日本の "折紙" が親しまれてきたのは、専ら "机上" あるいは "畳みの上" の空間であったはずだ。一体誰が、"宇宙空間" で応用されると想像できたであろうか......。
ところが今、その "コンパクトな折り畳み規模" と "開くと想定外の実用規模" に "開花" する "折紙" の技術、原理が、"宇宙空間" での各種装置に応用されようとしているという。
飛行運搬時には、可能な限りの "コンパクトさ" が求められ、"宇宙空間" では "相応の実用的規模" に展開されること、しかもほぼ "瞬時に展開" されることが望まれる、となると、まさに 日本の "折紙" がヒントとなっても不思議ではないのかもしれない。
いわば、その "目の付けどころ!" に驚くばかりである。
下記引用サイト記事 : 宇宙でも活用される「新しい折紙技術」(動画)/WIRED/2013.12.18 WED が、その奇抜なアイディアとプロジェクトを紹介している。
<宇宙空間で大きく展開できるコンパクトなアレイなど、「折紙の数学」の専門家が協力するプロジェクト/ 機械工学の技術者チームが、宇宙空間で放つときちんと大きく開く、低コストでコンパクトなアレイを設計するため、「折紙の数学」の専門家の知識を求めている/ ラング氏は自身のウェブサイトで、折紙が、「Eyeglass」望遠鏡からエアバッグの折り畳みまで、技術の世界に大きく貢献できることを指摘/ 折紙は、アンテナやソーラーセイル、さらには小惑星を捕まえるための広がるネットにも利用できるだろう/ 折紙の技術はこの地球上にも用途がある> とある。
引用記事中の "動画" が、インパクトのある説得力を持っている......。
宇宙でも活用される「新しい折紙技術」(動画)/WIRED/2013.12.18 WED
宇宙空間で大きく展開できるコンパクトなアレイなど、「折紙の数学」の専門家が協力するプロジェクトを動画で紹介。
TEXT BY LIAT CLARK
TRANSLATION BY RYO OGATA/GALILEO
WIRED NEWS (UK)
機械工学の技術者チームが、宇宙空間で放つときちんと大きく開く、低コストでコンパクトなアレイを設計するため、「折紙の数学」の専門家の知識を求めている。米国ユタ州にあるブリガムヤング大学(BYU)のチームは、宇宙ステーションに電力を供給できるソーラーアレイ技術を開発している。
彼らは、ロバート・ラングが紹介する古くからある日本の「折紙(origami)」に関心をもった。ラング氏は数少ない折紙の専門家のひとりであり、折紙の数学や新しい折紙技術を研究している。
ラング氏は自身のウェブサイトで、折紙が、「Eyeglass」望遠鏡からエアバッグの折り畳みまで、技術の世界に大きく貢献できることを指摘している(同氏が折り紙の公理や新しい折り紙技術についてTEDで説明している動画を文末に掲載した)。
折紙は今回、直径25m、厚さ1cmというシリコンのソーラーアレイのインスピレーションになった。このアレイは、250kWの電力を発電する性能があるが、折り畳むと幅2.7mのコンパクト版になる。
現在は、広げると約1.25mになる試作機しかないが、チームはこれから数年をかけてこの技術を完成させる予定だ。
「折紙は、アンテナやソーラーセイル、さらには小惑星を捕まえるための広がるネットにも利用できるだろう」と、ラング氏は語る。
研究チームを率いるBYUのラリー・ハウエル教授は、折紙の技術はこの地球上にも用途があると考えている。医療(小さな切り口から体内に投入するインプラントやステント)や、開くと飛び出す電話機、さらには必要なときにパッと開く家などだ。
研究チームは『Journal of Mechanical Design』誌で、「結果は一般的で、広範囲の用途に適応するものだ」と書いている。このジャーナルには、9月号だけで、折紙を中心テーマとした論文が9本も公開されている。このことは、この古くからある技術の潜在力に対する関心が高まっていることを示している。
ラング氏の作品で、54個の同じ大きさの角を持つ多多面体(PolyPolyHedro)。作り上げるのに数日を要したという。画像は別の日本語版記事より
"千羽鶴" に象徴される "情感溢れる日本の折り紙" 技法が、今後の "宇宙空間" での宇宙開発の場で、第一線の"科学技術" としての成果に結びついて行くとすれば、日本文化にとっての一種の誇り! だと思われる...... (2013.12.19)
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