"歯周病" が決して侮(あなど)れない病気であることは、代表的な成人病( 動脈硬化/脳梗塞/糖尿病など )と見過ごせない関連があると着目されている点からも窺えるところだ。
◆ 参照 <動脈硬化は、不適切な食生活や運動不足、ストレスなどの生活習慣が要因とされていましたが、別の因子として歯周病原因菌などの細菌感染がクローズアップされてきました/ 歯周病の人はそうでない人の2.8倍脳梗塞になり易いと言われています/ 歯周病は以前から、糖尿病の合併症の一つと言われてきました。実際、糖尿病の人はそうでない人に比べて歯肉炎や歯周炎にかかっている人が多いという疫学調査が複数報告されています>( 「歯周病が全身に及ぼす影響」- 歯周病と心臓疾患・脳血管疾患 - 歯周病と糖尿病/JACP 日本臨床歯周学会 )
こうした "隠れ黒幕(?)" とも言えそうな "歯周病" に、いま一つ "危険な新たな可能性(?)" が指摘されはじめている。高い比率で "認知症" の原因だとされている "アルツハイマー" なのである。
これを報じているのは、下記引用サイト記事:歯周病はアルツハイマーの原因になるかもしれない、という研究結果/ガジェット速報/2013.10.05 である。
<米フロリダ大学のLakshmyya Kesavalu氏らの研究グループはこのたび、歯周病菌がアルツハイマーの要因になっている可能性があるとする研究結果を専門誌「Journal of Alzheimer Diseases」に発表しました。認知症状を示している患者とそうでない患者の脳サンプルを調べたところ、前者からは歯周病の原因となるバクテリアの組織が見つかったとのことです/ 歯周病を引き起こすとされるPorphyromonas gingivalis(ポルフィロモナス・ジンジバリス)という細菌/ アルツハイマーを患って亡くなった10名の患者の脳サンプルを調べたところ、このうち4人の脳からP. gingivalis由来のリポ多糖が検出された/ 直接の因果関係を示す証拠はまだ得られていないが、歯周病菌とアルツハイマー、両者に無視できないつながりがあることは明白......>
<直接の因果関係を示す証拠はまだ得られていない> とあるが、"予防的観点" に立つならば、警戒するのに十分な根拠だと言えそうだ......。
歯周病はアルツハイマーの原因になるかもしれない、という研究結果/ガジェット速報/Written by くまむん/2013.10.05
米フロリダ大学のLakshmyya Kesavalu氏らの研究グループはこのたび、歯周病菌がアルツハイマーの要因になっている可能性があるとする研究結果を専門誌「Journal of Alzheimer Diseases」に発表しました。認知症状を示している患者とそうでない患者の脳サンプルを調べたところ、前者からは歯周病の原因となるバクテリアの組織が見つかったとのことです。
細菌を大きく分類する方法の一つに「グラム染色」というものがあります。これは、特殊な薬品によって細菌の細胞膜を着色するための標準的な実験方法で、これによって紫色がつくものをグラム陽性菌、赤色に着色されるものをグラム陰性菌と呼びます。
このうち、グラム陰性菌は「リポ多糖」という物質からなる細胞膜を持っています。歯周病を引き起こすとされるPorphyromonas gingivalis(ポルフィロモナス・ジンジバリス)という細菌は、グラム陰性菌であるため、このリポ多糖を体内に持っています。
今回の発表によると、研究グループがアルツハイマーを患って亡くなった10名の患者の脳サンプルを調べたところ、このうち4人の脳からP. gingivalis由来のリポ多糖が検出されており、一方でアルツハイマーを患っていなかった脳からは全くこのリポ多糖は検出されなかったとのことです。
Kesavalu氏は今回の結果を受けて「直接の因果関係を示す証拠はまだ得られていないが、歯周病菌とアルツハイマー、両者に無視できないつながりがあることは明白だ」と語っています。グループでは今後、マウスを用いて両者の因果関係を立証するための実験を進めてゆくとしています。
実はこのPorphyromonas gingivalis、これまでにも動脈硬化との関連を指摘する研究結果が複数報告されているなど、口腔内以外の器官にも影響を与えることが指摘されている細菌です。毎日のハミガキは時にめんどくさく感じることもありますが、数十年後の将来のことを考えると、こま目なケアを心がけたほうがよさそうですね。
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
上記の<P. gingivalis由来のリポ多糖> についての記述部分を、以下の解説と併せて推測してみると、何故だか言い知れない不安を禁じえない。
<歯周病菌は腫れた歯肉から容易に血管内に侵入し全身に回ります。 血管に入った細菌は体の力で死滅しますが、歯周病菌の死骸の持つ内毒素は残り....../( 内毒素とは?:細菌の細胞壁に含まれる毒物。細菌が死滅しても毒は残る。エンドトキシンともいう )>( 前出の「JACP 日本臨床歯周学会」サイトより )
やはり、"歯周病" は侮れないようだ...... (2013.10.07)
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