"認知症" のおよそ半数を占めるとされる "アルツハイマー病"(アルツハイマー型認知症)。その発症メカニズムは未だ全容解明には至っておらず、根治治療法は叶っていない。
そのため、治療の主眼は "いかに発症程度を抑制し、症状進行を遅らせるか......" にあるとも言われている。したがって、その兆候をいかに早期に発見するかが重要! とされる。
ところがその発見とて、必ずしも容易ではなく、"陽電子放射断層撮影(PET)とコンピューター断層撮影装置(CT)を組み合わせた「PET―CT」" を駆使する "脳ドック" などでも、<画像をきちんと読み取れる「読影」の専門家や、検査結果から病気との関連を判定できる医師がいるかどうか> という課題に直面しているという。(◆ 参照 5.)
こうした現状において、下記引用サイト記事 : 血液検査でアルツハイマー予見、精度90%超 米大学/CNN.co.jp/2014.03.10 - 10:03 は、<血液検査でアルツハイマー予見> という "血液検査法" の開発について報じている。
<米ジョージタウン大学などの研究チームは10日までに、将来的にアルツハイマー病を発症するかどうかを極めて高い精度で予見できる血液検査法を開発したと発表/ 研究チームは血液検査で手軽に調べられる脂肪の値に着目。米ニューヨーク州とカリフォルニア州に住む70歳以上の健康な高齢者数百人の血液を調べた/ このうち28人が5年後に、アルツハイマー病やその前兆となる軽度の認知症状を発症。この28人の脂質を調べたところ、特定の10種類の脂質の値が、発症しなかった人に比べて低くなっていたことが分かった/ 検証のため、アルツハイマーや認知症状を発症している別の54人の血液を調べ、やはりこの脂質の値が低いことを確認/ この血液検査法では、90%以上の精度でアルツハイマー病や認知障害を発症するかどうかを予見できるという。症状が表れる前から予測できるのが特徴で、研究者は、脳の細胞が死滅し始めるのと同時に脂質の濃度も低下し始めるようだと解説> とある。
研究チームは、<今後は40代と50代を対象にこの検査法を試す> とあり、検証実績データの蓄積が進めば、アルツハイマー病 の "予防/早期治療" が大きく前進することになりそうだ。
【 "アルツハイマー型認知症" に関する最近の当誌記事 】
◆ 参照 1.
○ <これまでに我々の研究グループはアルツハイマー型認知症で嗅覚障害があり、嗅覚機能検査が早期診断に役立つことを報告していた>( アロマセラピー!"香りの力"で認知症を予防する!アルツハイマー型認知症と嗅覚障害!( 当誌 2014.03.04 ) )
◆ 参照 2.
○ アルツハイマー型認知症の進行を既存薬(脳梗塞予防薬「シロスタゾール」)内服で抑制!( 当誌 2014.02.28 )
◆ 参照 3.
○ "アルツハイマー病"の脳内原因物質"アミロイドβ"の"掃除役タンパク質sorLA"が特定!( 当誌 2014.02.14 )
◆ 参照 4.
○ アルツハイマー病で脳内に蓄積する「アミロイドβ」を制御する遺伝子発見(大阪大学)!( 当誌 2014.02.05 )
◆ 参照 5.
○ <アルツハイマー病などの認知症を心配して脳ドックを受診する人が増えている。主に脳梗塞の兆候をつかむ目的で使われてきたが、用途が拡大しつつある。ただ、認知症の発症メカニズムは解明しきれておらず、予防・治療法も研究途上だ。脳ドックに期待しすぎないで、......>"認知症"の心配と"脳ドック"の利用!"脳ドック"にあまり期待し過ぎないで上手に利用?!( 当誌 2014.01.22 )
【 引用記事 】
血液検査でアルツハイマー予見、精度90%超 米大学/CNN.co.jp/2014.03.10 - 10:03
(CNN)米ジョージタウン大学などの研究チームは10日までに、将来的にアルツハイマー病を発症するかどうかを極めて高い精度で予見できる血液検査法を開発したと発表した。現時点でアルツハイマー病を予見するには陽電子放射断層撮影(PET)や脊椎(せきつい)穿刺(せんし)など高額な検査を受けるしかない。しかしこうした検査は危険を伴うこともあり、精度は必ずしも高くない。
今回の研究結果はジョージタウン大学とロチェスター大学の研究チームが医学誌ネイチャー・メディシンに発表した。研究チームは血液検査で手軽に調べられる脂肪の値に着目。米ニューヨーク州とカリフォルニア州に住む70歳以上の健康な高齢者数百人の血液を調べた。
このうち28人が5年後に、アルツハイマー病やその前兆となる軽度の認知症状を発症。この28人の脂質を調べたところ、特定の10種類の脂質の値が、発症しなかった人に比べて低くなっていたことが分かった。
検証のため、アルツハイマーや認知症状を発症している別の54人の血液を調べ、やはりこの脂質の値が低いことを確認した。
この血液検査法では、90%以上の精度でアルツハイマー病や認知障害を発症するかどうかを予見できるという。症状が表れる前から予測できるのが特徴で、研究者は、脳の細胞が死滅し始めるのと同時に脂質の濃度も低下し始めるようだと解説している。
今後は40代と50代を対象にこの検査法を試すことにしており、効果が確認されれば、アルツハイマーの発症が予想される人のための医薬品や治療法などの研究加速につながると研究チームは期待を寄せている。
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
"アルツハイマー病発症の予見" 研究は、該当者の "症状進行" の "経過観察" がより注視されることになるため、より一層、"発症メカニズム" の詳細な解明にもつながるのだと考えられる...... (2014.03.11)
コメントする