今や "国民病" とさえ危惧されている "アルツハイマー型認知症" に関しては、さまざまな視点からの関連記事をフォローし続けている。
"原因" に関わるもの、"治療法/治療薬" に関するもの、"症状の進行抑制" に類するもの、そして "予防効果あり" と目されるもの......。
◆ 参照
① ※ "食生活で予防" に関連 ( "揚げ物"を摂りすぎるとアルツハイマー型認知症リスクが増大!? 食生活での予防先決!/当誌 2014.03.25 )
② ※ "有酸素運動で予防" に関連 ( ランニングなどの有酸素運動が、脳の老化阻止/海馬の"神経幹細胞"新生/記憶能力増大!?/当誌 2014.03.23 )
③ ※ "Aβ分解促進" に関連 ( (再)"自衛機能"として!アルツハイマー病から脳を守る細胞内の「掃除屋」タンパク質!/当誌 2014.03.16 )
④ ※ "症状の進行抑制" に関連 ( (再) 脳梗塞予防の既存薬「シロスタゾール」!アルツハイマー型認知症の進行を抑制!/当誌 2014.03.12 )
いずれの "視点" も欠かせないはずだが、"予防効果あり" と目されるものについては、より注目されてよいかと思っている。 (併せて、"認知症患者" の "介護" については、喫緊の課題だと思いつつも手薄となっている......)
今回注目する記事は、"予防効果あり" と目されるものであり、相応に説得性があると得心できる "有酸素運動で予防" というアプローチの記事である。
その "説得性根拠" の一つには、"アルツハイマー型認知症" の "原因物質" と考えられている "アミロイドβ" を "分解" する "ネプリライシン(Neprilysin)" という、体内に備わった "酵素" の働き云々というメカニズムが控えていると窺える。
しかも、この "ネプリライシン" は、日常的な "有酵素運動" によって "働き強化" が有効だとされている点、そこが、庶民にとっての "自己防衛策" として注目に値するわけだ。
先ず、この "ネプリライシン" 自体の "効能" については、下記引用サイト記事 2 : アルツハイマー病の血管からの投与による遺伝子治療実験に成功――簡便な方法でアルツハイマー病予防となる潜在力をもつ――/独立行政法人理化学研究所 国立大学法人長崎大学/2013.03.18 で確認することができる。
<脳内のAβを分解するのがネプリライシンと呼ばれるタンパク質分解酵素で、加齢や症状の進行とともにネプリライシン量が低下することが知られています。アルツハイマー病の症状を緩和するため、ネプリライシン遺伝子をウイルスベクターで直接脳内に注入し、ネプリライシンの活性を増強してAβ量を減少させるという治療法があります。......>
同記事の "眼目" は、"ネプリライシン" をどのように "脳内患部" に届けるかの方法なのではあるが、"ネプリライシン" 自体の "効能" については、
<(マウス)脳内のアミロイドやAβ重合体の量が減少/ また、空間学習や記憶能力をみる迷路試験を行ったところ、野生型マウスのレベルまで認知機能が回復することを確認> とある。
そこで次に、この "ネプリライシン" が、"有酵素運動" によってどのように "生成/活性化" されるかに関心が向くことになるわけだ。
下記引用サイト記事 1 : ネプリライシン 食品と運動で増やし アルツハイマー予防に/トレンドニュース9.jp/2013.10.01 は、決して実証的研究成果に関するものではないのだが、説得力がある。(このテーマでの実証的研究は散見されるところだ。 ex.「マウスの実験で、運動をすると、アルツハイマー病の危険度がおよそ3分の1になった」との記事など......。)
<ネプリライシンの減少と有酵素運動/ しかし残念ながらこのネプリライシン、60才を過ぎると体内での生産量が低下してしまいます/ しかし有酵素運動で増やすことが出来るそうです/ 有酵素運動とは、エアロビ、ウォーキング、ジョギング、水泳、サイクリングなどの、一定時間以上継続し脂肪を燃焼させる運動のこと/ ダイエット目的でこれらの運動を行っている人も多いですが、それと知らずにアルツハイマーの予防になっていたなんて一石二鳥> とある。
【 引用記事 1 】
ネプリライシン 食品と運動で増やし アルツハイマー予防に/トレンドニュース9.jp/2013.10.01
日本のアルツハイマー病患者は、推定100万人と言われています。
その原因といわれるアミロイドβを分解するのが、ネプリライシンと言われる蛋白質分解酵素です。食品と運動で増やすことが出来るそうですよ。ネプリライシン(Neprilysin)とは?
