"アルツハイマー病の根源"はβアミロイドよりも"タウ"か?!可視化技術で進行度も把握!

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 "アルツハイマー型認知症" は、"根治技術が未確立?!" であることに伴って、"早期診断と早期の対策" が欠かせないと叫ばれているのが現状だ。

 しかも、その "早期診断/早期対策" でさえ、その原因物質は "βアミロイド" だけなのだろうか( "タウ" ?! )という研究視点も浮上し、解明されなければならない点が少なくない
......。

 ◆ 参照
 アルツハイマー型認知症の原因の一つとされる「タウたんぱく質」が患者の脳に集積する様子を画像化することに成功したと、放射線医学総合研究所の研究チームが19日、米科学誌ニューロン電子版に発表する。タウの集積は従来、死後に脳を解剖しなければ分からなかったが、画像化で発症前の早期発見につながる可能性がある/ 画像化は早期診断や症状進行の客観的な指標になる>( アルツハイマー型認知症の原因物質:タウ蛋白質集積"画像化"に成功!早期診断に奏功!/当誌 2013.09.20

 代表的な認知症のアルツハイマー病は、インスリンがうまく働かない糖尿病の一種なのではないか――。そんな見方を示す報告が続いている。......糖尿病がアルツハイマー病を引き起こしやすいこともわかってきた。別の久山町研究によれば、インスリンがあっても糖をうまく処理できない傾向が強い人ほど、アルツハイマー病を発症しやすかった。......大阪大の里直行准教授(老年医学)は、高血糖が続くと脳にAβがたまりやすくなるほか、タウという別のたんぱく質にも異変が起きて神経細胞が壊れやすくなる、とみる。>( "アルツハイマー病"と"糖尿病"との関係に熱い視線が!"インスリン"の働き周辺に注目!/当誌 2013.07.30

 こうした状況にあって、 下記引用サイト記事認知症の原因はここまで"見える"ようになった 「放医研 一般公開」の講演から/日経テクノロジー online/2014.04.22 - 08:01 では、二つの重要な事実を浮かび上がらせている。

 一つは、アルツハイマー病の原因物質は、βアミロイドと呼ばれるたんぱく質である以上に、「タウ」と呼ばれるたんぱく質である、という点。

 もう一つは、この「タウ」と呼ばれるたんぱく質は、イメージング(可視化)技術の最前線である "PET(陽電子放射断層撮影装置)" によって "鮮明な画像" で捉えることが可能であることから、<「認知症の進行度の客観的な指標になる」> というのである。
 "より早い時期での診断と対応" が求められる現状にあって、客観的な "進行度" の把握が可能であること の意義は大きい。以下のとおりだ


 <■ 認知症の原因物質のイメージング(可視化)技術の最前線/ 認知症では症状を早期に診断し、対策を打つことが極めて重要/ 今のところ症状の進行を完全に止める治療技術は確立しておらず、進行を遅らせることしかできない/ そこで、その兆候を捉える超早期診断技術の開発が重要になる/ 認知症の可視化技術......近年では、脳の機能をイメージングできるPETによる超早期診断が注目を集めている

 <■ "悪の根源"はβアミロイドではなく「タウ」か/ 認知症とは一言で言えば「脳内にゴミがたまる現象」 その"ゴミ"として比較的良く知られているのが、βアミロイドと呼ばれるたんぱく質/ ところが数年前、「研究者を落胆させる事実が判明した」 βアミロイドは除去できたにもかかわらず、症状の改善が見られない場合があることが分かった βアミロイド以外に認知症に関与する物質があるのではないか、との認識が広まった/ その物質として昨今注目を集めているのが、「タウ」と呼ばれるたんぱく質/ 一部の認知症(神経変性疾患)では、βアミロイドは蓄積せず、タウの蓄積だけがみられる場合がある/ βアミロイドが蓄積しなくても、タウが蓄積するだけで認知症を発症することが分かってきた/ タウを標的とする治療が、認知症の根本的治療法になる可能性が出てきた

 <■ 症状の進行も可視化できる/ タウPET可視化する/ タウβアミロイドに比べて海馬に蓄積しやすい/ 認知症が進行するほどタウの蓄積箇所が広がるという現象も確認/ タウ可視化は、βアミロイド可視化では実現できなかった「認知症の進行度の客観的な指標になる> とある。

 認知症の原因はここまで"見える"ようになった 「放医研 一般公開」の講演から/日経テクノロジー online/2014.04.22 - 08:01
大下 淳一=日経デジタルヘルス

