番組 NHKスペシャル『人体ミクロの大冒険 あなたを守る!細胞が老いと戦う』紙面要約!

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 今回は、昨日の予告どおり、TV番組 <『人体 ミクロの大冒険 第3回 あなたを守る! 細胞が老いと戦う』/NHK スペシャル/2014.04.06 - 21:00~21:49> の、鑑賞に基づいた "紙面要約" である。

 先ず、科学ドキュメンタリーとして、"極めて精密で分かりやすいCG" を織り込んだ優れた番組であったというのが正直な感想である。

 もちろん、当該分野の研究動向の歩調を、ほとんど遅延なくフォローしていた点においても、高く評価できると思えた。
 高齢化社会と高齢病に否応なく眼が向く現時点にあって、人々の関心事に極めて "タイムリー" な番組であったことも評価し得る。

 下記番組の紙面要約で、番組のエッセンスについては、ほぼトレースしたつもりなので重複は避け、"核となる中心部分" だけを振り返ってみる

 <免疫細胞こそが老いや病を引き起こす大きな要因だとする衝撃の事実!身体を守るはずの免疫細胞が逆に身体をこわしていく。/ 肝臓内での免疫細胞の姿 大量の "マクロファージ" が一箇所(病原体ではなく肝臓の細胞)に群がる。 免疫細胞の暴走→「慢性肝炎」 何らかの誤作動が起こり間違って本来敵ではないものに攻撃を始めてしまう。 これが免疫の暴走であり、組織を破壊して老化につながっていく/ 「メタボリック症候群」(高血圧、糖尿病、心臓疾患......)も主犯は免疫細胞の暴走/ 一つ間違えると、免疫細胞の暴走によって "サイトカイン" がところ構わず撒き散らされると身体中が免疫細胞の攻撃対象と化す→全身が老いてゆく最大の原因!/ 免疫細胞たちのリーダー "T 細胞" はなぜ暴走してしまうのか?/ "胸線" 内で、"T 細胞" のアンテナが厳しく選別され、アンテナの性能の悪いものは "T 細胞" ごと壊される。 生き残る"T 細胞" はわずか5%以下!→厳しい選別を乗り越えてはじめて、"T 細胞" は、司令塔として実戦に向かう/ ところが "胸線" :思春期を過ぎるとほとんどなくなってしまう!(宿命として維持できない)/ つまり、"胸線" が無くなって、新しいT細胞の補充が不可能になると、古くなった "T 細胞" は次第に判断力を失っていく!/ "T 細胞" は、残ったものでやりくりするしかない。 思春期以降は、細胞からの十分なケアは期待できない! これこそ細胞が私たちに強いている宿命!/ この宿命は、今、大きな転換を迎えている!/ 人工 T 細胞(←iPS細胞) 老化によって新しい "T 細胞" ができなくなったのを、iPS細胞化して再生する 無限に増やせる!/ こうしてつくられた "T 細胞" には大きなメリットがある。 異物を識別するアンテナはすでに "胸線" でチェック済みのため、すぐに実戦でつかうことができる。> とある内容が、この番組の面目躍如たる部分であるに違いない。

【 番組の紙面要約 】

 「人体 ミクロの大冒険 第3回 あなたを守る! 細胞が老いと戦う」/NHK スペシャル/2014.04.06 - 21:00~21:49

 【 NHK スペシャル『人体ミクロの大冒険』動画より抜粋
○ 病原体が無いのに、血管内壁に張り付いた免疫細胞:マクロファージ
○ マクロファージと血小板で詰まった血管 → 動脈硬化
○ 思春期まで存在する "胸線"("T 細胞" の選別臓器)
○ 正常な判断力を持った "T 細胞" の年齢比較 高齢者:激減!
○ "T 細胞" は "胸線" 内部で "厳しい選別" を受ける
○ "iPS 細胞" から "人工 T 細胞" がつくられる/宿命への挑戦!
○ "すべての細胞は "受精卵" からつくられる自然現象
○ "iPS 細胞" は "山中ファクター" 遺伝子投入でつくられる
○ "山中ファクター" 遺伝子投入と "iPS 細胞" 化!
老いの根底に 細胞の存在
 これまで老いとは歳月とともに全身が満遍なく衰えてゆくことと考えられていた。ところが、最新研究によって身体の衰えの根底には、たった一種類の細胞があるという驚きの事実が明らかになりました。
 その細胞とは何か? そしてその発見は、どんな未来を私たちにもたらすのか?