<疎水性アミノ酸残基のアミノ末端側でタンパク質のペプチド結合を切断する細胞膜結合型のタンパク質分解酵素で、エンケファリナ−ゼ、中性エンドペプチダーゼ24.11とも呼ばれている
> ( 理化学研究所 )アルツハイマー病は、アミロイドβ(アミロイドベータ蛋白)という不要な蛋白質が脳内に過剰にたまり、神経細胞を破壊する認知症です。
その不要な蛋白質を分解する酵素がネプリライシンです。
このネプリライシンを増やすことが出来れば、アルツハイマー病の予防に繋がりますね。
素人考えではこのネプリライシンを血管に注射すれば、量が増えるだろうと思いがちですが、それでは肝心の脳にまでいきません。そこで前出の理化学研究所チームは、「ネプリライシン」を作る遺伝子を組み込んだウィルスを開発しました。これで脳のバリアを突破できるそうです。
現段階ではマウス実験のみですが、ネプリライシンを脳細胞に注射されたマウスは、アルツハイマー病が治ったそうです。
研究チームは、「一定の年齢を迎えたら接種を受けることによって、発症防止につなげられる」とコメントされています。
アルツハイマーが注射一本で治るとしたら素晴らしいですね!!ネプリライシンの減少と有酵素運動
しかし残念ながらこのネプリライシン、60才を過ぎると体内での生産量が低下してしまいます。
しかし有酵素運動で増やすことが出来るそうです。
有酵素運動とは、エアロビ、ウォーキング、ジョギング、水泳、サイクリングなどの、一定時間以上継続し脂肪を燃焼させる運動のことです。
ダイエット目的でこれらの運動を行っている人も多いですが、それと知らずにアルツハイマーの予防になっていたなんて一石二鳥で得した気分ですね。あとは食事にも気を付けていきましょう。
肉や乳製品は「アミロイドβ」の凝集を促進させるそうなのでなるべく控え、抗酸化物質の多い野菜や果物をとることで、アルツハイマーの原因である「アミロイドβ」を抑制することができます。抗酸化作用のある野菜や果物などの食品・食べ物 ( 略 )
ところでネプリライシンの注射は開発にはあと5年はかかるそうです。......
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
【 引用記事 2 】
アルツハイマー病の血管からの投与による遺伝子治療実験に成功――簡便な方法でアルツハイマー病予防となる潜在力をもつ――/独立行政法人理化学研究所 国立大学法人長崎大学/2013.03.18
老年期認知症の大半を占めるアルツハイマー病の発症の引き金となるのは、脳内におけるアミロイドベータペプチド(Aβ)の凝集・蓄積です。
脳内のAβを分解するのがネプリライシンと呼ばれるタンパク質分解酵素で、加齢や症状の進行とともにネプリライシン量が低下することが知られています。アルツハイマー病の症状を緩和するため、ネプリライシン遺伝子をウイルスベクターで直接脳内に注入し、ネプリライシンの活性を増強してAβ量を減少させるという治療法があります。しかし、この方法は外科的な手術が必要であり、かつ脳全体にこの遺伝子をいき渡らせることが技術的に困難でした。
そこで理研と長崎大学の研究者らは、ネプリライシン遺伝子を欠損させてAβを蓄積させたアルツハイマー病モデルマウスを使い、手術をせずに脳全体の神経細胞だけに遺伝子を発現させる治療法の開発に取り組みました。使用するウイルスベクターは血管から遺伝子を投与するタイプで手術が不要なものとしました。これにネプリライシン遺伝子を組み込み、モデルマウスに対して治療を行ったところ、脳内のアミロイドやAβ重合体の量が減少しました。また、空間学習や記憶能力をみる迷路試験を行ったところ、野生型マウスのレベルまで認知機能が回復することを確認しました。
今回開発したウイルスベクターは、中枢神経系疾患の遺伝子治療の概念を変える技術であり、全てのアルツハイマー病の予防と治療法となる可能性を持っています。ウイルスベクターを迅速・大量に生産する技術の開発や安全性の問題をクリアできれば、早期の臨床応用も期待できます。
アルツハイマー型認知症の、その原因といわれるアミロイドβを分解するのが、ネプリライシンだとして、このネプリライシンが、有酵素運動によってどのように、どの程度まで "生成/活性化" されるのかについての詳細は、実のところ今後を待つ必要があるのかもしれない......。
ただ、遊歩道を行き交う多数の中高年夫婦の姿に遭遇する時、「きっと、この人たちは "認知症リスク" を克服するに違いない!」と痛感してしまう...... (2014.04.01)
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