"認知症" には "大きな二つの壁"、<大きな二つの壁/ 60歳代から70歳代で現れる「血管性認知症」という壁/ その後の80歳前後で現れる「アルツハイマー型認知症」という壁> ( "認知症"にならないための"正攻法"!"血管性認知症"と"アルツハイマー型認知症"が壁!/当誌 2014.04.20 ) がある、とされている。
そして、"「血管性認知症」という壁" を作り出すのは、"脳出血" が一つであり、もう一つが "脳梗塞" ( 脳の血管が詰まったり何らかの原因で脳の血流が極端に低下し、脳組織が酸素欠乏や栄養不足に陥り、その状態が継続する結果、その部位の脳組織が壊死(えし)(梗塞)するもの ) であることはよく知られている。
治療法としては、"血栓溶解療法"( "血栓:詰まったもの" を溶かす)が採られているが、"現行の治療法には限界!" が指摘されていた。
この "限界!" を "改善" し、"血栓溶解療法" を "強化!" することにつながる、と期待されているのが、今回注目する下記引用サイト記事 : 新潟大、脳梗塞治療の血栓溶解療法で起こる合併症の原因タンパク質を特定/マイナビニュース/2014.06.05 が報じる研究成果である。
<新潟大学は6月4日、脳梗塞の治療で有効な「血栓溶解療法」の弱点とされる合併症(脳出血、脳浮腫)が、タンパク質「アンギオポイエチン1(Ang1)」が減少することで生じることを解明したと発表/ 脳梗塞に対する血栓溶解療法は「組織プラスミノゲン・アクチベーター(tPA)」を用いて、血管に閉塞した血栓を溶かし血液の流れを再開するというものだが、治療可能時間が4.5時間以内と短く、脳梗塞患者の5%未満しか治療の恩恵を受けることができないと言われている。この原因として、脳梗塞の発症後、時間が経過すると、脳の神経細胞だけでなく、血管にも障害が起こり、脳出血や脳浮腫が生じやすくなるためであり、その原因の解明が求められていた/ 今回、研究グループでは、ヒトの脳梗塞に病態が類似したラット脳塞栓モデルを用いて、「アンギオポイエチン1(Ang1)」の減少がtPA療法後の血管の障害や脳出血、脳浮腫の引き金となっていることを確認したほか、強い活性をもつように合成したAng1をtPAとともに静脈に注射しAng1を補充したところ、血管に取り込まれた結果、治療後の脳出血や脳浮腫が抑制され、治療可能時間が延長できることを確認した/ 研究グループでは、今後、tPAによる治療を受けられる患者数の増加が期待できるようになるほか、副作用を起こす患者数の減少による予後の改善、そして後遺症による要介護者の減少による医療費の抑制が期待できるようになるとコメント> とある。
新潟大、脳梗塞治療の血栓溶解療法で起こる合併症の原因タンパク質を特定/マイナビニュース/2014.06.05
新潟大学は6月4日、脳梗塞の治療で有効な「血栓溶解療法」の弱点とされる合併症(脳出血、脳浮腫)が、タンパク質「アンギオポイエチン1(Ang1)」が減少することで生じることを解明したと発表した。
同成果は、同大脳研究所 神経内科の下畑享良 准教授、川村邦雄 医師、高橋哲哉 助教、金澤雅人 助教、同大脳研究所の統合脳機能研究センターらによるもの。詳細は学術誌「PLOS ONE」に掲載された。
脳梗塞に対する血栓溶解療法は「組織プラスミノゲン・アクチベーター(tPA)」を用いて、血管に閉塞した血栓を溶かし血液の流れを再開するというものだが、治療可能時間が4.5時間以内と短く、脳梗塞患者の5%未満しか治療の恩恵を受けることができないと言われている。この原因として、脳梗塞の発症後、時間が経過すると、脳の神経細胞だけでなく、血管にも障害が起こり、脳出血や脳浮腫が生じやすくなるためであり、その原因の解明が求められていた。
今回、研究グループでは、ヒトの脳梗塞に病態が類似したラット脳塞栓モデルを用いて、「アンギオポイエチン1(Ang1)」の減少がtPA療法後の血管の障害や脳出血、脳浮腫の引き金となっていることを確認したほか、強い活性をもつように合成したAng1をtPAとともに静脈に注射しAng1を補充したところ、血管に取り込まれた結果、治療後の脳出血や脳浮腫が抑制され、治療可能時間が延長できることを確認したという。
これらの結果により、研究グループでは、今後、tPAによる治療を受けられる患者数の増加が期待できるようになるほか、副作用を起こす患者数の減少による予後の改善、そして後遺症による要介護者の減少による医療費の抑制が期待できるようになるとコメントしている。
言うまでもなく、脳組織の血管が、"血栓" によって一定時間塞がれてしまうと、さまざまな後遺症が誘発される。
上記記事のように、"血栓溶解療法" において、<治療後の脳出血や脳浮腫が抑制され、治療可能時間が延長できる> ようになると、"血栓" の溶解度が向上するであろうことは十分想像できる。今後の治療実績の蓄積が大いに期待される...... (2014.06.11)
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