相変わらず "パワーハラスメント" が問題となっているし、そうでなくとも一般的に、"権力を手にした者たち" の横暴ぶりには手を焼かされるのが現実であろう。そして、とかく "権力者たちは傲慢!" というのが相場となっている。
分かり切った現実が至るところにあるためか、取り立てて、どうして "権力者たちは傲慢なのか?" と考えさせられることはあまりなさそうな気がする。
だが、その辺の "仕組み" を、"脳のメカニズム" を追及する観点から解明しようという研究があるそうなのだ。
< font color="#0000FF">下記引用サイト記事:「権力者の傲慢」は脳の仕組みに起因? カナダ研究/CNN.co.jp/2013.10.28 - 15:02 では、そうした研究が紹介されている。
<仕事で昇進した途端に人が変わったようになり、それまで同僚だった相手のことを忘れたり、いじめたりするようになる――。そんな現象は人の脳が持つメカニズムに起因する可能性がある/ 人が自分の権力を認識すると、脳の仕組みがはたらいて他人に対する思いやりを失ったり、他人の立場に立って考えることができなくなったりする> というのだそうだ。
ここで、"着目されている点" は、もともと<サルや人(の脳)には、共感の仕組みがある> という事実であり、
<今回の研究で、人が権力を持つと、脳が本来的に持っているメカニズムによってこの共感の仕組みが機能しなくなることが判明した> のだそうである。
その詳細については言及されていないのが残念であるが、<脳が本来的に持っているメカニズム> の、その詳細内容への興味が募るところだ。
だが、いずれにしても、"権力者たちは傲慢!" という現実は、"脳の本来的な仕組み/機能" の一つである "共感" が、別の"脳の本来的メカニズム" によって "無効化/反転" されて生じる仕組みのようである。かなり "根深い仕組み" だという印象が強い......。
「権力者の傲慢」は脳の仕組みに起因? カナダ研究/CNN.co.jp/2013.10.28 - 15:02
権力者が傲慢になるのは脳のメカニズムのせい?
(CNN) 仕事で昇進した途端に人が変わったようになり、それまで同僚だった相手のことを忘れたり、いじめたりするようになる――。そんな現象は人の脳が持つメカニズムに起因する可能性があるという研究結果を、カナダのウィルフリッド・ローリエ大学の研究チームがまとめた。
研究チームによれば、人が自分の権力を認識すると、脳の仕組みがはたらいて他人に対する思いやりを失ったり、他人の立場に立って考えることができなくなったりすることが、今回の研究で示されたという。
過去の研究では、サルや人には、自分が物をつかもうとしている時と、他者が物をつかもうとしているのを見ている時とで脳が同じような反応をする共感の仕組みがあることが分かっている。
しかし今回の研究で、人が権力を持つと、脳が本来的に持っているメカニズムによってこの共感の仕組みが機能しなくなることが判明したという。
権力がもたらすそうした作用をコントロールできるかどうかは次の研究課題でもある。ただ、米リーダーシップ研究機関の専門家、ウィリアム・ジェントリー氏は、思いやりは実績につながると指摘する。
同機関が世界38カ国の管理職約6000人を対象に実施した2011年の調査では、思いやりのある管理職ほど高い実績を上げていることが分かったという。「昇進して冷淡になったり偉そうな態度を取ったりする人は、最終的に出世の道を踏み外す」とジェントリー氏は話している。
つい先日、"うつ病" について、"人類史" 的スパンでの "人間の脳" の変化から解き明かす興味深いTV番組を観た。
◆ 参照 <...... なぜ、私たちはうつ病になるのか?その秘密は、意外にも5億2千万年前に誕生した魚の研究から明らかになってきた。魚でもある条件を作ると、天敵から身を守るために備わった脳の「扁桃(へんとう)体」が暴走し、うつ状態になることが分かってきたのだ。さらに2億2千万年前に誕生した哺乳類は、扁桃体を暴走させる新たな要因を生みだしていた。群れを作り外敵から身を守る社会性を発達させたことが、孤独には弱くなりうつ病になりやすくなっていたのだ。そして700万年前に人類が誕生。脳を進化させたことで高度な知性が生まれ、文明社会への道を切り開いてきた。しかしこの繁栄は、皮肉にも人類がうつ病になる引き金を引いていた。文明社会によって社会が複雑化し、人間関係が一変したことが、扁桃体を暴走させ始めたのだ。 ......>( NHKスペシャル『病の起源 第3集 うつ病 ~防衛本能がもたらす宿命~』/NHK/2013.10.20 - 00:00 )
前述の "共感/傲慢" という二つの "脳の本来的機能" についても、"人類史的スパンでの脳の変化" の視点に立つことで、重要なヒントが与えられそうな気がする...... (2013.10.30)
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