27日の東京株式市場は、"円安頼みの日本の成長戦略" での円高(一時102円割込み!)がリスクオフ傾向を誘い、日経平均株価は大幅に続落。一時、1万5000円を割る場面も。終値は前週末比385.83円安の1万5005.73円となり、まさに "円安なかりせば......" をまざまざと知らせることとなったようだ。
ここに来て、"新興国経済の不振" が世界市場の足を引く動きとして懸念されているが、やはり、"円安依存" 継続中の日本経済にとっては、意に反する "円安相場に変調!" という事態が、少なからず警戒されている。
下記引用サイト記事 : 円安相場に変調、今週はFOMCなどリスク要因山積/REUTERS/2014.01.27 - 08:16 では、この動向に潜む "懸念要因" が注意深く洗い出されている。
<FOMCで波乱含み/ ファンド勢など、これまで円安戦略で収益を得てきた短期筋の間では、予想通りにテーパリングが決定されればリスクセンチメントが一段と委縮し、ドル/円の下値リスクが高まるとの見方も> と総評された上で、個々の懸念事項について以下のとおり指摘されている。
<ルー米財務長官発言/ ルー米財務長官は16日、日銀の異次元緩和と円安傾向に関連し「日本は為替レートの利点だけに依存した戦略で長期成長を目指すべきではなく、(為替政策を)注視し続ける」と発言/ 円安推進の前提は日米関係の安定であり、日米関係が蜜月でないことを考えれば、今後円安政策を追求するのは厳しくなるかもしれない>
<TPP交渉/ 米国では中間選挙も近づいており、TPP交渉をめぐって議会からの圧力も強まっている/ TPPの参加国が輸出を伸ばすために自国の通貨を安く誘導する為替操作をしないよう監視する>
<変調きたす円安/ 足元で変調をきたしている円安相場については、統計的に円が売られ過ぎとのシグナルも点滅/ このため、円高方向への「調整が意識されやすい水準にある」>
<経常収支構造の変化とリパトリ/ 例年3月にかけてはリパトリ(引用者注.海外投資資産を自国に戻すこと)による円買い需要も顕著で、実需の円売り需要を相殺する規模に達する可能性もある>
<米景気好調の割に強くなれないドル/ 米経済がそれほどいいのであれば、株価がスパークするなりドル高が一段と進行するなりしてもよさそうだが、そうなれないところに今の相場の限界が潜んでいる/ 米国が政治的にも外交的にも内向きになっていることや基軸通貨としてのドルの弱まりが、ドル高相場が持久力を欠く要因>
状況を単純化して言うなら、これまで、"米国の動向" が思いのほか "幸いしていた" 日本経済であったが、"米国" 自体が<米景気好調の割に強くなれないドル> という状況に至り、まるで "ツケ" が回されるかのようにその "是正" が図られつつある、ということになるのであろうか......。
円安相場に変調、今週はFOMCなどリスク要因山積/REUTERS/2014.01.27 - 08:16
[東京 27日 ロイター] 円安相場が変調をきたし始めた。週明け早々のマーケットではドル/円が102円を割り込んだ。市場では、米連邦公開市場委員会(FOMC)でのテーパリング見送り待望論すら。
円安頼みの日本の成長戦略に不快感を表明し始めた米国や、ヤマ場を迎え政治的駆け引きが先鋭化する環太平洋連携協定(TPP)交渉、不安定化する中南米市場など、リスク要因は多い。
予想レンジは、ドル/円が100.50―104.00円、ユーロ/ドルが1.3500―1.3800ドル。
<FOMCで波乱含み>
市場の関心はFOMCに向かっている。大手邦銀の関係者は、債券買い入れ規模が100億ドル減額されることは織り込み済みだと話す。......
ファンド勢など、これまで円安戦略で収益を得てきた短期筋の間では、予想通りにテーパリングが決定されればリスクセンチメントが一段と委縮し、ドル/円の下値リスクが高まるとの見方もあり、......
<ルー米財務長官発言>
国際政治の現場では、引き続き円安進行を実質上の景気対策として利用する日本に対して、米国の苛立ちの表明とも受け取れる発言が米政府高官から発せられた。
ルー米財務長官は16日、日銀の異次元緩和と円安傾向に関連し「日本は為替レートの利点だけに依存した戦略で長期成長を目指すべきではなく、(為替政策を)注視し続ける」と発言。
......「あのような形(ルー長官発言)で米国の意向が伝わったということは、裏では既に日本政府に対して相当注文が付けられているということだろう」(機関投資家)との指摘も出ており、米政府高官の今後の発言にも留意が必要だ。
「円安推進の前提は日米関係の安定であり、日米関係が蜜月でないことを考えれば、今後円安政策を追求するのは厳しくなるかもしれない」とFPG証券の深谷氏は言う。
為替報告書は、消費増税に伴う内需減速に不安を表明したうえで、経済対策を安易に金融緩和とそれに伴う円安に頼るべきではなく、まずは乗数効果の高い財政政策での対応を求めるなど、踏み込んだ内容となっている。
<TPP交渉>
米国では中間選挙も近づいており、TPP交渉をめぐって議会からの圧力も強まっている。
米与野党の有力議員が9日に提出した法案には、米政府に強力な交渉権限を与える条項と、為替について政府に対応を求める項目が盛り込まれた。TPPの参加国が輸出を伸ばすために自国の通貨を安く誘導する為替操作をしないよう監視するなどの対応を求めている。......
<変調きたす円安>
ドル/円は23日以降、下げ基調を強めている。週明けのマーケットでは101.77円まで下落して2013年12月6日以来の安値をつけた。足元で変調をきたしている円安相場については、統計的に円が売られ過ぎとのシグナルも点滅している。
...... 2007年7月以来の大幅な割安感を示している。このため、円高方向への「調整が意識されやすい水準にある」とみずほ銀行、国際為替部・マーケット・エコノミスト唐鎌大輔氏は言う。 ......<経常収支構造の変化とリパトリ>
日本の経常収支の構造変化により、「需給面でコンスタントに実需筋による円売りが出ていることは確か」(邦銀)だが、例年3月にかけてはリパトリ(引用者注.海外投資資産を自国に戻すこと)による円買い需要も顕著で、実需の円売り需要を相殺する規模に達する可能性もある。 ......
<米景気好調の割に強くなれないドル>
主要6通貨に対する米ドルの強さを示すドル指数.DXYは現在80台半ば付近と、昨年9月と2月に観測された水準であり、昨年7月に付けた84台後半の2年ぶり高水準を下回り、方向感を欠く動きを見せている。
「米経済がそれほどいいのであれば、株価がスパークするなりドル高が一段と進行するなりしてもよさそうだが、そうなれないところに今の相場の限界が潜んでいる」(ファンド・マネージャー)という。
同ファンド・マネージャーは、米国が政治的にも外交的にも内向きになっていることや基軸通貨としてのドルの弱まりが、ドル高相場が持久力を欠く要因とみている。
(森佳子)
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
今後も "円安相場" と "株高傾向" は、紆余曲折して行くかに思えるが、やはり "円安頼みの日本の成長戦略" を刷新して、"リアル成長戦略!" へと踏み込んで行かなければ、東京株式市場は "ファンド勢に弄り回されるだけの超不安定な市場" で終わりかねないのではなかろうか...... (2014.01.28)
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