安倍政権による "消費増税" 決定と"経済政策" の発表後、一夜明けた2日の "日経平均株価" と "ドル/円" 為替は、"惨憺たる数値" を示すこととなってしまった。( ◆参照 下記引用サイト記事 【 引用記事 1 】:東証大引け、大幅反落 経済対策決定で「出尽くし」、先物主導の下げ/日本経済新聞/2013.10.02 - 15:28 )
まるで、為替/株式市場からは "No!" を突きつけられた格好。流行りの言葉で言うならば、"倍返し" 的反応! という印象がないでもない。
そして、"消費増税" については、かねてより報じられてはいたものの、いざ "決定" という発表のもとでの一般国民の反応には、"悲痛さ" までもが滲んでいるように見えた......。
かと言って、もちろん消費者としての一般国民に別な選択肢があるわけではない。ただ、"生活防衛" 的な消費行動で報いるだけであろう......。そして、そこに "購買意欲" が旺盛な姿は、到底思い描かれるはずもないわけで、それが消費者からの "無言の倍返し"! なのかと懸念されたりもする......。
今回の安倍首相による決定/発表は、さまざまな反応を生んでおり、その一つが上記のとおりなのだが、一体、何がどうなっているのであろうか? どうも、"財政再建" 向けの "消費増税" と、"企業重視" の "経済対策" という組合せ( 財政再建 ⇔ 成長経済 )が、今一つ、理解されにくい、ということなのかもしれない。
下記引用サイト記事 【 引用記事 2 】:〔焦点〕消費増税決定でも消えない市場の不安、経済政策と「ミスマッチ」の声/REUTERS/2013.10.01 - 20:43 は、この辺に潜む問題を<「ミスマッチ」> なのだ、として捉え、説得力のある解説をしている。
<安倍晋三首相は1日、消費増税を決定したが、市場の不安は消えていない。財政再建に一歩前進したことは評価されているが、経済対策で景気の腰折れを防げるかは不明だ。増税による消費への悪影響と企業重視の経済対策には「ミスマッチ」があると警戒されている/ 消費増税は、デフレ脱却に重要な消費者マインドを直撃/ 一方、5兆円規模の経済対策は、投資減税など企業向けの対策が中心/ 短期間で大きく出る消費増税のインパクトを打ち消すことができない可能性がある/ 「消費税率引き上げの負のインパクトと、企業向け経済対策による長期的インパクトとの間には、大きなミスマッチがある>
安倍政権は、この<「ミスマッチ」> を警戒しているがゆえに、"企業による賃上げ" の要請や、そのための "税制優遇措置" に目を向けている!
しかし、こうした "取って付けたような策" が叶うのであれば、こんなにデフレ状況が長期化することはなかったはずであろう。
企業は企業で、このグローバリズム経済の激戦で、とにかく "サバイバル" しなければならないと死に物狂い!のはずである。
"リストラ" や "海外移転" をもしっかりと視野に入れつつ奮戦している企業が、"人件費=固定費" に対して、おいそれと寛容となれるものかどうか、民間企業に在籍している者ならば簡単に推測できることではなかろうか......。
【 引用記事 1 】
東証大引け、大幅反落 経済対策決定で「出尽くし」、先物主導の下げ/日本経済新聞/2013.10.02 - 15:28
2日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に反落した。終値は前日比314円23銭(2.17%)安の1万4170円49銭と9月6日以来、約1カ月ぶりの安値だった。前日比の下げ幅は8月20日以来、1カ月半ぶりの大きさだった。1日夜に安倍晋三首相が来春の消費税率引き上げと経済対策を正式表明。当面の材料が出尽くしたとの見方からヘッジファンドなど短期筋が日経平均先物にまとまった売りを出し、現物株相場も大幅安となった。米債務上限問題を巡る不透明感を背景とする円高・ドル安基調も投資家心理を冷やした。......
円相場が上昇したのをきっかけに株価はじりじりと下げ幅を拡大。後場に先物主導で下げ足を速めた。消費増税の正式決定というイベントをサプライズなく通過したことで、ヘッジファンドの手じまい売りが先物に出たとみられる。「株価指数先物売り・債券先物買いの持ち高を新たに組んだヘッジファンドがいたもようだ」(国内大手証券)との見方もあった。......
