やはりそうか......、と "悲痛な事実!" に改めて目を向けさせずにはおかない。
下記引用サイト記事 : がん患者:高い自殺危険性...求められる診断時から心のケア/毎日新聞/2014.04.22 - 13:59 は、"がん" という病が、医療の面だけに限定される問題ではないことを知らしめている。
<がんと診断された患者が診断後1年以内に自殺する危険性は、がん患者以外の約20倍に上るとの調査結果を、国立がん研究センターの研究班がまとめた。この調査結果は、国民の半数ががんになる現代の日本に重い課題を突きつけた。医療関係者や患者団体からは「衝撃的な数字」という驚きとともに、患者や家族へのサポート体制の充実を求める声が相次いだ/ 関東地方の50代の男性会社員は、初期の舌がんと診断されて間もなく、自ら命を絶った。診断後は仕事を続けるか悩み....../ 全国のがん診療連携拠点病院(397施設)でも昨年11月時点で精神科医がいる病院は251施設(63%)止まり/ 患者が抱える苦悩の大きさを改めて示す衝撃的な結果だ。がん診療に携わるすべての医療者が、がんと共に生きる社会生活や心理面の苦痛に対する支援の重要性を理解し、診断段階からの緩和ケアに取り組むことが求められる> とある。
"がん克服" に向けた医療技術の進展が目覚ましい今日ではあっても、"がん" は "余命" を強く意識させることになる。
ふと、思い起こすのは、"がん" を告知されたある知人が、「自分はもう死ぬのかな......」と、不安に打ちひしがれた表情で呟いた一言である。
"いつか訪れる死" は、誰もが避けられないにしても、その "不確定" が限りなくその事実を遠ざけてくれている。
だが、"がん告知" は、その "不確定" を無造作に取り払ってしまう。 たとえ、その後の療養生活で "告知" をはるかに超えて長生きをしているがん患者も少なくない事実があるにしてもだ。
だからこそ、<がんと診断された患者が診断後1年以内に自殺する危険性は、がん患者以外の約20倍に上る> という残酷な現実が横たわり、そうであるからこそ<がん診療に携わるすべての医療者が、がんと共に生きる社会生活や心理面の苦痛に対する支援の重要性を理解し、診断段階からの緩和ケアに取り組むことが求められる> ということになる。
と同時に、こうした "心理面の苦痛" の中には、<診断後は仕事を続けるか悩み......> というような "仕事(経済的問題)" への不安も、小さからぬ比重を占めている点も見過ごせないだろう。
これも、"がん" に見舞われた知人の話となるが、"病気療養の休職" がいつの間にか "退職" へと切り替わってしまった経緯を、"精一杯淡々として" 語っていたことを思い起こす......。一流企業に勤めていた彼には相応の蓄えもあったからまだしも、そうでなかったならば "生活苦/将来不安" が重くのしかかることにならざるを得ない。
が、一方では、"がん" を背負ってしまった知人の中には、その後の経過良好もあって、新しい仕事へと果敢に踏み込んで立派に再起を図っている人がいるのも、また事実である。
がん患者:高い自殺危険性...求められる診断時から心のケア/毎日新聞/2014.04.22 - 13:59
がんと診断された患者が診断後1年以内に自殺する危険性は、がん患者以外の約20倍に上るとの調査結果を、国立がん研究センターの研究班がまとめた。この調査結果は、国民の半数ががんになる現代の日本に重い課題を突きつけた。医療関係者や患者団体からは「衝撃的な数字」という驚きとともに、患者や家族へのサポート体制の充実を求める声が相次いだ。
関東地方の50代の男性会社員は、初期の舌がんと診断されて間もなく、自ら命を絶った。診断後は仕事を続けるか悩み、がんを切除する手術などで話せなくなることへの不安を漏らしていたという。男性の知人は「(自殺するような)そぶりは全く見せなかったので気付くことができなかった」と悔しがる。
内閣府と警察庁の自殺統計によると、2013年の国内自殺者2万7283人のうち、原因・動機に健康問題を含むケースが1万3680人と半数を占めた。また、NPO法人「自殺対策支援センター・ライフリンク」が13年にまとめた自殺実態白書では、がんを含む病気は、職場環境の変化や生活苦、うつ病の発症など、自殺の危険性を高める要因を引き起こしやすいことが指摘されている。
国が12年に策定した「がん対策推進基本計画」(12〜16年度)は、がんの診断時から、精神的苦痛のケアを含めた緩和ケアを患者と家族が受けられる体制整備を目標に掲げた。しかし、全国のがん診療連携拠点病院(397施設)でも昨年11月時点で精神科医がいる病院は251施設(63%)止まり。入院患者への緩和ケアチームがある病院も156施設と4割に満たない。さらに、いまだに「緩和ケア=終末期」との誤解は根強く、早期からのケアには医療者も患者本人も積極的ではないのが実態だ。
国立がん研究センター中央病院の里見絵理子・緩和医療科長は「患者が抱える苦悩の大きさを改めて示す衝撃的な結果だ。がん診療に携わるすべての医療者が、がんと共に生きる社会生活や心理面の苦痛に対する支援の重要性を理解し、診断段階からの緩和ケアに取り組むことが求められる」と話す。
患者自身や周囲の人々の姿勢も、悲劇を減らすカギを握る。血液がんの患者会「グループ・ネクサス・ジャパン」の天野慎介理事長も「一人で抱え込まないでほしい。がん診療連携拠点病院の相談支援センターの存在などを、もっと知らせる必要がある」と訴える。【下桐実雅子、清水健二、永山悦子】
ここで、"病気は気から......" と能天気な楽観性を振りまわすつもりはないが、"がん免疫療法" というアプローチに沿って言うならば、"がん患者" にとって "前向きで良好な心のあり様" がどんなにか必須な条件であるか、という点なのである。
少なくとも、"がん患者" を "悲観的な選択" に傾斜させるような環境があるとするならば、関係者が用心深く是正していかなければならない...... (2014.04.24)
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