"心筋梗塞" などによって、心臓がダメージを受けると、大量の心筋細胞が破壊されることになるが、ヒトを含む哺乳類は失われた心筋細胞を元に戻す自己再生能力を持っていない。
そこで、人工的に心筋細胞をどう "再生" させるのか?! というこの点が、"心筋梗塞再生医療" の中心課題となる。
◆ 参照 当誌過去の "心筋梗塞再生医療" 関連記事
○ <皮膚や心臓に含まれる細胞を、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を経ずに効率良く心筋細胞に変化させることに成功したと、慶応大の家田真樹特任講師(循環器内科)らの研究チーム......> ( 心筋梗塞再生医療!iPS細胞を経ずに"効率良く"体内での心筋細胞作製に成功(慶応大)!/当誌 2014.06.13 )
今回注目する下記引用サイト記事 : 心臓静脈できる仕組み解明 タンパク質が血管新生/msn 産経ニュース/2014.07.22 は、"心筋梗塞再生医療" に、"心筋細胞" 再生とは別のアプローチ ―― 心臓表面での"血管新生" ―― から貢献するであろう画期的な研究成果が紹介されている。
<心筋細胞からAng1が分泌されないと、マウスの胎児の心臓に冠静脈が作られなかった/ 血液を供給するため心臓の表面を走る「冠静脈」が作られる仕組みを大阪大や京都大、東京大などのチームがマウスを使って解明し、22日付の英科学誌ネイチャーコミュニケーションズ電子版に発表した/ 心筋の細胞が分泌するアンジオポエチン1(Ang1)というタンパク質が、冠静脈を作るよう他の細胞に働き掛けていた/ 心筋梗塞などで、詰まった血管のかわりに新しい血管を作り出して治療する手法の開発に役立つという/ チームの中岡良和大阪大助教らは、心筋細胞からAng1を分泌できないマウスの胎児を使って実験/ 分泌されない場合は、胎児の心臓で冠静脈が作られないことを明らかにした。心臓のすぐそばにある「静脈洞」という部位に血管を作る内皮細胞が未分化の状態で存在し、Ang1の作用でこの細胞が冠静脈になることも確認した> とある。
心臓静脈できる仕組み解明 タンパク質が血管新生/msn 産経ニュース/2014.07.22
心筋細胞からAng1が分泌されないと、マウスの胎児の心臓に冠静脈が作られなかった。左は正常な心臓(大阪大・有田陽氏提供)
血液を供給するため心臓の表面を走る「冠静脈」が作られる仕組みを大阪大や京都大、東京大などのチームがマウスを使って解明し、22日付の英科学誌ネイチャーコミュニケーションズ電子版に発表した。
心筋の細胞が分泌するアンジオポエチン1(Ang1)というタンパク質が、冠静脈を作るよう他の細胞に働き掛けていた。
心筋梗塞などで、詰まった血管のかわりに新しい血管を作り出して治療する手法の開発に役立つという。
チームの中岡良和大阪大助教らは、心筋細胞からAng1を分泌できないマウスの胎児を使って実験。
分泌されない場合は、胎児の心臓で冠静脈が作られないことを明らかにした。心臓のすぐそばにある「静脈洞」という部位に血管を作る内皮細胞が未分化の状態で存在し、Ang1の作用でこの細胞が冠静脈になることも確認した
。
◆ 参照 心臓の血管新生の新メカニズムを解明 心筋梗塞などの新しい治療法開発へ光/大阪大学/2014.07.22
この研究で期待される点は、<心筋梗塞などで、詰まった血管のかわりに新しい血管を作り出して治療する手法> の、その開発だと目されている。
将来的には、"心筋細胞" 自体の再生と併せて、"血管新生" が図られることで、"心筋梗塞" の大半のダメージが治療されることになるのかと期待される...... (2014.07.25)
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