米国:もう見過ごせなくなった格差問題!金融緩和的成長経済政策と"格差問題"深刻化!

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 アベノミクス経済政策という "異次元金融緩和" 政策は、その "金融相場" 型情勢によって取りあえずの "株高" をもたらしつつ、"景気回復" 的動向を誘ってはいる。
 ただ、その "景気回復" 的動向にしても、"実感が伴わない!" という多数の国民を置き去りにしたかたちで展開している。

 "成長経済" がはじまっているのかどうかは別としても、"所得格差" をはじめとした "格差問題" が昂進している点だけは現実であろう。政府から企業に対する直々の "賃上げ要請" が、"景気腰折れの回避" のためになされているとのことであるが、そんな小手先技で、深まる "格差問題" がどうにかなるはずもなかろう

 仮に、かろうじて "景気回復" が叶ったとしても、この日本社会における "格差問題" とそこから派生して発生するおびただしい数の社会問題の噴出とを防ぐことは至難の業となりそうである......。

 図式的に言うならば、"異次元金融緩和" 政策を引き金とするアベノミクスのような "景気刺激" 政策は、"格差社会問題" の深刻化をまさに "抱き合わせ" として推進されているのだと言える。"副作用" を度外視した "即効薬(?)" が試されている事情とよく似ている......。

 ところで、"金融緩和" 経済策と言えば米国、加えて "格差問題" のご本家もまた米国であることは言うをまたない。
 その米国において、"格差問題" がついに "もうたくさんだ、我慢できないと言う段階!" に踏み込んでいるらしい......。

 下記引用サイト記事[FT]米国、もう見過ごせなくなった格差問題/日本経済新聞/2013.11.22 - 07:00 は、"政治課題" ともなりつつあるそうした現状について論評している。

 <数十年にわたる中間層の賃金停滞によって定着した格差の問題は、政治論争の最前線に出てき始めた/ 格差のトレンドは、好転するのが難しい/ 現時点では、どちらの党も格差についてどうすべきか分かっていないという事実の元で政治の多くが動いている

 <■上位1%が富を享受/ 2012年までの3年間で、上位1%の人の所得が31%増える一方、残りの人たちは0.4%しか増えなかった/ 要約すれば、上位1%の所得は(金融危機後に)ほぼ完全に回復し、下位99%はほとんど回復し始めてもいない状況だ/ 共和党が格差拡大を認めたことは、この争点が有権者に対して訴える力があることを浮き彫りにした

 <■両立困難な格差是正と成長政策/ 貧富の差の軽減に向けた課題は、現在の政策論争、特に最低賃金を引き上げ、貿易自由化を拡大し、金融規制を強化する取り組みに直接的な影響を及ぼす

 <■民主党内でも意見対立/ 格差に関する議論は、民主党内により大きな意見対立があることを示す。新しい経済政策が必要かどうか/ 伝統的に富を称賛してきた米国でさえ、格差を巡る議論が転換点を迎えた可能性がある/ この議論は人々がもうたくさんだ、我慢できないと言っている段階にある......限度を超えたら米国人でさえ納得しなくなる

 決して明瞭な状況変化ではなさそうであるが、"民主党" のみならず "共和党" もまた、この "格差問題" の事実を "無視し得なくなっている" というのが現時点での米国の政治状況なのであろう......。

 [FT] 米国、もう見過ごせなくなった格差問題/日本経済新聞/2013.11.22 - 07:00

(2013年11月21日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 昨年の大統領選に向けた選挙戦で、バラク・オバマ氏が格差を強調した論陣を張っていることについて意見を求められたとき、ミット・ロムニー氏は、そのような議論を「階級闘争」として一蹴した。......

