直腸がん:"人工肛門"避け、手術しても"肛門機能"を残す新手法登場!高くない再発率!

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 食生活の変化(動物性脂肪の摂取量の増加)で、年々増加する傾向があるとされている "大腸がん"。その半数弱の比率でみられるのが "直腸がん" だそうだ。
 そして、"直腸がん" の場合、肛門機能としての肛門括約筋の温存の有無の問題が伴うこととなり、"人工肛門" を付けるという選択も生じることになる。

 先日、自分が別件で入院することになった際、同室の患者さんの中にこの "直腸がん" の手術で入院されていた方がおられた。
 その方は、当初、"がん" の患部のみを摘出して肛門機能 は温存できたと安堵されていた。
 "人工肛門" を付けることをひどく嫌がっていたのだった。
 が、術後の容態が芳しくなく、術後検査の結果、結局は、"人工肛門" を付けるべく "再手術" を迫られることになった。
 医師からそう告げられて、その方は、大層落ち込んでおられたのが気の毒でならなかった......。

 そんな経緯もあってか、下記引用サイト記事直腸がん 人工肛門避け、手術しても残す新手法登場 高くない再発率/日本経済新聞/2013.11.01付 には、少なからず関心を寄せることになった。

 <直腸がんと診断された患者Aさん......。がんは肛門に近い場所にできており、肛門まで切除して人工肛門をつけるのが標準的な治療/ 肛門の一部を残すISRという新しい手術法を採用/ 患者は人工肛門をつけずに日常生活を送れるまでに回復/ ISRでこれまで難しかった患者でも肛門を残せるようになった/ 早期の直腸がんだけでなく、ある程度進行して筋肉にまで入った段階でも直腸のすぐ近くなら適用できる/ 肛門の保存を希望する患者にはISRを施す病院も増えつつある/ 他の治療に比べて再発率が高くないこともわかってきた/ 排便機能の維持も実績があがっている

 ただし、留意すべき点もあるようだ。

 <以前の(肛門)機能を完全に残せるわけではない/ これまでの実績から、外肛門括約筋だけで特に意識しなくても肛門がしまっているが、下痢など便がゆるくなると十分な機能は果たせない場合もある/ ISRは......、医師の手作業に頼るしかない/ 手術には適切で精密な技術が必要/ 執刀する医師の技量に左右される部分がまだ大きい> とされる......。

 直腸がん 人工肛門避け、手術しても残す新手法登場 高くない再発率 /日本経済新聞/2013.11.01付

 手術すると人工肛門をつけて不便な生活を強いられるのではないか。こんなイメージが強く残る直腸がんだが、新しい手術法で様子が変わってきた。器具を使って直腸をつなぎ合わせる手法の進化に加えて、肛門の筋肉を部分的に残す手術法も登場した。手術後の生活のしやすさを考えて、肛門を残す選択が広がっている


 「人工肛門をつけるくらいなら手術をしたくない」。直腸がんと診断された患者Aさんは思わず声をあげた。がんは肛門に近い場所にできており、肛門まで切除して人工肛門をつけるのが標準的な治療だ。そこで検査結果などを踏まえて担当医は、肛門の一部を残すISRという新しい手術法を採用した。患者は人工肛門をつけずに日常生活を送れるまでに回復した。

 「ISRでこれまで難しかった患者でも肛門を残せるようになった」と埼玉医科大学国際医療センターの山口茂樹教授は話す。

■ 早期でなくても

 内肛門括約筋切除術などと訳されているISRが普及し始めたのは2000年ごろから。文字通り、肛門を開閉する筋肉のうち直腸に近い内肛門括約筋だけをがんとともに切り取り、外側の外肛門括約筋は残して肛門の機能を維持する。早期の直腸がんだけでなく、ある程度進行して筋肉にまで入った段階でも直腸のすぐ近くなら適用できるのも利点だ。

 同じ括約筋でも内肛門括約筋と外肛門括約筋では役割が違う。以前は外肛門括約筋だけ残しても正常な肛門機能を維持できないと考えられていた。しかし外肛門括約筋だけでも、ある程度の機能を維持して日常生活を送れるとわかってきたことから、肛門の保存を希望する患者にはISRを施す病院も増えつつある

 当初、がんの場所に近い筋肉の一部を残すので、がんを残してしまうことも懸念された。しかし手術例の蓄積が進むにつれて「他の治療に比べて再発率が高くないこともわかってきた」(山口教授)。

 肛門を残す目的でもある排便機能の維持も実績があがっている。

 静岡県立静岡がんセンター大腸外科の塩見明生医長の研究発表によると、ISRをした患者29例のうち約4割が全く失禁を起こさなかった。「うまくいかず人工肛門にしてほしいという例が1例あったが、それ以外はたまに失禁があっても日常生活に支障なく良好な成績」(塩見医長)という。

 とはいえ、一部とはいっても肛門の筋肉を切り取るので、以前の機能を完全に残せるわけではない。内肛門括約筋は、無意識に働くが、外肛門括約筋は自分で意識して便を我慢するときなどに動く

 これまでの実績から、外肛門括約筋だけで特に意識しなくても肛門がしまっているが、下痢など便がゆるくなると十分な機能は果たせない場合もある。日常生活で問題はなくても、急に便が漏れるのを心配してパッド(おむつ)を当てている人も多いという。高齢になると筋肉の機能が衰えてくるため、一定の年齢以上の患者にはISRを勧めない病院もある。

 肛門から離れた部分の直腸がんは直腸の一部を切り取るだけなので、つなぎ直す手術も比較的簡単だ。直腸をつなぐ器具が発達したこともあり、肛門を残す手術が普及してきた。しかしISRは内肛門括約筋まで切り取るため器具でつなぎ直すことはできず、医師の手作業に頼るしかない


■ 医師の技量必要

 直腸がんを取り除くにしても、腹部からがんを切り取りつなぎ直す従来の手術と違い、肛門を開いて内側から内肛門括約筋を切りとって直腸もつなぎ合わせるため手間も時間もかかる。「切り取りすぎると機能が損なわれる半面、しっかり切り取らないとがんが残って再発する可能性がある手術には適切で精密な技術が必要」(山口教授)といい、執刀する医師の技量に左右される部分がまだ大きい

 ISRに限らず直腸がん切除手術をすると、肛門は残せても手術前より排便回数が増えるなどの影響は避けられない。

 屋外で長時間の作業をする職業の人などは、むしろ人工肛門をつけておいたほうが心配なく仕事ができる場合もある。医師と相談しながら自分の病状や生活に合わせて治療法を選ぶことが大切だ。

(編集委員 小玉祥司)

( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)

 "手術" といえば<医師の手作業>しかないと想定された時代から、<器具を使って直腸をつなぎ合わせる手法の進化......> 云々と、医師の手から離れる(?!) 環境が広がってきたようだ。
 しかし、上記記事のような<新しい手術法="ISR">は、まさに<医師の手作業> が要請されざるを得ないのだという。
 <執刀する医師の技量に左右される部分がまだ大きい> という状況をどう受けとめるのか、というシビァな問題...... (2013.11.04)













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