これだけ "認知症、認知症" と取り沙汰されていると、年配の人ならば、ちょっとした "ど忘れ、物忘れ" の類があっただけで、 "ひょっとして認知症のはじまりか?" と不安になったりするのかもしれない......。
まあ、今朝の朝食メニューを思い出せない程度であれば問題は無く、朝食を済ませたこと自体を忘れるのでなければ、と言われている。
ただ、ちょっとした "ど忘れ、物忘れ" が生まれるのは、いわゆる "ワーキングメモリ" と呼ばれる "脳の働きの衰え" だと見なされている。
はじめに、"ワーキングメモリ" そのものについて注目しておくと、下記引用サイト記事 2 : ワーキングメモリ(作業記憶)トレーニング/認知症で要介護にならない脳トレ予防の老年若脳 では、次のように解説している。
<人の脳にはワーキングメモリと呼ばれる領域があります。情報を一時的に保ちながら操作するための領域で、暗算や会話、思考能力等に影響します。 瞬時に一時記憶して、それを活用しながら行動しているとき、このワーキングメモリがフル活動している/ ワーキングメモリは、生活の中の「メモを取るまででもないこと」を頭の中に一時置いておくことが出来る機能です/ ワーキングメモリの劣化は物忘れの始まり ワーキングメモリは前頭前野にあり、思考における重要な役割を果たしています。このワーキングメモリが劣化すると、「あれ、何をしようとしていたんだっけ」、会話時も「あれ、会話が理解できない...」と、いろいろなことに支障をきたしてきます......> と。
そして、この "ワーキングメモリ" を、<日常の中で鍛えるなら、下記が有効> と指摘している。
<・新聞を10文字くらいのブロック単位で見て読んでいく
・看板を見たらぱっと記憶し、見ないでぱぱっと頭の中に描いてみる
・会話の際、相手の話をよくよく覚えるように聞く
・カラオケの際、得意でない歌を歌い、歌詞を見ながら出なく、歌詞をぱっと見て、目をそらして歌う。
・日常の簡単な判断は瞬時にこたえる>
さて、そこで 今回注目する記事なのであるが、下記引用サイト記事 1 : <認知症予防研究>早足歩行で認知機能低下を抑制――熊本大学/ケアマネジメントオンライン/2014.05.02 - 09:00 は、"早足歩行" が "認知機能低下を抑制" するという研究成果について報じている。
<熊本大学文学部認知心理学研究室では、認知症や下半身の運動障害のない健常高齢者において、速く歩ける人ほど記憶力が優れることを視覚的ワーキングメモリという記憶に関して明らかにした/ 早足での歩行ができる運動能力を維持することで、認知症に関連するような認知機能低下を抑制できる可能性が考えられる。ワーキングメモリは、高齢者では急速に低下することが知られている/ 今回の研究ではワーキングメモリの種類に着目し、これまで測定されてきた音韻ワーキングメモリに加え、人の顔を記憶する顔ワーキングメモリ、場所を記憶する空間ワーキングメモリにおける機能低下の度合いと歩行能力との関連について測定した。その結果、顔・空間ワーキングメモリにおいて歩行速度との強い相関が確認された> とある。
何でもない事実のようでもあるが、留意しておくに越したことはなさそうである......。
【 引用記事 1 】
<認知症予防研究> 早足歩行で認知機能低下を抑制――熊本大学/ケアmanagementオンライン/2014.05.02 - 09:00
熊本大学文学部認知心理学研究室では、認知症や下半身の運動障害のない健常高齢者において、速く歩ける人ほど記憶力が優れることを視覚的ワーキングメモリという記憶に関して明らかにした。大学院社会文化科学研究科博士後期課程1年の川越敏和と文学部 積山薫教授が高齢者の運動能力と認知機能との関係を調べる研究を実施し明らかにした。
今回の研究において、ワーキングメモリ成績と運動能力との強い相関は、手先の器用さでは見られず歩行に限られていた。このことから、早足での歩行ができる運動能力を維持することで、認知症に関連するような認知機能低下を抑制できる可能性が考えられる。ワーキングメモリは、高齢者では急速に低下することが知られている。
