"糖尿病患者" への "臓器移植" に関しては、ドナーにいろいろと制約がありがちな "膵臓全体" の "移植" ではなく、その中心組織である "膵島" の "移植" というアプローチがあるという。
下記引用サイト記事:京大病院で全国初の脳死膵島移植 糖尿病男性に手術成功/【共同通信】/2013.10.18 - 13:55 は、この "膵島移植" 手術の成功について報じている。
<京都大病院は18日、同病院で記者会見し、脳死者から提供された膵臓から、血糖値を調整するインスリンを分泌する組織「膵島」を取り出し、糖尿病患者の50代の男性に移植する手術を13日に実施し、成功したと発表した。
心停止したドナーからの膵島移植や、自分の膵臓から膵島を取り出して移植する自家膵島移植は過去に実施されているが、脳死者からの提供による実施は全国で初>
なお、このアプローチの意義(ねらい)は、別報道の記事では次のように解説されている。
<膵臓全体では医学的に移植に適さない場合でも、膵島が取り出せれば、糖尿病患者らの生活改善に大きく役立つ。背景には、臓器提供者の思いを生かそうという流れと、制度整備が進んだことがある。......膵島移植に詳しい福島県立医大の穴沢貴行助教は「医学的理由で移植を断念する例もあるが、膵島移植ならばできる場合もある。従来に増して、提供者の思いに応えることができるのではないか」と意義を強調>
( 全国初の脳死膵島移植の狙いは... 移植無理でも膵臓生かす/msn 産経ニュース/2013.10.18 - 14:01 )
せっかくドナーが見つかっても、糖尿病患者への臓器移植が断念される事態は、ドナーにとっても患者にとっても極めて不幸なことだと言わざるを得ない。
この "膵島" の "移植" というアプローチは、そうしたハードルの高さを低めて、"移植の可能性" を広げるものだと理解される。
しかも、全国で初となる<脳死者からの提供>によるものだという......。
【 引用記事 】
京大病院で全国初の脳死膵島移植 糖尿病男性に手術成功/【共同通信】/2013.10.18 - 13:55
京都大病院は18日、同病院で記者会見し、脳死者から提供された膵臓から、血糖値を調整するインスリンを分泌する組織「膵島」を取り出し、糖尿病患者の50代の男性に移植する手術を13日に実施し、成功したと発表した。
心停止したドナーからの膵島移植や、自分の膵臓から膵島を取り出して移植する自家膵島移植は過去に実施されているが、脳死者からの提供による実施は全国で初。
担当医の岩永康裕京都大助教は「移植された膵島からインスリンの分泌が確認されている。今のところ、容体は安定している」と話した。
もっと知りたい ニュースの「言葉」● インスリン(2010年2月1日)膵臓(すいぞう)から分泌されるホルモンの一種。肝臓や筋肉の中でエネルギーのもとになるグリコーゲンの合成を促進し、組織の中でブドウ糖を酸化させる。これらの作用の結果、血液中のブドウ糖を消費し、血糖値を下げる働きを持つ。糖尿病の治療などに用いられるが、過剰に摂取すると必要な糖分が体に行き渡らず、最悪の場合は死に至ることもある。
● 京都大病院(2008年3月13日)1899年、京都帝国大医科大付属医院として現在の京都市左京区に開設。特定機能病院として、31診療科、1182床を有する。移植医療では、生体肝移植や重症糖尿病患者に対する膵島(すいとう)移植などで世界をリードする実績を上げている。全国で8カ所の脳死肺移植指定施設の一つで、現在まで脳死肺移植5例、生体肺移植3例を実施。1996年には国内初の生体小腸移植も行った。
"膵臓全体" の "移植" にも、その中心組織である "膵島" の "移植" にも、それぞれに課題や難関はあるはずであろう。
しかし、重症の糖尿病患者にとっては、"移植の可能性" が高まる意義/価値は思いのほか大きいのではなかろうか...... (2013.10.19)
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