今や、"放射線被ばく" が "発がんリスク" となることはよく知れ渡っている。
もちろん、昨日の今日といった短兵急な話ではなく、"放射線被ばく量の累積" が、"遺伝子変異、損傷" を加速させて、そしてある時、体内の "正常細胞" を "がん細胞" へと変換させてしまうという推移になるようだ。
したがって、原発事故による "放射線被ばく" のリスクに対しては特別な警戒心が働くのは道理であろう。
◆ 参照 当誌過去の "放射線被ばく" 関連記事
○ <"放射線被ばく" のリスクは、"被ばく" 直後にその健康被害が表面化するようなケースならばそれは危機的な事態だと言うほかないわけだが、そうではない場合にも、"発がん的影響("遺伝子の変異・損傷")" を被ってしまう! という点が "要注意!" なのだそうだ> ( 福島の鼻血「内部被ばくか」 神戸の医師 学会で発表!人体への影響は未解明な点多し!/当誌 2014.07.15 )
ところが、"医療機器がもたらす放射線被ばくのリスク" に対しては、意外なほどに "寛容/ルーズ(?)" だと見られている。
医療現場での "放射線被ばく" とて、その "危険度" はまったく同じであるのに、「念のためにCT、とりあえずCT」といった気軽さで、"10ミリシーベルト~30ミリシーベルト" といわれる "CT" を受けたり受けさせたりしているのが現状だとされる。
中には、厳密さを求め、一度の検査で、造影剤注射による撮影まで付け加えた複数回撮影を行う場合もあり、"発がんリスク" は否応なく高まる計算だ......。
今回注目する下記引用サイト記事 : 子どものCT検査 被曝減らす工夫...放射線量 体格に応じ設定/読売新聞 - 最新医療/2014.07.03 は、"CT" 検査時の "放射線被ばく" の現状、それも<特に放射線の影響を受けやすい子ども>(子どもは "発がんリスク" が高い!)をめぐる現状について報じている。
<子どもが頭を打った時などに行うCT(コンピューター断層撮影)検査。頭の中の様子がひと目でわかるため、救急現場でよく行われているが、日本医学放射線学会などは「損傷のリスクが低い場合にはCT検査を行うべきではない」などとする指針をまとめた/ CT検査は放射線を使って体の内部の断面を映し出す。...... 子どもの場合は1・3~14ミリ・シーベルト程度とされる/ 発がんするリスクが増えるのは、一度に被曝する量が100ミリ・シーベルトを超えた場合とされ、...... 特に放射線の影響を受けやすい子どもについては、被曝量を減らすための検証が世界中で進んでいる。海外では、子どもに行われたCT検査を検証した結果、「30%以上は不必要」「3分の1は他の検査に変更可能か、不要」などの研究がまとまっている/ 国内でも日本医学放射線学会などが「画像診断ガイドライン(指針)」を昨年改定。子どもの頭のけがの大部分を占める軽症の場合、「5分以上意識がない」「3回以上の 嘔吐(おうと)がある」などの米国の検査基準を示し、この基準などを参考にリスクが低いと診断された場合、CT検査を行うべきではないとした/ 国内でも日本放射線技術学会や日本医学放射線学会が、それぞれ全国の主な病院を対象にCT検査時の放射線量の調査を始めた。愛知医大放射線科教授の石口恒男さんは「これまで日本では全国的なデータがなかった。調査に基づいて日本の基準値を決め、CT検査の被曝量を適切に管理できるようにしたい」と話す> とある。
なお、子どもの "発がんリスク" については、特に注意が必要だとされる。
「このようにCTには危険がありますが、なかでも、子どものCTは危険です。子どもは臓器・組織が成長段階にあり、放射線の影響を受けやすいのです。発がんリスクのグラフからわかるように、年齢が低いほど、発がんリスクが高くなっている。成長のため細胞分裂が盛んな小児の臓器・組織は放射線感受性が高いことのほか、成人より長く生きることが、発がんリスクを高める原因です」(近藤 誠『放射線被ばく CT検査でがんになる 』亜紀書房,2011.07.07)
子どものCT検査 被曝減らす工夫...放射線量 体格に応じ設定/読売新聞 - 最新医療/2014.07.03
子どもが頭を打った時などに行うCT(コンピューター断層撮影)検査。頭の中の様子がひと目でわかるため、救急現場でよく行われているが、日本医学放射線学会などは「損傷のリスクが低い場合にはCT検査を行うべきではない」などとする指針をまとめた。
CT検査は放射線を使って体の内部の断面を映し出す。撮影する体の部位や体格によって放射線の被曝(ひばく)量は違うが、子どもの場合は1・3~14ミリ・シーベルト程度とされる。
発がんするリスクが増えるのは、一度に被曝する量が100ミリ・シーベルトを超えた場合とされ、これよりは低い。ただ、国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)放射線診断科医長の宮崎治さんによると、CT検査程度の低い被曝でがんを発症するかどうかは、はっきりしていない。
そこで、特に放射線の影響を受けやすい子どもについては、被曝量を減らすための検証が世界中で進んでいる。海外では、子どもに行われたCT検査を検証した結果、「30%以上は不必要」「3分の1は他の検査に変更可能か、不要」などの研究がまとまっている。
こうした流れを受け、国内でも日本医学放射線学会などが「画像診断ガイドライン(指針)」を昨年改定。子どもの頭のけがの大部分を占める軽症の場合、「5分以上意識がない」「3回以上の 嘔吐(おうと)がある」などの米国の検査基準を示し、この基準などを参考にリスクが低いと診断された場合、CT検査を行うべきではないとした。
頭のけがと並んで子どもの救急患者に多い急性虫垂炎(盲腸)の診断も、できるだけCTではなく、超音波検査を行うこととした。
一方、CT検査が必要な場合でも、低い放射線量で撮影した画像を、医師が診断できる高画質のものにコンピューターで再構成する技術などが進み、検査による被曝は減りつつある。
子どもの場合は体格に応じた放射線量を設定することで、さらに被曝を減らせる。国立成育医療研究センターでは、赤ちゃんから中学生くらいまでの人体模型を使ってそれぞれ実際に撮影、画質と被曝量を比べ、体格ごとの最適な放射線量を決めている。
米国では、各病院がCT検査の際に機械に表示される放射線量を登録し、集計結果を基に基準値を決め、これに比べて放射線量が多い病院は設定を見直すなどの取り組みが行われている。
国内でも日本放射線技術学会や日本医学放射線学会が、それぞれ全国の主な病院を対象にCT検査時の放射線量の調査を始めた。愛知医大放射線科教授の石口恒男さんは「これまで日本では全国的なデータがなかった。調査に基づいて日本の基準値を決め、CT検査の被曝量を適切に管理できるようにしたい」と話す。
宮崎さんは「各病院は診断のレベルを落とさない範囲で、できるだけ被曝量を減らす努力が必要」とし、親の側にも理解を求める。
明らかに問題がない場合でも親からCT検査を求められることもあれば、逆に医師が必要と判断しても、放射線への不安からためらう親もいるという。「無用な被曝を避けるため、必要な場合にのみ検査しようとしていることを知ってほしい」と話している。(館林牧子)
考えてみれば、"CT" のような高額医療機器になると、そのコスト回収が急がれるはずであろうことは、はた目から見ても分かる。その結果、経営的観点からの "CT利用率向上" に拍車が掛かるのかもしれないと......。
もし、このロジックが、本来不要な "CT検査" とそれに伴う "放射線被ばく" とを呼んでいるのだとしたら、それこそ本末転倒以外ではなかろう......。
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