正常細胞に、その "大元の細胞" としての "幹細胞" があるように、"がん細胞" にも "がん幹細胞" があるとされる。
そして、がんの "再発や転移" が、この "がん幹細胞" による "仕業" ではないか、と推定されているようなのである。
◆ 参照 当誌過去の "がん幹細胞" 関連記事
○ <......乳がんは、手術をしても、その10年後や20年後でも再発や転移する場合があることが知られている。この仕組みとして、がん細胞の発生の大元であるがん幹細胞がはじめて発生した時に骨髄に移動し、増殖もせず休眠状態になり、長い年月を経て再び目覚めるためと考えらえているが、どのようなメカニズムで休眠状態になり、また目覚めるのかはよく分かっていなかった......> ( 術後長期間を経て"再発・転移"する乳がんのメカニズムを解明!(国がん) 新治療法へ!?/当誌 2014.07.05 )
しかも、この "がん幹細胞" が、がん治療にとって "手強い" 点は、 (1) "抗がん剤" が効かない! という点、 (2) 潜伏しているため発見が非常に難しい点! である、と考えられているようである。 だからこそ、上記参照記事のように、<術後長期間を経て"再発・転移"する> という悲惨な事態が発生するのだと見なされてもいるわけだ。
今回注目する下記引用サイト記事 : iPS技術でがん幹細胞を作製 神戸大、治療法開発に貢献/【共同通信】/2014.07.10 - 03:00 は、こうした "捉え所がない!" とされてきた "がん幹細胞" の正体を明かすために、これを "iPS技術" を使って作製し、研究材料としようとする、そんな新しいアプローチについて報じている。
<がんのもとになる「がん幹細胞」を人工多能性幹細胞(iPS細胞)の作製技術を応用して作ることに神戸大と京都大iPS細胞研究所などのチームが成功し、9日付の米オンライン科学誌プロスワンに発表した/ がん幹細胞は体内でがん細胞を次々と生み、転移や再発のほか、治療が効きにくくなる原因となる。チームによると、今回のような手法での作製は世界初。簡単にがん幹細胞を得ることができ、がんの「親玉」の研究が進むことで、根源をたたく治療法や、診断法の開発に役立つという/ iPS細胞は皮膚などの細胞に数種類の遺伝子を導入して作る> とある。
iPS技術でがん幹細胞を作製 神戸大、治療法開発に貢献/【共同通信】/2014.07.10 - 03:00
がんのもとになる「がん幹細胞」を人工多能性幹細胞(iPS細胞)の作製技術を応用して作ることに神戸大と京都大iPS細胞研究所などのチームが成功し、9日付の米オンライン科学誌プロスワンに発表した。
がん幹細胞は体内でがん細胞を次々と生み、転移や再発のほか、治療が効きにくくなる原因となる。チームによると、今回のような手法での作製は世界初。簡単にがん幹細胞を得ることができ、がんの「親玉」の研究が進むことで、根源をたたく治療法や、診断法の開発に役立つという。
iPS細胞は皮膚などの細胞に数種類の遺伝子を導入して作る。
<がんの「親玉」> である "がん幹細胞" の正体は、従来、この存在自体が確認されにくかったこともあり、まだまだ未解明な部分を多々残していると見られている。
それだけに、<簡単にがん幹細胞を得ること> が可能となった条件下で、"がん幹細胞" の正体解明の研究に大いに拍車が掛かりそうだ...... (2014.07.11)
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