原因の究明や治療法の確立が未達成!であるがゆえに、"パーキンソン病" は、日本では "難病(特定疾患)" に指定されている。
◆ 参照 "パーキンソン病" とは?
<脳内のドーパミン不足とアセチルコリンの相対的増加とを病態とし、錐体外路系徴候(錐体外路症状)を示す進行性の疾患である。神経変性疾患の一つであり、その中でもアルツハイマー病についで頻度の高い疾患と考えられている。日本では難病(特定疾患)に指定されている。本疾患と似た症状を来たすものを、原因を問わず総称してパーキンソン症候群と呼ぶ。>( ウィキペディア/パーキンソン病 )
◆ 参照 当誌での "パーキンソン病" 関連記事
○ <ヒトのiPS細胞からドーパミンを出す神経細胞を作り、パーキンソン病の症状を示すネズミの脳に移植/ 体の片側がうまく動かず、同じ場所をぐるぐると回っていたネズミは、4か月後、症状が改善し、まっすぐ歩けるようになった......> ( iPS 臨床研究 "パーキンソン病"でも! ぐるぐると回っていたネズミがまっすぐ歩けた!/当誌 2013.03.02 )
今回注目する下記引用サイト記事 : パーキンソン病:増加物質を突き止め 東京都医学総研/毎日新聞/2014.05.07 - 20:49 は、"発病原因" の究明につながるであろう "原因物質" 周辺の "仕組み" を解明しつつ、同時に、"病気の早期発見" への指標にもなり得るとする研究成果について報じている。
<神経難病「パーキンソン病」の原因となる細胞内の異常を除去する際に作り出される物質を突き止めた/ この物質の増加を検査で確認できれば、パーキンソン病を早期発見できる可能性がある/ 遺伝性パーキンソン病は、二つの遺伝子「ピンク1」と「パーキン」が働かず、細胞内の小器官「ミトコンドリア」の不良品が蓄積し、神経細胞が失われて発病する/ 今回、二つの遺伝子が異常ミトコンドリアを除去する詳細な仕組みが分かった。ピンク1が異常ミトコンドリアを見つけると、「ユビキチン」というたんぱく質にリン酸を結び付ける。この結合が合図となってパーキンが働き始め、異常ミトコンドリアの分解を促していた/ パーキンが働かない場合、もしくはピンク1やパーキンの処理能力を超える異常ミトコンドリアが生じた場合は、リン酸と結びついたユビキチンが急増し、パーキンソン病を発病する。このユビキチンを測定すれば早期発見できるようになるかもしれない> とある。
パーキンソン病 : 増加物質を突き止め 東京都医学総研/毎日新聞/2014.05.07 - 20:49
神経難病「パーキンソン病」の原因となる細胞内の異常を除去する際に作り出される物質を突き止めたと、東京都医学総合研究所の田中啓二所長、松田憲之プロジェクトリーダーらの研究チームが、7日発表した。この物質の増加を検査で確認できれば、パーキンソン病を早期発見できる可能性がある。論文は英科学誌ネイチャー電子版に掲載された。
チームは、マウスやヒトの細胞を使い、環境や生活習慣と関係なく家族内で発症する遺伝性パーキンソン病(全体の1〜2割)を調べた。遺伝性パーキンソン病は、二つの遺伝子「ピンク1」と「パーキン」が働かず、細胞内の小器官「ミトコンドリア」の不良品が蓄積し、神経細胞が失われて発病する。
今回、二つの遺伝子が異常ミトコンドリアを除去する詳細な仕組みが分かった。ピンク1が異常ミトコンドリアを見つけると、「ユビキチン」というたんぱく質にリン酸を結び付ける。この結合が合図となってパーキンが働き始め、異常ミトコンドリアの分解を促していた。遺伝性でないパーキンソン病でも同様の仕組みが働いている可能性があるという。
松田さんは「パーキンが働かない場合、もしくはピンク1やパーキンの処理能力を超える異常ミトコンドリアが生じた場合は、リン酸と結びついたユビキチンが急増し、パーキンソン病を発病する。このユビキチンを測定すれば早期発見できるようになるかもしれない」と話す。【永山悦子】
"パーキンソン病" は、"原因未解明/根治法未確立" に加えて "進行性の疾患" でもあるところから、先ずは "早期発見" が目指されている。
上記記事での、<ユビキチンの測定> という "早期発見アプローチ" が奏功することを期待したいものである...... (2014.05.10)
コメントする