その "副作用" が懸念されてきた "抗がん剤" は、投与された患者ににとっての "毒性" のリスクもさることながら、昨今、問題視され始めているのは、"抗がん剤" を取り扱う医療従事者が "抗がん剤残留物" によって被る "抗がん剤曝露" というリスクのようである。
◆ 参照 当誌過去の "抗がん剤曝露" 関連記事
○ <コベルコ科研は、医療分野向けの評価・解析サービスを強化する/ 医療分野向けの評価・解析サービスとして、近頃引き合いが増えている事例の一つとして紹介したのが、医療従事者の抗がん剤曝露量の分析。医療現場に残留している抗がん剤を専用キットでふき取り、その箇所の残留抗がん剤量を分析するもの。近年、医療従事者の抗がん剤曝露が問題になっていることに応えるサービスである> ( 医療従事者の"抗がん剤曝露量"とは何?"抗がん剤"は"正常細胞"にも作用するため警戒?!/当誌 2014.06.27 )
今回注目する下記引用サイト記事 : 抗がん剤取扱者の健康被害防ぐ 医師や看護師が協議会/日本経済新聞/2014.06.28 - 23:32 は、そうした "抗がん剤曝露" リスクに曝されている "医療側(医師/看護師/薬剤師ら)" が、リスク回避対策を協議しようと「抗がん剤曝露(ばくろ)対策協議会」設立に踏み切ったという推移を報じている。
<抗がん剤を取り扱う医療従事者の健康被害を防ごうと、医師や看護師、薬剤師らが「抗がん剤曝露(ばくろ)対策協議会」を設立し、危険性に関する啓発や汚染対策などの活動方針を28日までに公表/ 抗がん剤は主に点滴で投与され、がん細胞だけでなく正常な細胞に対しても強い毒性がある。点滴液の交換時や患者の排せつ物の処理の際に触れたり揮発物を吸い込んだりして体内に入り、健康被害を起こす恐れが指摘されている。海外では看護師の血液中の白血球でDNA損傷が増えたとの報告もある/ 協議会は今後、薬液が外部に漏れにくい器具を使用したり、ガウンや手袋の着用を徹底したりする安全対策を進めるよう呼び掛ける/ 病棟の汚染状況や健康被害の実態調査もしたいとしている/ 抗がん剤の運搬や投与を担当することの多い看護師に対策の必要性が十分に知られていないという。協議会理事長の垣添忠生国立がん研究センター名誉総長は「在宅医療で抗がん剤を使うケースも増え、家族が薬剤にさらされることもある。医療従事者に限らず、対策の意識を高めていきたい」と話した> とある。
こうした対策は極めて当然な対応であるに違いない、と思われる。
ただ、その反面、否応なく注意が向かうのは、その "残留物" でさえ<がん細胞だけでなく正常な細胞に対しても強い毒性がある/体内に入り、健康被害を起こす恐れが指摘> と判断される "抗がん剤" が、"がん治療" 目的とは言え "患者" の体内に "点滴で投与" されているという現状なのではなかろうか......。
抗がん剤取扱者の健康被害防ぐ 医師や看護師が協議会/日本経済新聞/2014.06.28 - 23:32
抗がん剤を取り扱う医療従事者の健康被害を防ごうと、医師や看護師、薬剤師らが「抗がん剤曝露(ばくろ)対策協議会」を設立し、危険性に関する啓発や汚染対策などの活動方針を28日までに公表した。
抗がん剤は主に点滴で投与され、がん細胞だけでなく正常な細胞に対しても強い毒性がある。点滴液の交換時や患者の排せつ物の処理の際に触れたり揮発物を吸い込んだりして体内に入り、健康被害を起こす恐れが指摘されている。海外では看護師の血液中の白血球でDNA損傷が増えたとの報告もあるという。
協議会は今後、薬液が外部に漏れにくい器具を使用したり、ガウンや手袋の着用を徹底したりする安全対策を進めるよう呼び掛ける。
病棟の汚染状況や健康被害の実態調査もしたいとしている。
抗がん剤の運搬や投与を担当することの多い看護師に対策の必要性が十分に知られていないという。協議会理事長の垣添忠生国立がん研究センター名誉総長は「在宅医療で抗がん剤を使うケースも増え、家族が薬剤にさらされることもある。医療従事者に限らず、対策の意識を高めていきたい」と話した。〔共同〕
言うまでもなく、"抗がん剤" は "がん細胞" に対して "殺細胞効果!"("細胞増殖" を阻止すべく遺伝子に作用)を発揮するとされている。
だが、今、問題視されている危惧のポイントは、その効果が、"がん細胞" に限定できずに "正常細胞" にも及ぶという点以外ではなかろう。
上記記事などで "医療従事者の抗がん剤曝露" リスクが、ことさら問題視され始めた事実は、"医療従事者" か "患者" かの別を問わず、ヒトの "正常細胞" にも及ぶことが確実視され始めたことを "裏書き!" していると考えざるを得ないのだが...... (2014.06.30)
コメントする