現在、"救急病院" でも "CTやMRI(磁気共鳴画像装置)の撮影" が救急医療に用いられているという。"大動脈瘤(りゅう)" といった急を要する症状への診察/診断も欠かせないからだ。
しかし、こうした "画像装置" が奏功するためには、"撮影された患者の当該画像" が適切に "読み取られる(「読影」される)" ことが不可欠となり、そのための "専門医" が必須となる。
もちろん、"救急病院" 側には "「読影」専門医" がいるのだが、もし "深夜" であれば、"たたき起こして招来する" という対応にならざるを得ないはずだ......。
というのも、"「読影」" は誰にでも簡単にできることではなく、高度な "専門性と経験" が要請されるからだ。
ちなみに、事情はやや異なるが、当誌でも以下のような例に注目したことがある。
◆ 参照
○ <陽電子放射断層撮影装置(PET)とコンピューター断層撮影装置(CT)を組み合わせた「PET―CT」の画像が役立つこともある/ 大切なのは画像をきちんと読み取れる「読影」の専門家や、検査結果から病気との関連を判定できる医師がいるかどうかだ>( "認知症"の心配と"脳ドック"の利用!"脳ドック"にあまり期待し過ぎないで上手に利用?!/当誌 2014.01.22 ) )
そこで、現代の技術環境ならではの "インターネット(クラウドコンピューティング技術)" が活用されることになる。
下記引用サイト記事 : 深夜の急患CT、海外医師が読影 美濃加茂・木沢記念病院/岐阜新聞 Web/2014.03.20 - 10:05 は、その "好例" について報じている。
<救急医療で深夜の時間帯に搬送された患者のCT(コンピューター断層撮影装置)などの画像読影を、時差のある米国在住のベテラン日本人放射線診断医(画像診断医)が遠隔診断する「画像コンサルタントサービス」を、美濃加茂市古井町下古井の木沢記念病院が3月から本格的に始めた。日本では初の取り組みといい、応急処置に追われる当直医の負担を減らし、迅速で正確な画像診断で医療過誤防止にもつなげる/ 昨年10月から試用で画像診断を行い、2月末までに大動脈瘤(りゅう)や虫垂炎など171件の救急事案で対応/ セキュリティーが厳密なクラウドコンピューティング技術を利用して画像を送信。平均18分で診断結果の所見が同病院救急医療センターへ戻され、当直医らがパソコンで閲覧し活用> とある。
医療の領域におけるこうした "リモート診察/診断" というケースは、条件が満たされれば進展していくものと予想される......。
深夜の急患CT、海外医師が読影 美濃加茂・木沢記念病院/岐阜新聞 Web/2014.03.20 - 10:05
◆ 在米日本人診断医と提携
救急医療で深夜の時間帯に搬送された患者のCT(コンピューター断層撮影装置)などの画像読影を、時差のある米国在住のベテラン日本人放射線診断医(画像診断医)が遠隔診断する「画像コンサルタントサービス」を、美濃加茂市古井町下古井の木沢記念病院が3月から本格的に始めた。日本では初の取り組みといい、応急処置に追われる当直医の負担を減らし、迅速で正確な画像診断で医療過誤防止にもつなげる。
同病院の画像読影を行う放射線診断医は研修医を含めて5人。深夜は帰宅しており、急病や交通事故などで4人体制の当直医(内科系2人、外科系2人)や救命救急医が全身のCTやMRI(磁気共鳴画像装置)の撮影を行う場合もあることから、同診断医に相談する場合は就寝中を起こして対応している。
米国ロチェスター大で放射線診断医を務めたことがあり、日本でも同様の資格を持つ北之園高志さん=ハワイ在住=が救急画像診断コンサルタントを手がけていることを知り、メディカルリサーチ社(東京)を通じて3月からの画像コンサルタントを本契約した。
昨年10月から試用で画像診断を行い、2月末までに大動脈瘤(りゅう)や虫垂炎など171件の救急事案で対応した。セキュリティーが厳密なクラウドコンピューティング技術を利用して画像を送信。平均18分で診断結果の所見が同病院救急医療センターへ戻され、当直医らがパソコンで閲覧し活用した。
「北之園さんはレベルが高く、質の高い医療を提供できる」(北島康雄院長)とし、医師のアンケートから「診断情報が役立ち、安心したとの意見が多かった」(西堀弘記放射線科部長)と実施に踏み切った。
"クラウドコンピューティング技術" といった、クライアント(ユーザ)側での負荷が小さく、大きなデータが処理できるネットワーク技術が、上記記事のような "医療現場での緊急事態" に活用されることこそ、インターネット技術の本領発揮! だと思われる...... (2014.03.24)
コメントする