今シーズンのインフルエンザの流行が猛威を振っている。
下記引用サイト記事 1 : インフル、H1N1型が最多...免疫ない人増加/YOMIURI ONLINE/2014.02.07 - 15:24 によれば
<1月27日~2月2日の推計患者数は約187万人で、昨シーズンのピーク時(約214万人)に近づいた> とある。
そして、一つの特徴としては、
<2009年に新型として発生したH1N1型の患者が最多で、3シーズンぶりに流行/ 昨シーズンは2%にとどまっていた (のに対して) 今シーズンは最多の40%> に急増加している点なのだという。
なお、その理由は、<H1N1型への免疫を持たない人が増えたためだろう> と推測されている。
しかも、<H1N1型は09年の発生当初、若年層が肺炎や呼吸困難で入院するケースも目立った> という過去の経緯があるだけに "要注意!" なのだとされる。
ところで、"H1N1型" のインフルエンザは、<2009年に新型として発生> とあるから、いわゆる "新型" インフルエンザでなく、"再流行" だということになる。
いや、世界的な視野から見れば、実は "H1N1型" は、かなり以前から登場していたようだ。
その点については、下記引用サイト記事 2 : 新型インフルエンザウイルス/インフルエンザウイルス/2007.09.26 - 13:54 が次のように解説している。
<1918年に発生したスペイン風邪はH1N1型/ H1N1型はアジア風邪が登場してから姿を消していましたが、1977年にソ連風邪として再登場しました。よく耳にするAソ連型はH1N1型/ インフルエンザウイルスは、毎年少しずつ形を変えながら感染を繰り返します。このような、ウイルスの性質が少しずれて起こる変異を「連続変異」といいます> とある。
<これに対して、従来流行していたウイルスとはHAやNAの亜型が全然違うウイルスが突然現れることがあります。これを「不連続変異」といい、これによって現れたウイルスが、いわゆる「新型インフルエンザウイルス」> だとされるので、いわゆる"新型" インフルエンザではないことになる。
だとしても、"免疫"(抗体/免疫細胞)が過去に作られた経緯のない個々人=<免疫を持たない人々> にとっては、概ね "新型" と同じ結果となってしまうわけだ。
ちなみに、"ウイルス" の "変異体/亜型" は、ウイルスの遺伝子が生体の体内で混じり合って "遺伝子配列がダイナミックに変化" することで生じるとのことである。"鳥インフルエンザ" でも警戒されているように、この "ウイルス変異" は予想以上に発生し易いようである。
そして、その "変異" は、"ウイルスの表面の突起"(HA,NA) の変化で見分けられる、と言われ、それが "H~N~" と呼ばれるそうなのである......。
【 引用記事 1 】
インフル、H1N1型が最多...免疫ない人増加/YOMIURI ONLINE/2014.02.07 - 15:24
インフルエンザ患者の増加が続いている。
国立感染症研究所の7日の発表では、1月27日~2月2日の推計患者数は約187万人で、昨シーズンのピーク時(約214万人)に近づいた。今シーズンは、2009年に新型として発生したH1N1型の患者が最多で、3シーズンぶりに流行しているのが特徴だ。
同研究所によると、1医療機関あたりの患者報告数は34・44人で、前週(24・81人)よりも増えた。
11年以降、H1N1型は激減し、昨シーズンは2%にとどまっていた。今シーズンは最多の40%で、A香港型(H3N2型)が36%、B型(24%)が続く。
国立感染症研究所感染症疫学センターの砂川富正室長は「H1N1型への免疫を持たない人が増えたためだろう。通常の季節性インフルエンザと同様、今後も周期的な流行を繰り返すのではないか」と推測する。
H1N1型は09年の発生当初、若年層が肺炎や呼吸困難で入院するケースも目立った。インフルエンザに詳しい、けいゆう病院小児科の菅谷憲夫医師は「健康な成人でも、放置すると急速に重症化する恐れがある。インフルエンザを疑ったら、速やかに受診して治療を受けてほしい」と話す。
【 引用記事 2 】
新型インフルエンザウイルス/インフルエンザウイルス/2007.09.26 - 13:54
インフルエンザウイルスは直径約80~120ナノメートル(1ナノメートルは1ミリメートルの100万分の1)で、ウイルス表面からHA(赤血球凝集素)およびNA(ノイラミニダーゼ)という糖タンパク質が突き出ているために、とげのあるイガグリのような形をしています。ただし実際には、下図のような完全な球形ばかりでなく、細長いのや曲がったものなどいろいろな形のものがあります。
そして、内部タンパク質の形によってA型、B型、C型に分けられ、A型はさらにHAとNAの形によって亜型に分けられます。
現在では、HAの亜型が16種類、NAの亜型が9種類知られており、それぞれ1~16、1~9というように番号をつけ、HAとNAの型の組み合わせによりその頭文字のHとNをとってH4N5型、H7N7型というようにウイルスの型を決定しています。
たとえば、1918年に発生したスペイン風邪はH1N1型、1957年のアジア風邪はH2N2型、1968年の香港風邪はH3N2型です。H1N1型はアジア風邪が登場してから姿を消していましたが、1977年にソ連風邪として再登場しました。よく耳にするAソ連型はH1N1型、A香港型はH3N2型ですが、それぞれソ連風邪、香港風邪が基になっています。A型ウイルスは自然界に広く分布しており、ヒト以外にもブタ、ウマ、アザラシなどのほ乳類や、ニワトリ、カモ、アヒルなどの鳥類からも分離されています。このうちヒトに感染するのは、現在のところH1N1型型(Aソ連型)、H2N2型(Aアジア型)、H3N2型(A香港型)の3種類です。B型とC型には亜型はありませんが、B型には2系統あり、山形系統とヴィクトリア系統とに分けられます。これらのうち、現在流行を繰り返しているのは、A(H1N1型)型、A(H3N2)型およびB型です。C型は大きな流行は起こしません。インフルエンザウイルスは、毎年少しずつ形を変えながら感染を繰り返します。このような、ウイルスの性質が少しずれて起こる変異を「連続変異」といいます。これに対して、従来流行していたウイルスとはHAやNAの亜型が全然違うウイルスが突然現れることがあります。これを「不連続変異」といい、これによって現れたウイルスが、いわゆる「新型インフルエンザウイルス」です。 ......
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
仮に、"免疫"(抗体/免疫細胞)が過去に作られた経緯のない個々人=<免疫を持たない人々> であっても、皆が皆、同じ症状となるわけではなさそうである。
"一般的な免疫力" 水準が底上げされていれば、即座には対応不能だとしても、早期に "ウイルス撃退態勢" が整うのが生体の特質のようなので、その点に意を配りたいものだ...... (2014.02.09)
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