ノーベル賞受賞者が『Science』等学術雑誌をボイコットする理由!鋭いメディア批判!

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 "メディア" の "社会的貢献度" とともに、もう片方では、その "弊害" を危惧する思いが日増しに高まっているようにも窺える。

 特に、種々の手練手管が駆使されつつ、"メディア" が "権力の補強手段" かのように利用されている昨今の政治環境を目の当たりにする時、それが難なくまかり通っている現状にいたたまれない憤りが生まれてくる......。

 いわゆる "マス・メディア" がこぞって商業主義と保身姿勢に雪崩込み、加えて、これらを、元より節操のない "有識者たち" が "したり顔で支える" といったこの国の情けない現状を見る時、あわや絶望的な気分に引き込まれそうにもなる......。

 かつて、"知識人" とは、社会の生の利害関係/権力関係に距離を置きつつ、いわば "批判的に" 時代を透徹しようとする者と期待されていたこともあったかもしれない。
 しかしながら、時代は、"えげつない程にリアル化!" してしまい、今や、"知識人(もどき)" とは、"大勢=体制" への "批判的牙" を自ら進んで "抜歯" することで、"大勢=体制" の "支持、補完" の役割に邁進する人々! という変貌を遂げたかのようである......。

 この薄汚れた流れが加速して行く過程で、時の権力と一体化した "マス・メディア" は、"知識人(もどき)" たちを、ますます "大勢=体制" の "支持、補完" 勢力へと囲い込んでいったかの観がある。

 極論するならば、"科学者をも含む知識人" たちとは、"時の権力やマス・メディア" と実に "親和性" の高い人種(?) だと言っても差し支えないのかもしれない。

 ということで、下記引用サイト記事ノーベル賞受賞者が学術雑誌をボイコットする理由/WIRED/2013.12.20 FRI に目を向けてゆきたい。

 "ノーベル賞受賞者" だから振舞える "反骨スタンス" だと言ってしまえばそれまでであるが、"科学者よ!お前たちもか!" と言わぬばかりの鋭い現状批判とその行動は注目に値すると思われる。

 <科学は危機に晒されている。閉鎖的なカーストの手に握られ、独立性があるとはいいがたく、もはや信頼できない」/ シェックマンは......、激しい非難の声を投げかけている。主要な国際学術雑誌である『Nature』『Cell』『Science』は、独裁者にたとえられている。彼らは科学的重要性よりも、研究のメディア的なアピールを基準にして出版を行う。研究者の側もその権威のため、掲載してもらうために、何でもする(自分たちの研究結果の改変さえする)傾向がある/ 自分の研究がこうした雑誌に掲載されるのを見たいという誘惑は、研究結果を改変して、より魅力的で「流行」に合ったものにするように研究者たちを追いやっている/ 科学の進歩のために決定的となる発見が犠牲となるかもしれない/ シェックマン編集者をも攻撃する/ 研究の内的価値よりもスクープを優先して考えるというのだ。まずお金で、研究はそのあと> とある。

 そして、"決めゼリフ" は、次のようになる。

 <研究の科学的価値に、「メディア的成功」は必要か?> と。

 多分、昨今のこの国の一般的風潮 ―― "メディア偏重"というより "メディアの唯我独尊" 状態! ―― からするならば、シェックマン の言動は、ただただ "違和感" を掻き立てると受け留められるのではなかろうか。
 ただし、"メディア的成功" とは馴染み薄でありながら、将来の大飛躍に結び付く可能性を秘めた "画期的研究!" が、ことごとく封殺されながら......。

 ノーベル賞受賞者が学術雑誌をボイコットする理由/WIRED/2013.12.20 FRI

ノーベル医学生理学賞を受賞したばかりランディ・シェックマンが、『Science』『Cell』『Nature』を攻撃している。「彼らは研究を商品化して、研究者たちが結果を修正するように追いやり、科学を台無しにしている」と。



