"がん" の脅威が知れ渡る昨今、"がん予防" の方法、そのための食品(サプリメント)をめぐる情報が飛び交っている。
それらに振り回されずに取捨選択するために必要なのは、"基本情報" を踏まえてこそ成り立つ "がん情報リテラシー" であるのかもしれない。
今回注目する下記引用サイト記事 : (がん新時代:64)この生活習慣、効果かリスクか/朝日新聞/2014.06.21 - 05:00 は、科学的な "基本情報" として、"生活習慣" に関わるリスクと "感染症" に伴うリスクとに焦点を合わせつつ、"がん情報リテラシー" 向上に寄与している。
概ね想定内の情報かとは思われるが、健康とおカネとをムダにしないために参考としたいものだ。
<がんを防ぐ方法や食品などの情報が、ちまたにあふれている。多くは科学的根拠がなかったり、あいまいだったりする/ 日本での複数の疫学研究をもとに、国立がん研究センターの研究班は、喫煙、飲酒といった生活習慣や、感染症について、日本人のがんのリスクを上げるのか下げるのかを評価/ がん全体のうち、生活習慣や感染症が原因のがんは男性で約5割、女性で約3割ある/ 喫煙は、多くの種類のがんで発病リスクを引き上げている。喫煙が原因のがんは、がん全体のうち、男性では約3割、女性では5%/ 次に、原因となる割合が高いのが感染症だ。男女とも2割前後ある。肝がんは肝炎ウイルス、胃がんはピロリ菌、子宮頸(けい)がんはヒトパピローマウイルスに感染することで、「確実」にリスクが上がる 喫煙と感染をなくすことができれば、日本人のがんは3割程度減る計算になる>
<「 飲酒 」 飲酒が原因のがんは、男性では約1割。一方、ほどほどの量ならば、がん以外も含めた死亡率全体を下げるという研究結果もある/ 「 塩分 」 塩分が胃がんのリスクを高めることは「ほぼ確実」/ 「 野菜・果物 」 野菜や果物は、不足すると食道がんのリスクを「ほぼ確実」に上げる/ 「 肥満・痩せすぎ 」 肥満ややせ過ぎも影響する/ 「 運動 」 リスクを下げそうなのは運動だ。大腸がんには「ほぼ確実」、乳がんには「可能性あり」と判定 毎日1時間程度の歩行と週1回30分程度のランニングなどが勧められている/ 「 コーヒー 」 コーヒーも肝がんのリスクを下げるという研究結果がある/ イソフラボン「効果見られず」ほとんど科学的根拠なし> とある。
(がん新時代:64)この生活習慣、効果かリスクか/朝日新聞/2014.06.21 - 05:00
◇ がんを学ぶ
がんを防ぐ方法や食品などの情報が、ちまたにあふれている。多くは科学的根拠がなかったり、あいまいだったりする。国立がん研究センターは、複数の疫学調査を組み合わせて、がんに与える生活習慣などの影響を調べている。
■ 喫煙・感染なくせば3割減?
日本での複数の疫学研究をもとに、国立がん研究センターの研究班は、喫煙、飲酒といった生活習慣や、感染症について、日本人のがんのリスクを上げるのか下げるのかを評価している......。
また、東京大の井上真奈美特任教授は、日本人のがんに占める原因ごとの割合を調べた......。2005年の推計では、がん全体のうち、生活習慣や感染症が原因のがんは男性で約5割、女性で約3割あるとされ、残りは不明という。
喫煙は、多くの種類のがんで発病リスクを引き上げている。喫煙が原因のがんは、がん全体のうち、男性では約3割、女性では5%だった。受動喫煙でも原因になる。井上さんは「吸わない人も、たばこの煙に近づかないよう気をつける必要がある」と助言する。
次に、原因となる割合が高いのが感染症だ。男女とも2割前後ある。肝がんは肝炎ウイルス、胃がんはピロリ菌、子宮頸(けい)がんはヒトパピローマウイルスに感染することで、「確実」にリスクが上がるとされる。
喫煙と感染をなくすことができれば、日本人のがんは3割程度減る計算になる
。*
< 飲酒 > 飲酒が原因のがんは、男性では約1割。一方、ほどほどの量ならば、がん以外も含めた死亡率全体を下げるという研究結果もある。がん研究センターは、飲むのならアルコール量で1日23グラム程度を勧めており、これは日本酒1合、ビール大瓶1本程度に相当する。*
< 塩分 > 塩分が胃がんのリスクを高めることは「ほぼ確実」だ。国際的には1日5、6グラムが目標とされる。ただ、がん研究センターは男性9グラム、女性7・5グラムとしている。同センターの津金昌一郎・がん予防・検診研究センター長は「5、6グラムでは日本食が成り立たなくなってしまうので、達成できる値にした」と説明する。食品成分が食塩ではなく、ナトリウムで表示されている場合は、ナトリウムを2・54倍すると塩分量になる。*
< 野菜・果物 > 野菜や果物は、不足すると食道がんのリスクを「ほぼ確実」に上げる。1日あたり400グラムの摂取が目標とされ、野菜を小鉢で5皿分と、果物1皿分を合わせた程度になる。熱い飲食物も食道がんのリスクを「ほぼ確実」に上げるという。*
< 肥満・痩せすぎ > 肥満ややせ過ぎも影響する。体重(キログラム)を身長(メートル)で2回割ったBMI値が、30以上でがんのリスクを明らかに高めるが、日本人で該当する人は少ない。欧米人とは異なり、太り過ぎよりやせすぎの方が寿命を縮めているという。中高年では男性がBMI21~27、女性は19~25を適正範囲としている。*
< 運動 > リスクを下げそうなのは運動だ。大腸がんには「ほぼ確実」、乳がんには「可能性あり」と判定されている。デスクワークの多い人には、毎日1時間程度の歩行と週1回30分程度のランニングなどが勧められている。*
< コーヒー > コーヒーも肝がんのリスクを下げるという研究結果がある。さらに詳しいデータが必要で、津金さんは「ふだん飲んでいない人に無理に飲むよう勧める段階ではない」と話す。■ イソフラボン「効果見られず」 子宮体がん、4万人追跡調査 健康食品やサプリ、ほとんど科学的根拠なし
イソフラボンをとる量が多い女性と少ない女性で、子宮体がんの発病には差が見られない――。
国立がん研究センターなどが18日、こんな結果を発表した。イソフラボンは豆腐やみそなどの大豆食品に含まれ、子宮体がんを予防すると期待されていた。...... 以下省略 ......(鍛治信太郎)
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
不幸にも "がんを発症" してからも、どのような "治療選択肢" を選ぶのかについての判断(← "がん情報リテラシー" )が、その後の生活を大きく左右すると言われている。
まして、幸いにも "発症前" であるならば、最大限の警戒姿勢(← "がん情報リテラシー" )によって "発症リスク" を遠ざけるべきなのであろう。
"喫煙" を直ちに止めること、"運動不足" 解消の優先順位を高めることなど、"悪しき生活習慣" の圏外へとまず一歩踏み出したい...... (2014.06.23)
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