【 引用記事 2 】
〔焦点〕 消費増税決定でも消えない市場の不安、経済政策と「ミスマッチ」の声/REUTERS/2013.10.01 - 20:43
[東京 1日 ロイター] - 安倍晋三首相は1日、消費増税を決定したが、市場の不安は消えていない。財政再建に一歩前進したことは評価されているが、経済対策で景気の腰折れを防げるかは不明だ。増税による消費への悪影響と企業重視の経済対策には「ミスマッチ」があると警戒されている。海外投資家などが日本株投資を本格的に再開するには、大胆な成長戦略や日銀の追加金融緩和などプラスアルファが必要だという見方が多い。
<安倍会見で株安・円高進行>
日本時間午後6時過ぎ、安倍首相の会見が始まって間もなく、大証の日経平均先物とドル/円 が急速に下落した。発言内容はほぼ市場の予想通りだったが、海外投資家の期待が大きい法人税減税について「真剣に検討を進めないといけない」との発言にとどまったことが、短期筋による仕掛け的な売り材料になったとみられている。......
<デフレ脱却、損なう懸念>
しかし、消費増税と経済対策だけで、今春までのような「爆発的な」海外勢の買いが再開するとの期待は低い。
日経平均採用銘柄の予想株価収益率(PER)は15倍後半、PBRも1.3倍にまで上昇している。野田佳彦前首相が衆院解散を宣言し、いわゆる「アベノミクス相場」が始まった昨年11月14日時点ではPERは13.58倍、PBRは0.91倍と解散価値の1倍を割り込んでいた。日本株の割安感は後退している。
また、消費増税は景気にとって下押し要因だ。5%から8%への消費増税は、8兆円の負担増になる。単純計算で、月間20万円を消費する家庭なら月6000円、年間なら7万2000円の負担増だ。月40万円の消費なら年間14万4000円にのぼる。「3%」という数字以上に実際の負担感は大きい。
消費増税は、デフレ脱却に重要な消費者マインドを直撃する。一方、5兆円規模の経済対策は、投資減税など企業向けの対策が中心だ。雇用や所得のベースである企業の競争力を強化することは、長い目で見れば消費にポジティブに働くが、短期間で大きく出る消費増税のインパクトを打ち消すことができない可能性がある。
「消費税率引き上げの負のインパクトと、企業向け経済対策による長期的インパクトとの間には、大きなミスマッチがあるように思えてならない」とシティグループ証券チーフエコノミストの村嶋帰一氏は指摘する。
法人税の実効税率引き下げを期待する海外投資家は多いが、2─3%の引き下げでは、立地競争力の強化という点では効果が薄い。
実効税率の国際比較では、米国が40.75%と高く、日本が2番目の35.64%(本則)、フランスが33.33%、ドイツが29.55%と続く。中国は25.00%、韓国は24.20%、シンガポールは17.0%。ライバルであるアジア各国に対抗するためには、10%といった大幅な引き下げが必要だが、財源の問題が浮上する。
<大きい追加緩和期待>
市場では日銀の追加緩和に期待する声が多い。「これまでのアベノミクスで最も効果があったのは、黒田日銀の金融緩和。このタイミングで追加緩和が発表されれば、インパクトは大きく、海外勢も日本株投資を再開するだろう」(外資系証券トレーダー)という。
ただ、追加緩和の方法も限られてきている。新発国債をすでに7割以上買い入れており、これ以上の購入は、国債市場の流動性低下という問題をさらに悪化させる。リスク資産のETF(上場投資信託)購入増額が有力視されているが、バランスシートを急拡大させるような巨額の購入は難しいとの指摘もある。
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
冒頭で、不用意に "倍返し" という言い回しをしたが、意を傾けるべき "倍返し" とは、"意趣返し"(恨みを晴らす、復讐......)ではなさそうだ。「窮鼠猫をかむ」という "リアル・ロジック"( 緊急避難行動! )でのリアクションの方であろう。
"感情ではなくて勘定......" というほどの "負のロジック" が、いたるところで牙を剥きはじめつつある気配がする...... (2013.10.03)
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