"3.11" (東日本大震災 2011.03.11) から3年が過ぎようとしている。
この "歴史的な巨大災害" が、この日本に "一体何を残し、何を残せないでいるのか?" という問いかけの思いがジワリと込み上げてくる。
いろいろな思いを禁じえないが、ちょうど昨夜観たTV番組( NHKスペシャル『無人の町の"じじい部隊"』2014年3月7日 午後10時00分~10時49分)で触発された印象 ―― 一言では表現できないのだが、心折れずに歩を進める......とでも言おうか ―― をとにかく心に留めておこうかと......。
◆ 参照 1.
<帰還困難区域(旧警戒区域)の現場にテレビカメラが初めて長期にわたって入り、継続取材したドキュメント。厳重にゲートで閉ざされた福島県大熊町。退職したばかりの町の元最高幹部たち6人からなる自称"じじい部隊"が、無人となった町を飛び回る。防護服に身を包み、防犯・防火のパトロールを行い、一時帰宅の住民を扶助、除染作業を監視し、山川でセシウム値を計測...。将来の住民帰還が不可能にならないよう、「無人の町」の留守を守り、町の復興・帰還計画をけん引しているのだ。「全員帰還」から「移住支援」に舵を切り始めた政府。「帰還」VS「移住」に分かれる住民。苦しい状況の中、今日も自ら最前線に立つ元最高幹部たち。番組では、四季を通じて"じじい部隊"の活動を追いながら、これまで断片的にしか伝えられてこなかった帰還困難区域の全貌と現状を伝える。>( NHKスペシャル『無人の町の"じじい部隊"』 )
さて、今回着目したい記事は、こうして "3年が経過" しつつも、今なお "自然災害" と "政治の貧困!" とが災いして "修復されない現実!"、これを痛々しく照らし出すものだと言える。
下記引用サイト記事 : 医師の4割が「精神疾患増加」 東北3県の調査/【共同通信】/2014.03.07 - 18:27 は、決して偽りでは修復不能な "人の心に居座る傷痕" を照射している。
<東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県の沿岸部で被災者を診察している医師70人のうち、約4割(27人)が「心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの精神疾患が増加傾向にある」とみていることが共同通信のアンケートで7日、分かった/ 被災者に精神疾患が多くみられることは専門家が指摘してきたが、直接診察に当たっている医師により裏付けられた形/ 震災から3年近くを経ても生活環境の改善が進まない実態が明らかになった> とある。
つい先日、<仮設住宅での暮らしが、高齢者の認知症リスクを1・3倍高める可能性があること> という、これまた哀しい現状が気になったばかりであった。
◆ 参照 2.
<東日本大震災後の仮設住宅での暮らしが、高齢者の認知症リスクを1・3倍高める可能性があることが、東北大の古川勝敏准教授(老年医学)の研究グループの調査でわかった/ 震災で家族を亡くしたり、外出や運動の機会が減ったりしたことが影響している/ 仮設住宅に暮らす65歳以上の700人を対象に、物忘れの度合いを検査/ その結果、36%にあたる252人に記憶力や判断力、計算力などの低下がみられ、「認知症か認知症予備軍の可能性がある」と判断/ 国内の認知症患者は、予備軍を合わせると高齢者の28%で、仮設住民に占める割合の方が上回っていた>( 認知症:仮設暮らし リスク1.3倍!/認知症:「本人の努力次第」(自己責任論)ではない!( 当誌 2014.03.06 ) )
これらの記事は、冒頭の無人の町の"じじい部隊"の果敢さとは対照的に、"心が折れてやむなし" とさえ言えてしまいそうな "危機的状況" を逆照射しているのではなかろうか。決して弱音の観点ではなく、事実の問題として......。
医師の4割が「精神疾患増加」 東北3県の調査/【共同通信】/2014.03.07 - 18:27
東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県の沿岸部で被災者を診察している医師70人のうち、約4割(27人)が「心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの精神疾患が増加傾向にある」とみていることが共同通信のアンケートで7日、分かった。
被災者に精神疾患が多くみられることは専門家が指摘してきたが、直接診察に当たっている医師により裏付けられた形。理由については、被災による「外出機会の減少」や「精神面の負担増」を挙げた医師が多く、震災から3年近くを経ても生活環境の改善が進まない実態が明らかになった。
"自然環境や地域社会" のあり様が、その寛容さによって "人の心、精神面を静かに癒す" ものであることは、人々が実感として感じ続けてきたことであろう。
ところが、冒頭の、"放射能汚染" によって "ふるさとの町" への帰還が阻まれ、"無人" と化してしまった "町、自然環境や地域社会" ともなってしまえば、余程気丈夫な人であっても "心折れてしまう"、そんなリスクに襲われるのではなかろうか...... (2014.03.09)
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