一般的に、"記憶" を司るのは、"脳の海馬" であり、さらにそこでの "神経細胞のニューロン" の働きが要だと考えられている。
ところが、その "神経細胞のニューロン" 自体が、加齢とともに、"衰弱したり壊れたりする" ため "記憶力の低下" が引き起こされるようだ。"認知症/パーキンソン病" はその結果生じるものと考えられている。
そこで、注目されるのが "神経細胞のニューロン" の "生成" ということになる。もし、この "生成" が叶うならば、 "記憶力の低下" が防げるとともに、"認知症/パーキンソン病" の治療にも効果的だと考えられるからだ。
下記引用サイト記事 : 若返らせて神経細胞作る 認知症治療に期待 慶大・理研/朝日新聞/2014.01.14 - 05:00 は、こうした脈絡での "画期的な研究成果" を報じている。
<神経幹細胞は神経の様々な細胞を作るが、ニューロンを作る能力は徐々に衰え回復しない/ 衰えた神経幹細胞を若返らせ、脳などで情報を伝達するニューロン(神経細胞)を再び作り出させることに、慶応大と理化学研究所のチームが成功した/ 神経幹細胞はiPS細胞などで作れるが、そこからニューロンを効率的に作る手法がなく、認知症などの治療や薬づくりの壁になっていた/ マウスの神経幹細胞を使い、ニューロンを作り出す初期の状態で必要なマイクロRNA(リボ核酸)という分子を特定。衰えてニューロンを作らなくなった神経幹細胞でこの分子を働かせると、ニューロンを作る状態に戻った/ この分子を神経幹細胞が残っている海馬などで働かせられれば、記憶回復なども見込めるかもしれない> とある。
"iPS細胞" 技術をベースとした "神経幹細胞" の再生医療技術が、"マイクロRNA(リボ核酸)という分子" に着眼することで、ここまで画期的な成果をもたらすことになったのには驚きと言うほかない......。
若返らせて神経細胞作る 認知症治療に期待 慶大・理研/朝日新聞/2014.01.14 - 05:00
衰えた神経幹細胞を若返らせ、脳などで情報を伝達するニューロン(神経細胞)を再び作り出させることに、慶応大と理化学研究所のチームが成功した。神経幹細胞は神経の様々な細胞を作るが、ニューロンを作る能力は徐々に衰え回復しないことが知られている。今回の成果は、神経細胞がこわれることで起こる認知症やパーキンソン病の治療に役立つと期待される。
神経幹細胞は初めは主にニューロンを作る。だが、次第にニューロンの活動を支える「グリア細胞」ばかり作るようになる。数も減り、大人では脳のごく一部でしか残っていない
。チームは、マウスの神経幹細胞を使い、ニューロンを作り出す初期の状態で必要なマイクロRNA(リボ核酸)という分子を特定。衰えてニューロンを作らなくなった神経幹細胞でこの分子を働かせると、ニューロンを作る状態に戻った。神経幹細胞はiPS細胞などで作れるが、そこからニューロンを効率的に作る手法がなく、認知症などの治療や薬づくりの壁になっていた。今回の仕組みはヒトでも同様に働いていると期待され、新たな手法の開発につながる可能性がある。岡野栄之・慶応大教授は「この分子を神経幹細胞が残っている海馬などで働かせられれば、記憶回復なども見込めるかもしれない」と話す。米科学アカデミー紀要で発表する。(阿部彰芳)
"認知症/パーキンソン病" が、時代的・社会的にますます目が離せない事態となってきているだけに、この "研究成果" が一刻も早く治療の現場に活かされて行くことを期待したい...... (2014.01.16)
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