昨日は、この日本の現時点での "がん罹患数・がん死亡数" の多さに、改めて目を向けてみたところだ( "今年のがん死亡は37万人"と初の予測! がん対策に寄与するための統計処理的な予測!/当誌 2014.07.14 )。
こうした現状があるだけに、"発がん性" リスクを秘めた "放射線被ばく" やその類似状況に対しては、より "科学的" な視点でのシビァな対応が要請されてよいのだと思われる。言い換えれば、"無頓着は、将来に禍根を残す!" ことになるのではないかと思われる。
確かに、現状の "がん罹患患者" と過去における "放射線被ばく" の経緯とを関係づける、そうした統計は少ないとしても、"がん発症" が、"遺伝子の変異・損傷" を起因としている事実は明らかだと考えられている。そして、"遺伝子の変異・損傷" の原因は複数の背景が想定されてはいるものの、"放射線被ばく" は重大なリスク要因と見なされている。
しかも、この "放射線被ばく" リスクは、放射線の特質上、"累積的" な "被ばく量" が問題視されるものであり、この点は、ヒトの体内の "遺伝子の変異・損傷" が "一定量を超える" ことを引き金として "がん発症" が起動してしまう点と符合しているようだ。
"放射線被ばく" のリスクは、"被ばく" 直後にその健康被害が表面化するようなケースならばそれは危機的な事態だと言うほかないわけだが、そうではない場合にも、"発がん的影響("遺伝子の変異・損傷")" を被ってしまう! という点が "要注意!" なのだそうだ。
今回注目する下記引用サイト記事 : 福島の鼻血「内部被ばくか」 神戸の医師、学会で発表/神戸新聞/2014.07.14 - 07:10 は、ほんのしばらく前に話題となっていた "漫画「美味(おい)しんぼ」での鼻血" 問題に対して、"科学" の立場からの一石を投じる、そんな動向を報じるものである。
<東日本大震災による原発事故の後、福島県では、子どもを中心に鼻血が出る症状が相次いだ。漫画「美味(おい)しんぼ」で登場人物が鼻血を流す場面が「風評被害を招く」などと批判されたが、実際に放射性物質が結合した金属粒子が鼻の粘膜に付着し、内部被ばくを起こした可能性があることを、東神戸診療所(神戸市中央区)の郷地(ごうち)秀夫所長が12日に名古屋市で開かれた日本社会医学会で発表した。(三上喜美男)/ 郷地所長は神戸大学医学部卒業。兵庫県内で約35年間、被爆者の治療を続け、福島などから避難している被災者の診断や健康相談にも当たっている/ 郷地所長によると、福島からの避難者の2人に1人ほどが家族などの鼻血を体験している。突然出血し、普段あまり鼻血を出さなかった子どもが多いのが特徴。避難後はほとんどの症状が治まっているという/ 500ミリシーベルト以上の放射線を全身に浴びれば、急性障害で鼻血が出る場合がある。だが福島ではそうした被ばく例はなく、放射線と鼻血の因果関係を疑問視する専門家もいる/ しかし、東日本大震災の被災地では、原発から飛散した放射性セシウムなどが金属粒子と結び付き拡散したことが気象庁気象研究所の観測などで確認された。東日本一円で医療機関のエックス線フィルムが粒子で感光する現象もみられ、当初から健康への影響を疑う声が聞かれていた/ 郷地所長は、金属粒子が鼻の粘膜に付着したのが引き金となった可能性を指摘する。金属粒子は直径数ミクロンで、人体のごく小さな範囲に1日100ミリシーベルトを超える放射線を出し、組織を損傷する/ 郷地所長は「もともと花粉症やアレルギーなどで粘膜が炎症していた人が出血を起こしても不思議はない」と話す。大量に吸い込んだ人も少なくないとみられ、内部被ばくの問題と捉え、早期に科学的な調査と分析をすべきだったと強調する> とある。
福島の鼻血「内部被ばくか」 神戸の医師、学会で発表/神戸新聞/2014.07.14 - 07:10
東日本大震災による原発事故の後、福島県では、子どもを中心に鼻血が出る症状が相次いだ。漫画「美味(おい)しんぼ」で登場人物が鼻血を流す場面が「風評被害を招く」などと批判されたが、実際に放射性物質が結合した金属粒子が鼻の粘膜に付着し、内部被ばくを起こした可能性があることを、東神戸診療所(神戸市中央区)の郷地(ごうち)秀夫所長が12日に名古屋市で開かれた日本社会医学会で発表した。(三上喜美男)
郷地所長は神戸大学医学部卒業。兵庫県内で約35年間、被爆者の治療を続け、福島などから避難している被災者の診断や健康相談にも当たっている。
郷地所長によると、福島からの避難者の2人に1人ほどが家族などの鼻血を体験している。突然出血し、普段あまり鼻血を出さなかった子どもが多いのが特徴。避難後はほとんどの症状が治まっているという。
500ミリシーベルト以上の放射線を全身に浴びれば、急性障害で鼻血が出る場合がある。だが福島ではそうした被ばく例はなく、放射線と鼻血の因果関係を疑問視する専門家もいる。
しかし、東日本大震災の被災地では、原発から飛散した放射性セシウムなどが金属粒子と結び付き拡散したことが気象庁気象研究所の観測などで確認された。東日本一円で医療機関のエックス線フィルムが粒子で感光する現象もみられ、当初から健康への影響を疑う声が聞かれていた。
郷地所長は、金属粒子が鼻の粘膜に付着したのが引き金となった可能性を指摘する。金属粒子は直径数ミクロンで、人体のごく小さな範囲に1日100ミリシーベルトを超える放射線を出し、組織を損傷する。
郷地所長は「もともと花粉症やアレルギーなどで粘膜が炎症していた人が出血を起こしても不思議はない」と話す。大量に吸い込んだ人も少なくないとみられ、内部被ばくの問題と捉え、早期に科学的な調査と分析をすべきだったと強調する。
◇ ◇ 【 内部被ばく 】体の外から放射線を浴びる外部被ばくに対し、体内に入った放射性物質で被ばくすることを指す。呼吸や飲食、皮膚への接触などで起こるが、人体への影響は未解明な点が多い。郷地医師は粘膜への付着を「接触被ばく」と呼ぶ。
◆ 参照 関連記事 鼻血論争が問い掛けたもの 論説委員室 三上喜美男/神戸新聞/2014.06.08
とかく、"目先良ければすべて良し(?)" という "あざとさ!" に流れがちな、そんなご時世か......。スピード感をもって云々、という分かったようでワケの分からないスタンスもまるで流行り病のようか......。
ただし、スピード感をもって幕引きをしようとする余り、長いスパンでの自然からのリベンジを引き寄せてしまうのでは取り返しがつかない! これこそが、"将来に禍根を残す!" 愚策の典型か...... (2014.07.15)
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