 60兆の細胞でつくられる私たち それはひとつの小宇宙 つながり まとまり あなたをつくる
 老いの正体とは何か? 捉えられたのは「免疫細胞」の異常な姿です 病と戦う免疫細胞が逆にさまざまな病を引き起こしていることが分かってきました 健康を守る細胞がなぜ自分を蝕むのか? 60兆の細胞で成り立つ私たちの「宿命」が深く関わっています

○ 反逆する免疫細胞
○ 病の根源を探れ
○ 人工細胞 宿命への挑戦


◆ 地中海に浮かぶ長寿の島:イタリヤ/サルデーニャ島
 長寿の人の割合が世界一 100歳超の高齢者は5千人に一人(世界平均の2倍)

 老化研究が進む 調査、延べ3000人

 長寿の人(100歳の人)の共通項
 血液から採取した免疫細胞に特徴
 免疫細胞が非常に効果的に働き続けていることが分かった。
 免疫細胞の働きには年齢によって大きな違いがある。
 60代の免疫細胞は病原体に対して動きが鈍い。
 サルデーニャ島の高齢者はこの免疫細胞が衰えていない、20代の動きを保っている。

 「長生きの大きな要因は遺伝を別にすればなんといっても免疫でしょう。特に百歳以上の高齢者は免疫細胞の力が非常に強いことに驚かされます。病原体に対して抵抗力が高いのです。」

◆ "T 細胞" を中心とした免疫細胞のチームワーク
 免疫細胞の数:大人2兆個 免疫細胞は骨髄のニッチでつくられる。 1日一千億以上 その一つ "T 細胞" :侵入した異物が敵かどうかを判断する。 他の免疫細胞に命令を下す司令塔 免疫細胞たちは血管内で "T 細胞" を中心としてチームワーク

 偵察専門の "樹状細胞" :異物をキャッチして "T 細胞" の元へと運んで行く。  "T 細胞" はそれが攻撃の対象かどうかを判断

 攻撃を伝えるための物質 "サイトカイン" を吹き出す。

 "マクロファージ" が命令を受けて働き、病原体を次々に食べる

◆ 運動による免疫細胞の改善
 バーミンガム大学(英) 衰えた免疫細胞を運動で回復させる。 5分間の運動でも、筋肉から分泌された物質が免疫細胞を活発にさせる。 免疫細胞を若く保つことが老化を阻止する

◆ 自分の細胞を攻撃......老化の原因!
 免疫細胞こそが老いや病を引き起こす大きな要因だとする衝撃の事実!
 年齢とともに増える病気 脳出血 心筋梗塞 動脈硬化 慢性肝炎 骨粗しょう症 などは、そのほとんどは免疫細胞が深く関わっている。
 身体を守るはずの免疫細胞が逆に身体をこわしていく。

 大阪大学 バイオイメージング(生きたままの体内を観る)

 肝臓内での免疫細胞の姿 大量の "マクロファージ" が一箇所(病原体ではなく肝臓の細胞)に群がる。 免疫細胞の暴走→「慢性肝炎」 何らかの誤作動が起こり間違って本来敵ではないものに攻撃を始めてしまう。 これが免疫の暴走であり、組織を破壊して老化につながっていく

 病原体がいないのに血管の壁に張り付いて、群がり居座る "マクロファージ" が血小板を呼び集め、血管を堅くしたり詰まらせたり→「動脈硬化」

 免疫の誤作動は一回では終わらずずっと継続してしまう。

 「メタボリック症候群」(高血圧、糖尿病、心臓疾患......)も主犯は免疫細胞の暴走

 "サイトカイン" がたくさん出て、組織をいためている

 "サイトカイン":免疫細胞が放出する物質で、攻撃命令となったり、病原体の動きを鈍らせたりする。

 ところが一つ間違えると、免疫細胞の暴走によって "サイトカイン" がところ構わず撒き散らされると身体中が免疫細胞の攻撃対象と化す→全身が老いてゆく最大の原因!

