"認知症/うつ" の予防や、"脳の萎縮" の抑制に、"鶏肉"(に多く含まれる成分 "イミダゾールジペプチド" )が功を奏する、という記事が目についた。
昨日は、"アルツハイマー型認知症" 予防策の一つとして、"有酸素運動" が好ましいことに注目したが、今回は、"予防策として好ましい食品" への注目ということになる。
<鶏の胸肉に多い成分を中高年のボランティアに3カ月間、朝晩の食事の際に取ってもらったところ、脳の記憶機能に関連する部位が年齢とともに萎縮する傾向が抑えられたとの研究成果を、東京大と国立精神・神経医療研究センターのチームがまとめた/ この成分はアミノ酸で構成される「イミダゾールジペプチド」> (下記引用サイト記事 1 : 鶏の胸肉成分、記憶に効果?=中高年3カ月摂取で--東大など/THE WALL STREET JOURNAL/2014.03.29 - 05:30)
<東京大学などの研究グループが、鶏肉に多く含まれる成分のイミダゾールジペプチドに、認知機能と神経心理機能を改善する効果があることを突き止めた。試験で同成分を摂取した中高年者では脳の萎縮が抑えられ、神経の働きが穏やかになる傾向がみられた。認知症やうつの予防につながると期待できる> (下記引用サイト記事 2 : 鶏肉で認知症・うつ予防 脳の萎縮を抑制 東大グループなどきょう研究発表 /日本農業新聞 e農net/2014.03.30)
そこで、<イミダゾールジペプチド> という成分(アミノ酸結合体)に眼を向け直すと次のようになる。
<渡り鳥を祖先に持つガチョウの骨格筋中に豊富に含まれていることが分かりました中でも『イミダゾールジペプチド』の濃度が高かったのは、羽を動かす胸肉の部分渡り鳥が2週間以上も休むことなく飛び続けられる理由(パワーの源)がここにある>(下記引用サイト記事 3 : 『イミダゾールペプチド』の正体/日本予防医薬) とある。
そして、どうも "同成分" の "中心的な働き" は "抗酸化作用" ではないかと推測される。
<『イミダゾールペプチド』の抗酸化作用:『イミダゾールジペプチド』とはヒスチジン(または1-メチルヒスチジン)とβ-アラニンのジペプチドである「カルノシン」と「アンセリン」のこと/ 『イミダゾールジペプチド』の抗酸化作用は1988年にAmes博士(変異原性試験の開発者)らのグループによって報告/ 「カルノシン」も「アンセリン」もヒトが摂取すると、血液中で速やかに単独のアミノ酸に分解され、骨格筋中に移行し「カルノシン」に再合成される/ そのとき、抗酸化作用が発揮されます/ この抗酸化作用について、ヒトの疲労試験で酸化ストレスマーカーを用いて、その変化がはっきりと確認できたのはなんと『イミダゾールジペプチド』だけだった> (下記引用サイト記事 3 : 『イミダゾールペプチド』の正体/日本予防医薬) とある。
"抗酸化作用" とは、体内の活性酸素を取り除く作用であり、この作用により、生活習慣病の予防や老化が抑制される、という。
ちなみに、この抗酸化物質が、記憶に関わる "脳の神経細胞" にとっても "有効" であろうことは、以下の点からも納得させられる。
<肉や乳製品は「アミロイドβ」の凝集を促進させるそうなのでなるべく控え、抗酸化物質の多い野菜や果物をとることで、アルツハイマーの原因である「アミロイドβ」を抑制することができます。>( "アルツハイマー型認知症"予防策の一つ!"有酸素運動"で"酵素:ネプリライシン"強化!/当誌 2014.04.01 )
<どうすればニューロンを長生きさせられるだろうか? (1) 運動をすること。これは、新しいニューロンの形成を促進/ (2) 細胞を損傷させるフリーラジカルを防ぐために、抗酸化物質やオメガ3脂肪酸の豊富な食事をすること/ (3) さらに重要なのは、歳をとっても頭脳を鍛えること。学習は脳の柔軟さを保ち、シナプスの形成を促進する>( 脳は決して老化しない可能性がある!但し神経細胞を損傷する可能性のある諸要因は別!/当誌 2014.10.11 )
既に、"商魂逞しい" サプリメントベンダー各社からは、この成分を配合した製品(疲労回復向け)各種がリリースされているようである......。