この低下の度合いと歩行能力との関連については、これまで呈示された文字をどの程度覚えているか、といった音韻ワーキングメモリでは測定されていたが、一貫した関連が示されていなかった。今回の研究ではワーキングメモリの種類に着目し、これまで測定されてきた音韻ワーキングメモリに加え、人の顔を記憶する顔ワーキングメモリ、場所を記憶する空間ワーキングメモリにおける機能低下の度合いと歩行能力との関連について測定した。その結果、顔・空間ワーキングメモリにおいて歩行速度との強い相関が確認された。このような強い結びつきは音韻ワーキングメモリには見られなかった。これまでの高齢者研究において、ワーキングメモリの種類は重視されることはなかったが、今回このように大きな違いが存在することが明らかになった。
【 引用記事 2 】
ワーキングメモリ(作業記憶)トレーニング/認知症で要介護にならない脳トレ予防の老年若脳
人の脳にはワーキングメモリと呼ばれる領域があります。情報を一時的に保ちながら操作するための領域で、暗算や会話、思考能力等に影響します。
瞬時に一時記憶して、それを活用しながら行動しているとき、このワーキングメモリがフル活動しているということです。◆ ワーキングメモリを使う生活の場面
例えば、おつりの計算や、暗算等、紙で計算するのではなく、数を頭の中に描きながら計算しなくてはならないとき、この作業がワーキングメモリで行われています。
人と会話をするときもそうです。会話の内容を踏まえ、理解しながら次の言葉を発する、という動作はワーキングメモリの活動なくしては成り立ちません。
創造性のある思考をするときにもワーキングメモリが使われます。 ...... ワーキングメモリが広いひとはもっと広い発想で思考を繰り広げていくことができるそうです。
◆ ワーキングメモリは心のメモ
ワーキングメモリは、生活の中の「メモを取るまででもないこと」を頭の中に一時置いておくことが出来る機能です。
例えば、買い物をしている時、あれが必要、これが必要と考えます。これもワーキングメモリの活動です。この時、話しかけられると、「あれ、何が必要なんだっけ?」と忘れてしまうことがあります。ワーキングメモリは領域が限られているので、一度にたくさんのことは出来ないのです。
◆ ワーキングメモリの劣化は物忘れの始まり
ワーキングメモリは前頭前野にあり、思考における重要な役割を果たしています。このワーキングメモリが劣化すると、「あれ、何をしようとしていたんだっけ」、会話時も「あれ、会話が理解できない...」と、いろいろなことに支障をきたしてきます。
こうならないように、ワーキングメモリを鍛えておきましょう。
◆ ワーキングメモリを鍛える
例えば、人は一度に覚えられる(ワーキングメモリに記憶できる)数字の数が5個~9個ほどだと言われています。郵便番号くらいの長さですね。......
ワーキングメモリを鍛えると、数字なら20個ほどを覚えられたり等と成長することが出来るといいます。ワーキングメモリ領域が広がれば、会話の理解度も上がり、ど忘れも減り、冴えた頭になることが出来るでしょう。
日常の中で鍛えるなら、下記が有効であると考えます。
・新聞を10文字くらいのブロック単位で見て読んでいく
・看板を見たらぱっと記憶し、見ないでぱぱっと頭の中に描いてみる
・会話の際、相手の話をよくよく覚えるように聞く
・カラオケの際、得意でない歌を歌い、歌詞を見ながら出なく、歌詞をぱっと見て、目をそらして歌う。
・日常の簡単な判断は瞬時にこたえる。
などなど...
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
すでに "認知症予防" を念頭においた "ウォーキング" などの "有酸素運動" を日課として生活に取り入れている熟年の方も少なくないと思われる。上記の "研究成果" は、そうした方への良いアドバイスとなりそうだ...... (2014.05.04)
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