がん幹細胞は一種類だけではない!~マウスiPS細胞により世界で初めて証明~(岡山大)

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 "がんの再発・転移" の仕組みを解明するためにも、その正体を暴かなければならないのが "がんの元になる細胞"、"がんの親玉:がん幹細胞" という存在の構造だと考えられている。

 ところが、この "がん幹細胞" は、"数も少なくて潜伏している" ため、体内で発見することは不可能に近い! とされている。

 そこで着目されるのが、ならば "がん幹細胞" を "人工多能性幹細胞(iPS細胞)技術" によって作成すべしというアプローチである


 ◆ 参照 当誌過去の "がん幹細胞" 関連記事

 (1) "iPS技術"で"がんの親玉:がん幹細胞"を作製(神戸大)!根源を叩く治療法開発等に貢献!/当誌 2014.07.11
 (2) 術後長期間を経て"再発・転移"する乳がんのメカニズムを解明!(国がん) 新治療法へ!?/当誌 2014.07.05

 今回注目する下記引用サイト記事がん幹細胞は一種類だけではない!~マウスiPS細胞により世界で初めて証明~/岡山大学 - プレスリリース/2014.07.07 は、こうした "iPS細胞技術" による "がん幹細胞" 作成研究において、注目すべき新たな成果が生まれたと報じている

 <岡山大学大学院自然科学研究科ナノバイオシステム分子設計学研究室の妹尾昌治教授らの研究グループは、生体内で悪性脂肪肉腫を形成するがん幹細胞の作成に世界で初めて成功しました。 iPS細胞からがん幹細胞を世界で初めて作成する事に成功してから2年、今回はがん細胞が分泌する小胞にiPS細胞をがん幹細胞へ誘導する物質が含まれることを発見。 異なる種類のがん幹細胞をiPS細胞から作り出せることを明らかにしました/  iPS細胞を使って性質の異なるがん幹細胞を作成していくことで、あらかじめ人為的に、多種多様ながん幹細胞を調製し、これらを標準品として用い、がん患者の組織内で同様な細胞の有無を調べるという、これまでに無い診断アプローチの実現と、それを応用した画期的な「個の医療」につながる可能性を意味しています。将来、多くのがん幹細胞を準備して......> とある。

 <iPS細胞を使って性質の異なるがん幹細胞を作成していくことで、あらかじめ人為的に、多種多様ながん幹細胞を調製し、これらを標準品として用い、がん患者の組織内で同様な細胞の有無を調べる......> という、"格段に飛躍したがん治療" の可能性が広がり始めたようである

 がん幹細胞は一種類だけではない!~マウスiPS細胞により世界で初めて証明~/岡山大学 - プレスリリース/2014.07.07

 岡山大学大学院自然科学研究科ナノバイオシステム分子設計学研究室の妹尾昌治教授らの研究グループは、生体内で悪性脂肪肉腫を形成するがん幹細胞の作成に世界で初めて成功しました。iPS細胞からがん幹細胞を世界で初めて作成する事に成功してから2年、今回はがん細胞が分泌する小胞にiPS細胞をがん幹細胞へ誘導する物質が含まれることを発見。異なる種類のがん幹細胞をiPS細胞から作り出せることを明らかにしました

 本研究成果は、7月5日、がん研究の国際科学雑誌『Journal of Cancer』に公開されました。

 iPS細胞を使って性質の異なるがん幹細胞を作成していくことで、あらかじめ人為的に、多種多様ながん幹細胞を調製し、これらを標準品として用い、がん患者の組織内で同様な細胞の有無を調べるという、これまでに無い診断アプローチの実現と、それを応用した画期的な「個の医療」につながる可能性を意味しています。将来、多くのがん幹細胞を準備して、制がん剤をスクリーニングする「がん幹細胞パネル」などへの応用も期待されます。

<業 績>
 岡山大学大学院自然科学研究科ナノバイオシステム分子設計学研究室の妹尾昌治教授らの研究グループが中国および米国の研究者らと共同で、がん細胞の分泌する小胞がiPS細胞をがん幹細胞へ誘導することを世界で初めて明らかにしました。これは、がん細胞の培養液中に存在する小胞にiPS細胞をがん幹細胞へ誘導する物質が含まれるということです。

 妹尾教授らの先の報告 1) では、腺癌ができたのに対し、今回の実験では悪性脂肪肉腫ができました(図1)。これは、培養液中の成分を制御することにより異なる種類のがん幹細胞を、人為的な遺伝子操作を施さずにiPS細胞から作り出せることを示しています
 2012年にマウスiPS細胞からがん幹細胞を世界で初めて作り出した 2) ことにより、がん研究に新たな局面を切り開いた同研究グループは、今回明らかに性質の異なるがん幹細胞を作り出すことに世界で初めて成功しました

 本成果は、7月5日、がん研究の国際科学雑誌『Journal of Cancer』に掲載され、日本分子生物学会(平成25年12月)および米国癌学会(平成26年4月)で発表しました。

 本研究は、平成25年度に株式会社産業革新機構による「LSIPファンド」(Life-Science Intellectual property Platform Fund /ライフサイエンス知財ファンド) 3) により支援を受けました。さらに、平成26年度からは岡山大学が推進する特別プロジェクトとして文部科学省の支援を受けて実施されています。

 1) がん幹細胞から生まれる細胞が幹細胞自身を養う-世界で初めて証明(平成25年12月9日 プレスリリース)
   http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id125.html
 2)マウスのiPS細胞からがん幹細胞のモデル作成に世界初の成功(平成24年4月10日 プレスリリース)
   http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id1574.html
 3)国立大学初 LSIPによる知財強化支援(平成25年7月8日 プレスリリース)
   http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id71.html

( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)

 これまで、その行方を掴むことさえ困難であった "がん幹細胞" が、"要請に見合ったどんな種類でも作成できる" となれば、これを "消滅!" させる新たな治療法開発の幅は画期的に広がりそうだ。
 ただ、それと同時に、"がん幹細胞" というものの想定外の "したたかさ!" が、次々と露わになってこないとは限らない
...... (2014.07.19)













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