 共和党の人であれ民主党の人であれ、高い地位を目指す候補が今、そのような立場を取るとは思えない。数十年にわたる中間層の賃金停滞によって定着した格差の問題は、政治論争の最前線に出てき始めた

 貧富の格差は昔からの争点だ。だが、危機後の鈍い景気回復のなかで、社会的地位の向上を目指す米国人の希望をそいでいる格差のトレンドは、好転するのが難しいことを物語る。

 「現時点では、どちらの党も格差についてどうすべきか分かっていないという事実の元で政治の多くが動いている」。クリントン政権で政府高官を務めたブルッキングス研究所のウィリアム・ガルストン氏はこう言う。

■上位1%が富を享受

 米国勢調査局の9月の報告書によれば、家計所得は5年連続で減少し、典型的な米国世帯は現在、実質ベースで1989年より所得が少ないという。同局は、家計所得の中央値は2012年に5万1100ドルから5万1017ドルに低下し、今では景気後退前の2007年のピークを8.3%下回っていると述べた。

 それと同時に、上位1%が手にする富の割合は上昇した。カリフォルニア大学バークレー校のエマニュエル・サエズ教授の論文によると、2012年までの3年間で、上位1%の人の所得が31%増える一方、残りの人たちは0.4%しか増えなかったという。

 「要約すれば、上位1%の所得は(金融危機後に)ほぼ完全に回復し、下位99%はほとんど回復し始めてもいない状況だ」と教授は言う。

 最も激しい議論が繰り広げられているのは民主党内だが、富裕層の成功は、共和党の有力者の街頭演説のテーマにもなった。......

 共和党は賃金停滞をオバマ大統領の政策のせいにしているが、同党が格差拡大を認めたことは、この争点が有権者に対して訴える力があることを浮き彫りにした

■両立困難な格差是正と成長政策

 貧富の差の軽減に向けた課題は、現在の政策論争、特に最低賃金を引き上げ、貿易自由化を拡大し、金融規制を強化する取り組みに直接的な影響を及ぼす

 民主党、共和党の多くの人は、環太平洋地域および欧州との大規模な協定の交渉を含む、貿易自由化に関する現政権の野心的な政策課題に慎重だ。...... 今年に問題を克服できる見込みが薄くなっている。

 クリントン政権とオバマ政権に助言を与えてきたジョン・ポデスタ氏は、より自由な貿易が米国に良い結果をもたらしたかどうかを巡る左派の長年の葛藤は「未解決」 ......

 格差問題を是正する政策の不足に対する懸念から、ポデスタ氏は「Washington Center for Equitable Growth(公平な成長のためのワシントンセンター)」という名前の小さなシンクタンクの設立を決め、先週発足させた。......

 ポデスタ氏は、所得再配分を可能にする政策は成長を抑制するとして頻繁に片付けられてしまったと指摘し、ワシントンセンターの調査研究がこの2つ(格差是正と成長)を両立させられることを期待する

■民主党内でも意見対立

 格差に関する議論は、民主党内により大きな意見対立があることを示す。新しい経済政策が必要かどうか、......という問題だ。 ......

 左派は今月、ビル・デブラシオ氏がニューヨーク市長に選出されたことに気をよくしている。同氏は市内の貧富の差の縮小を政策要綱に掲げて、民主党の支配層が後押しする候補を破った

 だが、規制を強化し、社会のセーフティーネット(安全網)を拡大しようとする民主党内左派の取り組みは大きな障害にぶつかる。今後何年か続くといわれる厳しい財政見通しと、新たな成長の源泉を見つける難しさだ

 ガルストン氏は、伝統的に富を称賛してきた米国でさえ、格差を巡る議論が転換点を迎えた可能性があると考えている。「この議論は人々がもうたくさんだ、我慢できないと言っている段階にあるようだ。限度を超えたら米国人でさえ納得しなくなる

By Richard McGregor

(翻訳協力 JBpress)

(c) The Financial Times Limited 2013. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.

( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)

 <両立困難な格差是正と成長政策> という "二律背反" を表現するフレーズが、いみじくも "現代が抱える問題の深刻さ!" を言い当てている。
 アベノミクスの前途に、われわれが何を想定しておくべきなのかが見えてくる...... (2013.11.23)













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