 「糖尿病」:血管に "サイトカイン" が浸されると糖分吸収が損なわれる結果血液中に糖分があふれる!

 免疫細胞の暴走を食い止めれば老いそのものを食い止めることができるのではないか!

 カリフォルニア大学バークレー校での実験
 老・弱2匹のマウスを人工的につなげて、血管を共有させる "サイトカイン" 濃度を下げる→老マウスの老化による衰えが回復
 年齢による体の衰えのほとんどの症状に対処することができるのではないかという期待!

◆ 免疫細胞の司令塔 T細胞 判断能力を失う なぜ暴走してしまうのか?
 "T 細胞" そのものが判断能力を失ってしまう(指揮を誤る)!
 免疫細胞たちのリーダー "T 細胞" はなぜ暴走してしまうのか?

 そのヒントは、"T 細胞" が一人前の司令塔となるための道のりに隠されている

 "胸線" 子どもの身体の心臓の真上 "T 細胞" をつくる上で欠かせない臓器/"T 細胞" の訓練場! 骨髄でつくられたT細胞は、司令塔として働く前にここに一旦集められる

 異物を見分ける "T 細胞" のアンテナ "T 細胞" はアンテナを適当につくっている→ 未完成!

 "胸線" 内で、"T 細胞" のアンテナが厳しく選別され、アンテナの性能の悪いものは "T 細胞" ごと壊される。 生き残る"T 細胞" はわずか5%以下!→厳しい選別を乗り越えてはじめて、"T 細胞" は、司令塔として実戦に向かう

◆ ところが "胸線" には大きな異変が生じる!
 "胸線" :思春期を過ぎるとほとんどなくなってしまう!(宿命として維持できない)
 20代と70代の血液中の "T 細胞" は、数はあまり変わらない。 ところが、正常な判断力を持った "T 細胞" に絞ると、70代は "一割程度に激減!"
 つまり、"胸線" が無くなって、新しいT細胞の補充が不可能になると、古くなった "T 細胞" は次第に判断力を失っていく!

◆ 細胞たちがしっかりと働くのはせいぜい20代まで=大原則!(神経細胞、生殖細胞と同様) 免疫細胞も同じ原則!

 "T 細胞" は、残ったものでやりくりするしかない。
 思春期以降は、細胞からの十分なケアは期待できない! これこそ細胞が私たちに強いている宿命!

◆ この宿命は、今、大きな転換を迎えている!
 京都大学
 人工 T 細胞(←iPS細胞) 老化によって新しい "T 細胞" ができなくなったのを、iPS細胞化して再生する 無限に増やせる!
 iPS細胞を作り出すのは、"山中ファクター" と呼ばれる遺伝子 この遺伝子を細胞に入れることで、細胞の時間をいわば巻き戻す。
 こうしてつくられた "T 細胞" には大きなメリットがある。 異物を識別するアンテナはすでに "胸線" でチェック済みのため、すぐに実戦でつかうことができる。

○ 従来の対処療法から、根本に免疫の異常をたたくことで、たくさんの病気をいっぺんに治す
○ iPS細胞の技術は、細胞が持つ宿命を乗り越えようとしている


 "老いの正体とされるT 細胞自体の老い!" を、<人工 T 細胞(←iPS細胞)> によって "置き換える" という構想の "免疫システムの革命!" には目を見張るばかりだ。
 ただ、これが、 "落語:「死神」" の落ちに至らないことをくれぐれも切望したい
...... (2014.04.09)













【 SE Assessment 】 【 プロジェクトα 再挑戦者たち 】








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このページは、yasuo hiroseが2014年4月 9日 00:01に書いたブログ記事です。

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