"認知症" の半数が該当しているとされる "アルツハイマー型認知症" は、現状、"根治は困難" であるため、 "対症療法" = "薬治療" というのが現状であることは、すでに了解してきたところだ。
◆ 参照 1.
○ <いくつかある薬の中で最も多く処方されているのは、エーザイの「アリセプト」( 一般名:ドネペジル塩酸塩 )>( "65歳以上で七人に一人が認知症!"の切迫/当面の対症療法としての"薬治療"の現実は?!( 当誌 2014.03.10 ) )
また、<既存薬の脳梗塞予防薬「シロスタゾール」> が奏功するという事実についても着目した。
◆ 参照 2.
○ アルツハイマー型認知症の進行を既存薬(脳梗塞予防薬「シロスタゾール」)内服で抑制!( 当誌 2014.02.28 )
今回は、この<既存薬の脳梗塞予防薬「シロスタゾール」> の "詳細" を、再度追うために、下記引用サイト記事 : 脳梗塞予防薬が認知症の進行抑制にも有効であることを確認/国立循環器病センター/2014.02.27 という記事(ニュースソース)に目を向け直すことにした。
<国立循環器病研究センター(略称:国循)は、脳梗塞再発予防薬として広く用いられている抗血小板薬「シロスタゾール」が認知症の進行予防にも有効であることを明らかにしました/ 認知症は、いくつかの対症療法は存在しますが、認知機能の低下そのものを根本的に食い止める手法はまだ見つかっていません/ アルツハイマー型認知症の認知症症状の進行抑制に用いられるドネペジル塩酸塩という薬剤を内服している洲本伊月病院の患者を対象に、シロスタゾール内服者と非内服者年間の認知機能低下率をミニメンタルステート検査(MMSE)により比較したところ、シロスタゾールを内服していた患者では年間の認知機能低下が有意に抑制されていることが分かりました。シロスタゾールを内服していた患者では、特に記憶の再生や自分の置かれている状況を正確に把握する能力(見当識)の低下が阻止されていました/ シロスタゾールがアルツハイマー病のような神経変性症にも有効である可能性を示唆している> とあり、その "有効性" を納得させるに足る【 図 】 シロスタゾールによる認知機能低下抑制 を添えている。
なお、シロスタゾールという "薬" 自体については以下が参考となる。
◆ 参照 3. ○ シロスタゾール - おくすり110番
【 引用記事 】
脳梗塞予防薬が認知症の進行抑制にも有効であることを確認/国立循環器病センター/2014.02.27
国立循環器病研究センター(略称:国循)は、脳梗塞再発予防薬として広く用いられている抗血小板薬「シロスタゾール」が認知症の進行予防にも有効であることを明らかにしました。これは、国立循環器病研究センター脳神経内科の猪原匡史医長、洲本伊月病院の岡田雅博院長、公益財団法人先端医療振興財団先端医療センターの田口明彦部長らによる共同研究グループの成果です。
認知症は現在わが国で既に400万人を超え、その進行を阻止する手法の開発が世界中で行われています。いくつかの対症療法は存在しますが、認知機能の低下そのものを根本的に食い止める手法はまだ見つかっていません。
共同研究グループは、アルツハイマー型認知症の認知症症状の進行抑制に用いられるドネペジル塩酸塩という薬剤を内服している洲本伊月病院の患者を対象に、シロスタゾール内服者と非内服者年間の認知機能低下率をミニメンタルステート検査(MMSE)により比較したところ、シロスタゾールを内服していた患者では年間の認知機能低下が有意に抑制されていることが分かりました。シロスタゾールを内服していた患者では、特に記憶の再生や自分の置かれている状況を正確に把握する能力(見当識)の低下が阻止されていました。これらの機能は特にアルツハイマー病の早期で障害されやすい認知領域であることから、研究グループは、シロスタゾールがアルツハイマー病のような神経変性症にも有効である可能性を示唆していると考えています。
これらのデータを基に、国立循環器病研究センターを中心として今年中に医師主導治験を開始し、シロスタゾールの軽度認知障害(MCI)の患者に対する有効性を確認する予定です(治験責任医師:長束一行・脳神経内科部長、治験調整医師:猪原匡史・脳神経内科医長)。
本研究成果は、科学雑誌「PLOS ONE」に平成26年2月27日付で掲載されます。シロスタゾールは、脳梗塞の予防に広く用いられる抗血小板薬(「血液サラサラ薬」です。シロスタゾールは、血栓形成を抑制すると共に、血管を拡張させ脳血流を上昇させる作用があることが知られています。アルツハイマー病をはじめとする認知症を呈する患者では、その原因にかかわらず、しばしば血管の病気を併発することが知られていることから、研究グループはシロスタゾールの抗認知症効果を予想し、シロスタゾールを内服している患者の認知機能低下の進行率をミニメンタルステート検査(MMSE)を用いて調べました。
( 中 略 ) 【 図 】 シロスタゾールによる認知機能低下抑制アルツハイマー病の初期症状のためにドネペジル塩酸塩を内服している患者のうち、12か月以上の間隔で2回以上ミニメンタルステート検査(MMSE)と呼ばれる質問形式による認知機能評価を受けた患者を、シロスタゾールを6カ月以上追加投与された患者34例と追加投与されなかった患者36例に分類し、認知機能の変化を解析しました。
すると、シロスタゾール投与群では認知機能の年間低下率は非投与群と比較して約80%抑制されており、また認知機能検査の評価項目の中でもアルツハイマー型認知症の初期に機能低下が起こりやすい「時間の見当識」「場所の見当識」「遅延再生」の3項目での認知機能低下が有意に抑制されました。
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
もし、自身が "認知症" を発症してしまったら......、と考えることをパスしてしまえるような呑気な時代環境ではなくなったようだ。
まして、そうなった場合、"認知機能" が損なわれた中で "治療法" のあれこれに目を向けることなぞ不可能......。健康である時に、最小限の知識は入手しておくべきなのかもしれない。もちろん、既に、介護しなければならない親御さんを抱えた人の場合は尚のことかと思われる...... (2014.03.12)
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