なのだと理解される。
ただし、こうした "iPS細胞" を素材としたアプローチでは、"相応の手順/時間" が不可欠になるそうである。
もちろん、"再生医療" の臨床現場では、"移植" のための当該細胞が一刻も早く要請されるであろう実情は容易に想像できるところだ。
そこで注目されるのが、下記引用サイト記事:ヒトの皮膚から軟骨細胞 京大、iPS細胞経由せず/日本経済新聞/2013.10.17 - 12:31 が報じている<「ダイレクト・リプログラミング」という手法> に基づくアプローチである。
<皮膚細胞などからiPS細胞を経ないで目的の細胞を直接作る「ダイレクト・リプログラミング」という手法> を活用したところの<ヒトの皮膚細胞から軟骨細胞を作り出す技術> が、京都大学iPS細胞研究所の妻木範行教授らによって開発されたと下記記事は伝えている。
この "技術" の価値は、まさに<iPS細胞を経ず直接作ることで、作製時間を約半分に短縮> できる、という点になるわけだ。
この<新手法なら約2カ月で、移植に使える軟骨細胞が得られる。iPS細胞を使う場合の約半分で済む> とされる。
"iPS細胞" の技術がクローズアップされたためなのかどうかは分からないが、その周辺での "新技術" の開発にも弾みがついている気配である......。
【 引用記事 】
ヒトの皮膚から軟骨細胞 京大、iPS細胞経由せず/日本経済新聞/2013.10.17 - 12:31
京都大学iPS細胞研究所の妻木範行教授らはヒトの皮膚細胞から軟骨細胞を作り出す技術を開発した。様々な細胞に変化できるiPS細胞を経ず直接作ることで、作製時間を約半分に短縮できた。病気やケガで損なわれた関節の軟骨などを修復する再生医療の実現に役立つ。成果は米科学誌プロスワン(電子版)に17日掲載された。
皮膚細胞などからiPS細胞を経ないで目的の細胞を直接作る「ダイレクト・リプログラミング」という手法を活用した。
実験では、iPS細胞作製に使う2種類の遺伝子と軟骨細胞の成長に必要な遺伝子を用いた。これら計3種類の遺伝子を新生児の皮膚細胞にウイルスを使って導入したところ、軟骨細胞の特徴を持つ細胞ができた。
これをマウスに移植すると軟骨組織になることも確かめた。腫瘍はみられなかったという。
皮膚細胞から軟骨細胞を作るには、まずiPS細胞を作製し、そのうえで軟骨細胞に育てる複雑な作業が必要だった。新手法なら約2カ月で、移植に使える軟骨細胞が得られる。iPS細胞を使う場合の約半分で済む。
今回と同様の手法を使って目的の細胞を得る試みは、国内外のチームが心臓や神経などの細胞で成功している。
【 参照記事 】
ヒトの皮膚細胞から軟骨様細胞へ直接変換に成功/京都大学 iPS細胞研究所(CiRA)・科学技術振興機構(JST)/2013.10.17
高齢化時代にあって、"間接" 部分の "軟骨摩耗/損傷" による "痛み" で悩む高齢者が少なくないと聞く。
上記記事が伝える技術が、そうしたケースの "再生医療" の臨床現場にも応用されれば喜ばしいことであるに違いない...... (2013.10.18)
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