"腹八分目" の食事が "健康によい" ことはよく知られた事実であり、ひいては "長生き/長寿" の秘訣とさえ言われてきた。
現に、この事実には、"科学的な裏付け" も付け加えられている。
◆ 参照
○ <40代〜60代の被験者4人での実証実験では30パーセント減らした食事を3〜7週間続けただけで、長寿を担っているサーチュイン遺伝子が目覚めて働き始めた/ サーチュイン遺伝子は殆ど休眠中で、その結果、老化が進行/ 飢餓状態になると目覚め、細胞中のミトコンドリアを活性化/ 活性酸素の害を防ぎ、免疫力低下、動脈硬化、高血糖、惚け、骨粗鬆症、脱毛白髪等の老化症状を防ぎ改善して、美肌と持久力と抗がん作用を高める/ 更に注目すべきは遺伝子損傷の修復能力で、今、福島で問題になっている放射線被曝への抵抗力も期待できる/ 減食ではなく薬物でサーチュイン遺伝子を活性化させる方法/ 薬品名はレスベラトロールで、1939年に北大の高岡道夫氏が有毒なバイケイソウから発見/ 動物実験では、長寿、抗炎症、抗癌、血糖降下、放射線障害抑止などの効果が確認/ レスベラトロールを毎日服用すれば、食事制限なしでサーチュイン遺伝子を活性化できる。レスベラトロールと同じ働きをする薬品が次々と開発されている......( NHKスペシャル/2013.06.12『あなたの寿命は延ばせる ~発見!長寿遺伝子~』より)>( "長寿遺伝子サーチュイン"と"中年太り"との関係が解明!"肥満/メタボ"では長寿不可!?/当誌 2013.12.28 )
上記記事は "遺伝子(長寿遺伝子サーチュイン")" に関するものであるが、今回注目する記事は、"神経ペプチドの一つ"(アミノ酸がつながってできた分子)を焦点とした "寿命延長の研究" に関するものである。
下記引用サイト記事 : 食事制限による寿命延長、抗老化作用の一部因子解明/早稲田大学広報室広報課/2014.04.01 が、それであり、<食事制限による寿命延長、抗老化作用> が "有効になるための前提条件" ではないかと目されている。
<早稲田大学人間科学学術院の千葉卓哉准教授(早稲田大学人間科学学術院・早稲田大学応用脳科学研究所)、長崎大学医学部の下川功教授らのグループは、食事制限による寿命延長、抗老化作用に関して、神経細胞で発現している神経ペプチドの一つである、ニューロペプチドY(NPY)が重要な役割を持つことを明らかにしました。約80年ほど前から、ネズミに与える餌を自由に食べる量の30%程度減らす食事制限を行うと、寿命が延長することが知られていました/ 今回の研究では、NPYを持たない遺伝子改変マウスに対して食事制限を行っても、活性酸素によって誘導される酸化ストレスに対する抵抗性が高まらず、結果として寿命延長が見られないことが明らかとなりました/ NPYは摂食行動を促すホルモンの一種/ 食事制限の寿命延長、抗老化作用には、NPYが必須の因子であることが示唆されました> とある。
<これらの研究成果から、NPYの量を増やす薬などを開発することは、老化に伴って発症率が増加する様々な疾患の治療薬になると期待> されている、というから今後の動向が注目される......。
食事制限による寿命延長、抗老化作用の一部因子解明 /早稲田大学広報室広報課/2014.04.01
早稲田大学広報室広報課食事制限による寿命延長、抗老化作用の一部因子解明
老化に伴う疾患の治療薬開発など健康寿命の延伸へ応用期待早稲田大学人間科学学術院の千葉卓哉准教授(早稲田大学人間科学学術院・早稲田大学応用脳科学研究所)、長崎大学医学部の下川功教授らのグループは、食事制限による寿命延長、抗老化作用に関して、神経細胞で発現している神経ペプチドの一つである、ニューロペプチドY(NPY)が重要な役割を持つことを明らかにしました。約80年ほど前から、ネズミに与える餌を自由に食べる量の30%程度減らす食事制限を行うと、寿命が延長することが知られていました。
これまでヒトに近い霊長類であるサルを含めて、実験動物をもちいた研究では、食事制限によってガンや生活習慣病、アルツハイマー病に似た神経疾患などの発症を抑制する、普遍的な抗老化作用が再現されてきましたが、長らくその分子メカニズムの詳細は不明のままでした。
一方、20年程前から長寿に関わる遺伝子が、線虫やショウジョウバエなどの下等生物や、マウスなどの哺乳類で報告されるようになってきました。食事制限による寿命延長、抗老化作用に関わる遺伝子についても、下等生物ではいくつか報告されてきましたが、哺乳類ではまだ不明な点が多く残されていました。
今回の研究では、NPYを持たない遺伝子改変マウスに対して食事制限を行っても、活性酸素によって誘導される酸化ストレスに対する抵抗性が高まらず、結果として寿命延長が見られないことが明らかとなりました。
寿命を調べたマウスの死因を解析したところ、NPYを持たないマウスでは、食事制限を行っても腫瘍の発生頻度が高く、このことがこのマウスの寿命と関連していることが示唆されました。NPYは摂食行動を促すホルモンの一種ですが、NPYを持たないマウスでは摂食行動やエネルギー代謝に明らかな異常は見られませんでした。しかしながら、食事制限の寿命延長、抗老化作用には、NPYが必須の因子であることが示唆されました。これらの研究成果から、NPYの量を増やす薬などを開発することは、老化に伴って発症率が増加する様々な疾患の治療薬になると期待されます。
<寿命延長> という表現にはやや掴みどころの無さを感じるが、<抗老化作用> という点であるならば、<老化に伴って発症率が増加する様々な疾患の治療薬になる> という風に具体的なイメージを抱きやすい。
"免疫細胞の老化" 阻止! といった喫緊の課題に貢献してもらいたいものだと思う...... (2014.04.07)
コメントする