これまで、"三大療法"(除去手術/抗がん剤/放射線)が当然視されていたがん治療法が、漸く "がん免疫療法" という新しいアプローチへと移行しつつあるかのようだ。
◆ 参照 1.
<"がん免疫療法" とは、簡単に言えば、患者体内に備わった "免疫力/免疫細胞" を活性化させ、支援することで、"がん細胞" の動きを封じ込める治療法>("がん免疫療法"進展!免疫細胞を"再教育"!新療法で白血病患者88%の症状消失(米国)!( 当誌 2014.02.23 ))
こうした推移に拍車を掛けるのが、この "がん免疫療法" に使われる "医薬品" の開発であるとともにその認可だと言える。
既に、これについては、以下のような "小野薬品工業の動き" があった。
◆ 参照 2.
<新しいがんの治療法が、早ければ年内にも国内で始まる。免疫の攻撃力を利用する「免疫療法」の一種で、効果が限定的だった従来の方法とは異なる仕組みだ。小野薬品工業が昨年末に厚生労働省に医薬品としての承認を申請し、今秋にも認められる見通し。がんの有力な治療法になると期待されている。......(朝日新聞/2014.02.17 - 07:47)>( "がん"を攻撃する"新しい免疫療法"年内にも開始!小野薬品工業の医薬品認可の見込み!( 当誌 2014.02.18 ) )
ただ、治療を受けるがん患者にとっての切実な関心は、その "効き目" であるのはもちろんのこと、"治療費の問題" でもあるはず。
と言うのも、"がん免疫療法" というような新しいアプローチに関しては、"医療保険対象外" の扱いとなり "高額な自己負担!" となっていたからだ。
ところが、この現状が突き崩されつつあるという点に焦点を合わせているのが、下記引用サイト記事 : がん細胞攻撃する免疫療法薬 初の医療保険対象/Economic News/2014.02.23 - 15:06 であり、上記の "小野薬品工業の動き" を "医療保険適用" の視点から照らし直している。
<これまでにないタイプの新しいがんの治療薬が年内に販売される予定だ。厚生労働省は昨年末に小野薬品工業<4528>からの医薬品「ニボルマブ」の承認の申請を受けており、年内に申請する見通し/ これまでの抗がん剤は、ある種の毒性を利用して疾患の原因となっている微生物やがん細胞の増殖を阻害することを目的としていたため、嘔吐や脱毛といった強力な副作用を生じることが問題視されていた。自己免疫を強化させることでがん細胞と戦わせる免疫療法薬は副作用の心配が少ない反面、これまで保険対象とならず、高額な自費となる点がネックであった。ニボルマブは、認可されれば公的な医療保険が使える初の免疫療法薬となる。がん患者にとって有効な選択肢の一つとなることを期待したい> とある。
がん細胞攻撃する免疫療法薬 初の医療保険対象/Economic News/2014.02.23 - 15:06
これまでにないタイプの新しいがんの治療薬が年内に販売される予定だ。厚生労働省は昨年末に小野薬品工業<4528>からの医薬品「ニボルマブ」の承認の申請を受けており、年内に申請する見通し。
これまでの研究により、がん細胞は、リンパ球がもつ免疫作用を抑制するシステムを利用することで、免疫からの攻撃を免れて体内で増殖していくことが分かっていたが、ニボルマブはこのシステムに関与し、免疫の抑制を解除させることで免疫機能にがん細胞を認識させ排除させる反応を増強させる、免疫抑制解除という役割を体内で果たす。これまでにない発想に基づいているため、今後がんの有効な治療法になるのではないかと期待されている。
今回、ニボルマブは皮膚がんの一つである悪性黒色腫の治療薬として製造販売承認を申請されている。悪性黒色腫は悪性度が非常に高いがん。年齢別にみた悪性黒色腫の死亡率は、男性で60歳代、女性では70歳代から増加。発生部位は足の裏が最も多く、体幹や顔面、爪に出ることもある。これまで、国内においては、外科手術で切除不能な場合の予後は「極めて悪い」とされており、予後を有意に改善する薬物療法もなかった。 ......
これまでの抗がん剤は、ある種の毒性を利用して疾患の原因となっている微生物やがん細胞の増殖を阻害することを目的としていたため、嘔吐や脱毛といった強力な副作用を生じることが問題視されていた。自己免疫を強化させることでがん細胞と戦わせる免疫療法薬は副作用の心配が少ない反面、これまで保険対象とならず、高額な自費となる点がネックであった。ニボルマブは、認可されれば公的な医療保険が使える初の免疫療法薬となる。がん患者にとって有効な選択肢の一つとなることを期待したい。(編集担当:堺不二子)
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
こうして、"がん免疫療法" という新しいアプローチがオーソライズされ始めると、なおのこと、
<これまでの抗がん剤は、ある種の毒性を利用して疾患の原因となっている微生物やがん細胞の増殖を阻害することを目的としていたため、嘔吐や脱毛といった強力な副作用を生じることが問題視されていた>
という点が、実に恨めしく思えてくる...... (2014.02.25)
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