"がん" が警戒されるのは、その "再発と転移" の可能性であるに違いない。
したがって、先端研究では、その "仕組み" と "抑止法" とが焦点とされている。
◆ "がん転移" 関連記事 参照
(1) "がん転移抑制"する分解酵素「TLL1」を発見!(熊本大の尾池教授ら)新たな治療法期待!/当誌 2014.01.25
(2) "がん"の再発/転移の仕掛け人(?):"がん幹細胞"!「身近な薬」が特効薬との新情報も!/当誌 2013.09.21
今回注目する記事は、"がん転移の仕組み" を究明したものである。
下記引用サイト記事 : がん転移の仕組み解明 京大、予防法開発に期待/【共同通信】/2014.04.22 - 04:00 が以下のように報じている。
<がんの転移は、さまざまな臓器の表面を覆う「上皮組織」で、隣り合う細胞同士の相互作用がうまく働かなくなると起こる/ 相互作用に関わっているとみられるのは、腎管から出るタンパク質「フィブロネクチン」で、細胞を下支え/ 正常な上皮組織では、細胞は整然と並んでいるが、転移の初期段階では、刺激が加わると、上皮はもろくいびつな形になってバラバラになる/ 高橋淑子京大教授は「このタンパク質を使い、副作用の少ないがんの転移予防法や治療法開発に役立つことが期待される」と話す> とある。
ちなみに、<タンパク質「フィブロネクチン」> に関しては、以下のとおり、かねてより<がん転移阻止> という視点から着目されていたようである。
<フィブロネクチンは、1973年、培養細胞の細胞のがん化に伴い細胞表面から消失する糖タンパク質として発見された。 ...... 大きな関心は培養細胞の形態ではない。ヒトのがんの予防・診断・治療に、臨床的に応用できないだろうかという期待である。 ...... 1つの注目するアイデアが広範囲に追及されたのはRGDペプチドによるがん転移阻止である。1986年、GRGDSペプチドが、マウスの悪性黒色腫細胞の実験的がん転移を抑制すると報告された。学界・医薬品業界は、がん転移を抑制する画期的な医薬品の開発につながるとして、衝撃を受け、膨大な研究がなされた。ある研究室は、追試に成功し、さらに発展した研究成果を報告した。一方、別の研究室は追試できず、研究結果に懐疑的になった。そして2014年現在、最初の報告から30年弱経過した。明確な理由は不明だが(薬効なし? コスト? 副作用?)、がん転移の予防として臨床的に使用されていない。医薬品としても市販されていない。>( フィブロネクチン/ウィキペディア )
今回の研究成果が、<副作用の少ないがんの転移予防法や治療法開発> へとどうつながってゆくかは定かではないが大いに期待したいところである。
【 引用記事 】
がん転移の仕組み解明 京大、予防法開発に期待/【共同通信】/2014.04.22 - 04:00
がんの転移は、さまざまな臓器の表面を覆う「上皮組織」で、隣り合う細胞同士の相互作用がうまく働かなくなると起こるとの研究結果を京都大などのチームがまとめ、21日付の米科学アカデミー紀要電子版に発表した。
相互作用に関わっているとみられるのは、腎管から出るタンパク質「フィブロネクチン」で、細胞を下支えしている。
高橋淑子京大教授は「このタンパク質を使い、副作用の少ないがんの転移予防法や治療法開発に役立つことが期待される」と話す。
正常な上皮組織では、細胞は整然と並んでいるが、転移の初期段階では、刺激が加わると、上皮はもろくいびつな形になってバラバラになる。
"がんの再発と転移" に対する現行の対応策は、"抗がん剤" かと思われるが、懸念されるのはやはり "副作用" だということになる。
その点から、<副作用の少ないがんの転移予防法や治療法開発> が待ち望まれるわけなのである...... (2014.04.23)
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