"認知症" の予防策については種々の試みがなされている。
中でも頻繁に取り上げられ、関心が向けられているのは "運動(軽い運動、有酸素運動)" であろう。
◆ 参照 当誌過去の "認知症の予防" 関連記事
○ <ウオーキングと同じ程度の軽い運動を短時間行っただけで、脳の認知機能が高まったことが筑波大学などの研究グループの実験で分かりました/ その結果、脳の中の認知機能をつかさどる「前頭前野背外側部」と「前頭極」の活動が運動をしていないときよりも活発になり、認知機能が高まったことが分かりました......> ( "軽い運動でも脳の認知機能向上" が新たな実験結果で判明!"認知症予防"に繋がるか?!/当誌 2014.05.24 )
"運動" と同様に、日常生活における基本である "食生活" のあり方もまた着目されている。
◆ 参照 "揚げ物"を摂りすぎるとアルツハイマー型認知症リスクが増大!? 食生活での予防先決!/当誌 2014.03.25 )
今回注目する下記引用サイト記事 : 低栄養 認知症リスク倍増...70歳以上、赤血球など調査/yomiDr. ヨミドクター/2014.07.14 は、"認知症リスク" が心配となる高齢者にとっての"食生活" のあり方に対して基本的な示唆を与える、そんな研究結果を報じている。
"認知機能維持" のためには、"粗食ではなく、積極的に肉や魚、牛乳などを摂取すること" が重要だとされる。
<健康診断の血液検査項目の赤血球数やHDL(善玉)コレステロール値、アルブミン値が低いと、認知機能の低下が2~3倍起きやすいとの研究結果を、東京都健康長寿医療センター研究所のグループがまとめた。栄養が低い状態が将来の認知症のリスクを高めることを示す結果/ 同研究所の谷口優研究員らは、群馬県と新潟県に住む70歳以上の1149人の暮らしぶりや健康状態を調べて、認知症が疑われた人などを除いた873人を追跡調査(平均2・7年)した/ 調査開始時の赤血球数、善玉コレステロール値、アルブミン値を、それぞれ「低い」「普通」「高い」の3群に分け、その後の認知機能の変化との関係を調べた。その結果、それぞれの値が低い群は高い群に比べて2~3倍、認知機能が低下しやすかった/ 赤血球は鉄分、コレステロールは脂質、アルブミンはたんぱく質の状態を示しており、これらの数値の低い低栄養の状態が、認知症のリスクを高めていると考えられる/ 谷口研究員は「高齢者は、認知機能を維持するためにも、粗食ではなく、肉や魚、牛乳などを積極的にとった方がいい」と話している> とある。
なぜ、<肉や魚、牛乳などを積極的にとった方がいい> のかについての言及はないが、おそらく、良質な動物性たんぱく質が身体の細胞・組織を増強、増加させること("脳の海馬の神経細胞" 増加にも)と密接に関係しているからなのであろう......。
低栄養 認知症リスク倍増...70歳以上、赤血球など調査/yomiDr. ヨミドクター/2014.07.14
健康診断の血液検査項目の赤血球数やHDL(善玉)コレステロール値、アルブミン値が低いと、認知機能の低下が2~3倍起きやすいとの研究結果を、東京都健康長寿医療センター研究所のグループがまとめた。栄養が低い状態が将来の認知症のリスクを高めることを示す結果で、老年医学専門誌に近く発表する。
同研究所の谷口優研究員らは、群馬県と新潟県に住む70歳以上の1149人の暮らしぶりや健康状態を調べて、認知症が疑われた人などを除いた873人を追跡調査(平均2・7年)した。
調査開始時の赤血球数、善玉コレステロール値、アルブミン値を、それぞれ「低い」「普通」「高い」の3群に分け、その後の認知機能の変化との関係を調べた。その結果、それぞれの値が低い群は高い群に比べて2~3倍、認知機能が低下しやすかった。
赤血球は鉄分、コレステロールは脂質、アルブミンはたんぱく質の状態を示しており、これらの数値の低い低栄養の状態が、認知症のリスクを高めていると考えられる。
谷口研究員は「高齢者は、認知機能を維持するためにも、粗食ではなく、肉や魚、牛乳などを積極的にとった方がいい」と話している。
"認知症" の "予防" に効果ありとされる "運動" とは、"筋肉" による活動であり、言い換えれば、高齢者にとっても "筋肉" は不可欠なものだと言える。
そして、その "筋肉" は "運動" によって鍛えられるだけでなく、栄養面からの支援補給がなくてはならない。
<肉や魚、牛乳などを積極的にとった方がいい> とされるのは、まさにここから来ていると言える...... (2014.07.17)
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