 TEXT BY MICHELA DELL'AMICO
 TRANSLATION BY TAKESHI OTOSHI
 WIRED NEWS(ITALIA)


"Randy with his first microscope - which he has now donated to the Nobel Museum."BY eLife(CC:BY 2.0)

 「科学は危機に晒されている。閉鎖的なカーストの手に握られ、独立性があるとはいいがたく、もはや信頼できない

 こう語っているのは、細胞内分子輸送を制御するメカニズムの発見によりノーベル医学生理学賞を受賞したばかりのアメリカ人生物学者ランディ・シェックマンだ。

 反カーストの新しいシンボルとして、シェックマンは以前から議論されているある問題について、激しい非難の声を投げかけている。主要な国際学術雑誌である『Nature』『Cell』『Science』は、独裁者にたとえられている。彼らは科学的重要性よりも、研究のメディア的なアピールを基準にして出版を行う。研究者の側もその権威のため、掲載してもらうために、何でもする(自分たちの研究結果の改変さえする)傾向があるという。

 シェックマンの見解によると、こうした雑誌は政府や機関の選択に影響を与えて、ひとりの研究者やひとつの研究の運命を変えることができる。しかし彼の研究室(カリフォルニア大学バークリー校にある)は、こうした雑誌をボイコットするだろう。彼は『ガーディアン』紙にそう語った。今後はどのような種類の論文も提出するのをやめる雑誌側は自分たちの威信を濫用して科学的プロセスをねじ曲げていて、科学のために打ち砕かれなければならない圧政となっている。少なくとも彼はこのように考えている。

 シェックマンが強調したように、自分の研究がこうした雑誌に掲載されるのを見たいという誘惑は、研究結果を改変して、より魅力的で「流行」に合ったものにするように研究者たちを追いやっている。こうしたことにより、トレンディではないけれど科学の進歩のために決定的となる発見が犠牲となるかもしれない

 シェックマン編集者をも攻撃する。彼らは科学者ではないので、研究の内的価値よりもスクープを優先して考えるというのだ。まずお金で、研究はそのあとなのだ。

 彼によると、こうした雑誌に掲載される栄誉のために、中国科学アカデミーのような機関が、専門性にかかわらず論文が掲載されるという大仕事に成功した研究者に3万ドルも支払っている。そしてこうした報奨金が、給料の半分にもなる人もいる。

研究の科学的価値に、「メディア的成功」は必要か?

 シェックマン科学コミュニティのすべてのメンバーに、このつくり上げられた秩序を拒否して、むしろオープンアクセスを支持するように誘っている(彼が何年も前からeLifeのサイトに対して行っているように)。「ウォール街が莫大な給料を払う文化をやめなければならないのと同じように、科学は贅沢雑誌の圧政に従うのをやめなくてはなりません」。

 「わたしたちは140年以上、科学的重要性を基準にして出版すべき研究を選択してきました」と、『Nature』の編集長、フィリップ・キャンベルは答えた。「わたしたちが著者や批評家から受ける支持が、わたしたちが必要としている唯一の裏付けです。このことは、ある種のメディア的な成功をもたらすことがあります。しかしわたしたちの編集者たちは、これを仕事の目的とは考えていません」。

 とはいえ研究の信頼性が、それを出版する雑誌を通して得られることは間違いなく事実だ。当のNature Publishing Groupが、最近2万人以上の研究者に対して行ったアンケートの結果を発表した。それによると、自分の研究を提出する雑誌を選ぶために重要と判断されている基準は、雑誌の評判、彼らが研究をしている分野にどれくらい重要性が与えられているか、そしてインパクトファクターだという。最後のものは「求心力」、つまりある研究が一般的な関心や、メディア的な露出を引き起こすことのできる可能性のことだ


 かつて、"科学的研究" の "自律性/独立性" を脅かす存在としては、いわゆる "イデオロギー" があったとされる。 が、現代では、過剰な商業主義を突っ走る "メディア"(とその受容者)が危険視されているということになるのか...... (2013.12.24)













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