 放射線医学総合研究所(放医研) 分子イメージング研究センター 分子神経イメージング研究プログラム 研究員の島田斉氏は、2014年4月20日に開催された「放医研 一般公開」において、認知症の原因物質のイメージング(可視化)技術の最前線について講演した。講演タイトルは「その物忘れ、本当に年相応ですか?-PETで見えた!認知症の原因と近未来の認知症治療戦略-」である。

 日本の認知症患者数は直近で462万人に達し、深刻な社会問題となっている。認知症に対する根本治療技術は確立されておらず、病態に基づく診断技術も確立していない。こうした状況に対し、PETをはじめとする「イメージング技術が診断や治療効果の判定に役立てる可能性がある」と島田氏は指摘する。

 認知症では症状を早期に診断し、対策を打つことが極めて重要だという。今のところ症状の進行を完全に止める治療技術は確立しておらず、進行を遅らせることしかできない。そのため、治療開始時期によって、維持できる認知機能に大きな差が出てしまうのだ。例えば、日常生活に困っていない高齢者でも、認知症を3年も放置すると独居が難しくなるほど症状が進行してしまうケースが少なくないという。実は、認知症を引き起こす脳内の神経炎症は、症状が出る何年も前から起きている。そこで、その兆候を捉える超早期診断技術の開発が重要になるというわけだ。

 認知症の可視化技術の一つは、X線CT装置やMRIである。例えばアルツハイマー病では、脳内の海馬が萎縮することが知られており、その様子はX線CT装置やMRIでとらえることができる。ところが「CTやMRIの画像が正常であることは、認知症を否定する根拠にはならない」(島田氏)という。実際、軽度の認知症患者の約3人に1人は、MRI検査では異常が見つからないという。そこで近年では、脳の機能をイメージングできるPETによる超早期診断が注目を集めている

■ "悪の根源"はβアミロイドではなく「タウ」か

 認知症とは一言で言えば「脳内にゴミがたまる現象」(島田氏)だ。その"ゴミ"として比較的良く知られているのが、βアミロイドと呼ばれるたんぱく質である。認知症の代表格であるアルツハイマー病では、βアミロイドの蓄積(老人斑)が脳の神経細胞に悪影響を及ぼすことが知られている(関連記事)。βアミロイドを取り除くワクチンも既に登場している。

 ところが数年前、「研究者を落胆させる事実が判明した」(島田氏)。認知症患者にβアミロイドワクチンを投与した結果、βアミロイドは除去できたにもかかわらず、症状の改善が見られない場合があることが分かったのである。そこで、βアミロイド以外に認知症に関与する物質があるのではないか、との認識が広まった

 その物質として昨今注目を集めているのが、「タウ」と呼ばれるたんぱく質である。アルツハイマー病では、βアミロイドタウの両方の蓄積がみられる。これに対し、一部の認知症(神経変性疾患)では、βアミロイドは蓄積せず、タウの蓄積だけがみられる場合があるという。すなわち、βアミロイドが蓄積しなくても、タウが蓄積するだけで認知症を発症することが分かってきた。実際、脳内にタウを蓄積させたマウスでは海馬の萎縮が確認された。「神経細胞に対して、タウがβアミロイド以上に悪さをすることが分かってきた。タウを標的とする治療が、認知症の根本的治療法になる可能性が出てきた」(島田氏)のだという。

■ 症状の進行も可視化できる

 タウPET可視化する際に使うのが、PBB3と呼ぶ薬剤である。タウβアミロイドに比べて海馬に蓄積しやすいことが知られている。実際、PBB3を用いた実験では、海馬にPBB3の集積が見られることが確認された。

 さらにこの実験では、認知症が進行するほどタウの蓄積箇所が広がるという現象も確認されたという。一方、βアミロイドは認知症の症状が軽い場合でも既に広範囲にわたって蓄積されていることが知られている。つまり、タウ可視化は、βアミロイド可視化では実現できなかった「認知症の進行度の客観的な指標になる」(島田氏)ことが分かったのだ。

 この他、タウの蓄積箇所と、その場所に応じて発症する神経症状に明確な対応があることも分かってきた。この結果を利用すれば、分子イメージングを使って認知症の要因を明確に区分し、「患者ごとにオーダーメードの治療を行える可能性がある」(島田氏)。こうした知見を生かしつつ、今後は予防的介入や局所療法の手法を確立することが重要になると島田氏は述べた。


 冒頭の◆ 参照 記事にあるとおり、<タウの集積は従来、死後に脳を解剖しなければ分からなかったが、画像化で発症前の早期発見につながる可能性がある/ 画像化は早期診断や症状進行の客観的な指標になる> という点こそが、上記記事が持つ明るい展望であるに違いない...... (2014.04.25)













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このページは、yasuo hiroseが2014年4月25日 00:01に書いたブログ記事です。

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