"がん発症" のメカニズムが、細胞レベルでの微小な動きから解明されようとしているようだ。こうした解明によって、"がん治療薬" の新たな開発が促進されるものと期待がかかっている。
下記引用サイト記事 1 : がんの鍵物質、働き解明 薬剤開発に期待、京大/【共同通信】/2013.12.02 - 03:00 は、そうした研究の最先端を報じている。
―― なお、下記引用サイト記事 2 : がんを引き起こす膜たんぱく質の立体構造と働きを解明 ~がんを抑制する薬剤の設計へ~ <研究の背景と経緯>/科学技術振興機構(JST)、京都大学/2013.12.02 は、上記ニュースの "ソース" に当るものだと思われるので併せて引用しておく。
<がんを引き起こす鍵となっている酵素が働く仕組みを、京都大の岩田想教授(構造生物学)のチームが突き止め、1日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表/ この酵素は「Rce1」で、さまざまな種類のがんを誘発するタンパク質「Ras」の働きを助けている/ Rasは細胞を異常増殖させてがんを引き起こしている。膵臓がんの約9割、大腸がんの約4割で一因となり、白血病や肺がん、乳がんなどにも関与するとされる>
<RasやRhoと呼ばれるたんぱく質は、細胞の成長や増殖に関与する重要な分子このRasたんぱく質の突然変異によるシグナル伝達の異常活性化は、すい臓がん、子宮頸がん、肺がん、甲状腺がん、膀胱がん、乳がん、皮膚がん、白血病などのがんで共通して起こっています/ Rce1は、...... Rasたんぱく質のペプチドを切断する、小胞体膜内在型のたんぱく質分解酵素/ このRce1によるRasたんぱく質のペプチドの切断が引き金となり、突然変異型のRasがシグナル伝達の異常活性化を引き起こしています(図1)> とある。
門外漢の目からはもちろん理解が行き届かない詳細な事象はともかくとしても、<今回の成果により、新たながん治療薬の開発につながる> という期待は十分に共有できそうである......。
【 引用記事 1 】
がんの鍵物質、働き解明 薬剤開発に期待、京大/【共同通信】/2013.12.02 - 03:00
がんを引き起こす鍵となっている酵素が働く仕組みを、京都大の岩田想教授(構造生物学)のチームが突き止め、1日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。
この酵素は「Rce1」で、さまざまな種類のがんを誘発するタンパク質「Ras」の働きを助けている。今回の成果により、新たながん治療薬の開発につながるとしている。
チームによると、Rasは細胞を異常増殖させてがんを引き起こしている。膵臓がんの約9割、大腸がんの約4割で一因となり、白血病や肺がん、乳がんなどにも関与するとされる。
【 引用記事 2 】
がんを引き起こす膜たんぱく質の立体構造と働きを解明 ~ がんを抑制する薬剤の設計へ ~ <研究の背景と経緯>/科学技術振興機構(JST)、京都大学/2013.12.02
RasやRhoと呼ばれるたんぱく質は、細胞の成長や増殖に関与する重要な分子です。遺伝子の情報を合成されたRasたんぱく質は、さまざまな化学修飾により活性化され、細胞表面上の受容体にシグナルを伝達します。一方で、このRasたんぱく質の突然変異によるシグナル伝達の異常活性化は、すい臓がん、子宮頸がん、肺がん、甲状腺がん、膀胱がん、乳がん、皮膚がん、白血病などのがんで共通して起こっています。最近では、がんの約15%の原因は、Rasたんぱく質の異常に関係しているとも言われています。
Rce1は、このRasたんぱく質の化学修飾を行う酵素群の1つで、Rasたんぱく質のペプチドを切断する、小胞体膜内在型のたんぱく質分解酵素です。このRce1によるRasたんぱく質のペプチドの切断が引き金となり、突然変異型のRasがシグナル伝達の異常活性化を引き起こしています(図1)。
そのため、これらの一連の酵素群の立体構造や反応機構の解明は、がんを抑制する薬剤の創出に向けて重要な知見と考えられています。特にRce1は、古細菌からヒトまで広く保存され7回膜貫通型のたんぱく質分解酵素ですが、他の酵素と相同性が低い新しい酵素であり、構造解析による反応機構の解明が望まれていました。本研究では、ヒトRce1と相同性の高い古細菌由来Rce1の立体構造解析を試みました。
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
<これらの一連の酵素群の立体構造や反応機構の解明は、がんを抑制する薬剤の創出に向けて重要な知見と考えられています> とあるが、なるほどそうなのだろう! と納得できる。
素人目からも "分かった気" になれるような "認識モデル" を構成することが、先ずは重要なことなのかもしれない...... (2013.12.03)
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