【 引用記事 1 】
鶏の胸肉成分、記憶に効果?=中高年3カ月摂取で--東大など/THE WALL STREET JOURNAL/2014.03.29 - 05:30
鶏の胸肉に多い成分を中高年のボランティアに3カ月間、朝晩の食事の際に取ってもらったところ、脳の記憶機能に関連する部位が年齢とともに萎縮する傾向が抑えられたとの研究成果を、東京大と国立精神・神経医療研究センターのチームがまとめた。川崎市で開催中の日本農芸化学会で30日に報告する。
この成分はアミノ酸で構成される「イミダゾールジペプチド」。肉類では鶏の胸肉に100グラム当たり1.2グラム程度と多く含まれ、豚肉やマグロ・カツオの赤身にも比較的多いという。
東大大学院新領域創成科学研究科の久恒辰博准教授は「実験では1回の食事で有効成分0.5グラムの顆粒(かりゅう)を摂取した。胸肉を日常のメニューに取り入れた場合の効果を調べるのは今後の課題」と説明。脳に影響する仕組みを調べるため、マウスの実験に取り組んでいるという。
[時事通信社]
【 引用記事 2 】
鶏肉で認知症・うつ予防 脳の萎縮を抑制 東大グループなどきょう研究発表 /日本農業新聞 e農net/2014.03.30
東京大学などの研究グループが、鶏肉に多く含まれる成分のイミダゾールジペプチドに、認知機能と神経心理機能を改善する効果があることを突き止めた。試験で同成分を摂取した中高年者では脳の萎縮が抑えられ、神経の働きが穏やかになる傾向がみられた。認知症やうつの予防につながると期待できる。研究は30日の日本農芸化学会で発表する。
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
【 引用記事 3 】
『イミダゾールペプチド』の正体/日本予防医薬
『イミダゾールペプチド』の発見と歴史
聞き慣れないこの成分。実はその発見は意外と古く、1900年までさかのぼります。
最初はほ乳類の骨格筋中で発見されましたが、その後様々な種類の脊椎動物でも発見され、渡り鳥を祖先に持つガチョウの骨格筋中に豊富に含まれていることが分かりました。
中でも『イミダゾールジペプチド』の濃度が高かったのは、羽を動かす胸肉の部分。
私たちは渡り鳥が2週間以上も休むことなく飛び続けられる理由(パワーの源)がここにあると考えました。
その後、2006年に「疲労」の程度を数値化することに成功したのをきっかけに、『イミダゾールジペプチド』と『抗疲労』の研究は飛躍的に発展します。
『イミダゾールペプチド』の抗酸化作用『イミダゾールジペプチド』とはヒスチジン(または1-メチルヒスチジン)とβ-アラニンのジペプチドである「カルノシン」と「アンセリン」のことです。
『イミダゾールジペプチド』の抗酸化作用は1988年にAmes博士(変異原性試験の開発者)らのグループによって報告されました。
「カルノシン」も「アンセリン」もヒトが摂取すると、血液中で速やかに単独のアミノ酸に分解され、骨格筋中に移行し「カルノシン」に再合成されると考えられています。
そのとき、抗酸化作用が発揮されます。
この抗酸化作用について、ヒトの疲労試験で酸化ストレスマーカーを用いて、その変化がはっきりと確認できたのはなんと『イミダゾールジペプチド』だけだったのです。( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
聞くところによれば、日本での "認知症" 罹患者の比率は、"アルツハイマー型" の比率が高い米国の実情に急接近していると言われる。
その原因の一つに、食生活が "米国化" した戦後世代が高齢化しているという歴史的事実が横たわっているのかもしれない。
"渡り鳥の羽を動かす胸肉" の "成分" に着目するのも "選択肢" ではあろうけれど、現行の "食生活全体" の見直しが喫緊の課題ではなかろうか...... (2014.04.02)
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