現在、大きく注目され、一段と研究が進む "iPS細胞" のアプローチであるが、研究課題は残されているとも言われる。
たとえば、"iPS細胞" の "がん化可能性" という問題。あるいは "拒絶反応" を巡る問題など......。
◆ 参照1 <iPS細胞 Q&A iPS細胞の課題 ......
Q4.iPS細胞はなぜがん化する可能性があるのでしょうか?またどの程度の確率でがん化するのでしょうか?
A4.iPS細胞そのものは体に入ると腫瘍を作る可能性があります。がんとは少し違い良性のものです。iPS細胞を用いた医療では、iPS細胞そのものを移植することはありません。iPS細胞から神経や網膜を作る際に元のiPS細胞が混ざっていないことをきちっと確認すれば、腫瘍ができる可能性はとても低くなります。一方で、iPS細胞に限らず細胞は確率的にがん化する可能性を持っています。iPS細胞だけが特に危険ということは無く、現在安全なiPS細胞を作るための厳しい検査も行っています。
......>(iPS Trend/文部科学省iPS細胞等研究ネットワーク)
◆ 参照2 "iPS細胞の移植"と"拒絶反応"を巡るやや錯綜した認識状況を、日本の研究報告が正す!( 当誌 2013.01.11 )
こうした状況であるだけに、下記引用サイト記事 : iPS細胞 悪い特徴を見分ける方法開発/NHK NEWS WEB/2013.11.19 - 05:13 が報じる "研究成果" は、強い関心を集めるものと思われる。
<iPS細胞の中で、体のさまざまな組織へと変化しやすい細胞と、あまり変化せず、後にがん細胞などになるおそれがある細胞を見分ける方法を、京都大学などの研究グループが開発しました。医療に応用する際、安全性を高める技術として期待されています>
<iPS細胞の中には体のさまざまな組織へと変化しやすい細胞と変化しにくい細胞があり、このうち変化しにくいものは、後にがん細胞などに変わるおそれがあると指摘されている/ そこで研究グループが神経細胞に変化しやすい細胞とそうでない細胞を分析したところ、あまり変化しない細胞では特定の3つの遺伝子が活発に働いていることを突き止めた> とある。
<どのiPS細胞を使えばいいかを早く正確に見極められる可能性があり、安全性の向上につながる>(神戸大学大学院医学研究科・青井三千代助教)とのことであり、"医療" 場面への "iPS細胞" の "応用における安全性" がより高められるとして期待されている......。
iPS細胞 悪い特徴を見分ける方法開発/NHK NEWS WEB/2013.11.19 - 05:13
iPS細胞の中で、体のさまざまな組織へと変化しやすい細胞と、あまり変化せず、後にがん細胞などになるおそれがある細胞を見分ける方法を、京都大学などの研究グループが開発しました。医療に応用する際、安全性を高める技術として期待されています。
【 NEWS 動画より抜粋 】
開発したのは、神戸大学大学院医学研究科の青井三千代助教と京都大学iPS細胞研究所のグループです。
iPS細胞の中には体のさまざまな組織へと変化しやすい細胞と変化しにくい細胞があり、このうち変化しにくいものは、後にがん細胞などに変わるおそれがあると指摘されています。
そこで研究グループが神経細胞に変化しやすい細胞とそうでない細胞を分析したところ、あまり変化しない細胞では特定の3つの遺伝子が活発に働いていることを突き止めました。
研究グループは、ほかの種類の細胞への変化にもこの遺伝子が関わっている可能性があるとみて、医療に応用する際、この特徴を持つ細胞を取り除くことで、安全な治療ができるのではないかと期待しています。
青井助教は「どのiPS細胞を使えばいいかを早く正確に見極められる可能性があり、安全性の向上につながると考えられる」と話しています。
やはり、突き止められた新事実、<あまり変化しない細胞では特定の3つの遺伝子が活発に働いていること> が注目されることになろう。
そして、"遺伝子" の働きが、"iPS細胞" をも、いわば "善玉"/"悪玉" に分けてしまうという点が興味深い...... (2013.11.20)
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