一般の患者にとって、"薬の効き目/副作用" の詳細については、結局、知る由もない。"ブラックボックス" と言っても過言ではないのかもしれない。
製薬会社、薬を認可した国の厚労省、そして医師・病院などを、ただただ "信じる" 以外に手が無い というのが現実であろう。
だからこそ、"信じられる側" はそれにふさわしい "厳正な検査体制" で臨むことが要請され、決して "営利目的" で、薬の検査情報が歪められたりしてはならないわけだ。
ところが、薬をめぐる社会的現状は、かなり錯綜しており、国民病のひとつともされている "がん" の薬、"抗がん剤" に関しても、さまざまな不透明な現実が患者側を不安がらせてもいる。
◆ 参照 当誌過去の "抗がん剤、副作用" 関連記事
(1) "抗癌剤職業曝露"の実態調査進む!やはり気になる!ここまで有害とされる抗癌剤の使用!?/当誌 2014.07.29
(2) 抗がん剤の強い毒性!医師/看護師/薬剤師ら「抗がん剤曝露(ばくろ)対策協議会」設立!/当誌 2014.06.30
(3) 今"がん治療"では「先生にお任せいたします」が通用しない!?"がんリテラシー"が必須!/当誌 2014.06.29
(4) 医療従事者の"抗がん剤曝露量"とは何?"抗がん剤"は"正常細胞"にも作用するため警戒?!/当誌 2014.06.27
(5) "新しい"抗がん剤:"分子標的治療薬"に、従来の抗がん剤にはない"皮膚障害の副作用"!/当誌 2014.06.25
(6) "抗がん剤"で死亡 病院に賠償命令!"抗がん剤"の"副作用危険性"に改めて"要注意"か?!/当誌 2014.05.20
(7) 『医者に殺されない47の心得 医療と薬を遠ざけて 元気に 長生きする方法』はお薦め!/当誌 2014.02.22
今回注目する下記引用サイト記事 1-2 : ノバルティス:重篤な副作用2579例 未報告、死亡例も/毎日新聞/2014.08.29 - 21:51 / ノバルティス:学会で医師71人の旅費510万円肩代わり/毎日新聞/2014.08.27 - 21:10 は、既に<降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床試験を巡る虚偽広告事件> で起訴されるなどして顰蹙を買っている製薬会社ノバルティスファーマによる "不祥事" について報じている。
記事で指摘されている<白血病治療薬イマチニブ(商品名グリベック)1313例 ▽ ニロチニブ(同タシグナ)514例> はいわゆる "分子標的薬(シグナル伝達系阻害薬)" という新たな "抗がん剤" であり、<▽ 抗がん剤のエベロリムス(同アフィニトール)261例 ▽ がんの骨転移などに使うゾレドロン酸水和物(同ゾメタ)130例> は "抗がん剤" として処方される薬である。
現時点でこれらの "抗がん剤" が処方されている患者さんたちは、恐らく、不安でならないのではなかろうか......。
<◇ 厚労省が薬事法違反の疑いで調査開始/ 製薬会社ノバルティスファーマは29日、同社が販売する白血病治療薬など複数の薬に関係する2579例の未報告の重い副作用情報があったと発表した。この中には死亡例もあるという。他にも重篤度などを評価中の6118例を含めた計8697例の未報告例について、厚生労働省は、薬事法違反の疑いがあるとして調査<を始めた。/ ノ社は白血病治療薬の臨床試験に社員が不適切に関与していた問題<を受けて、4月中旬に全社員約4500人を対象に副作用情報に関する調査を実施。その結果、約1万例で社内の安全性評価部署に連絡せずに放置していたことが判明し、厚労省から8月末までに内容を精査して報告するよう求められていた。/ ノ社が重い副作用があったと評価したのは、白血病治療薬イマチニブ(商品名グリベック)1313例 ▽ ニロチニブ(同タシグナ)514例 ▽ 抗がん剤のエベロリムス(同アフィニトール)261例 ▽ がんの骨転移などに使うゾレドロン酸水和物(同ゾメタ)130例−−など。/ ノ社を巡っては、降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の虚偽広告事件で東京地検特捜部が同社を薬事法違反の罪で起訴。また、別の臨床試験や医療機関へのアンケート調査などで把握した白血病治療薬の重い副作用16例21件を把握しながら国への報告を怠ったとして、7月末に厚労省から業務改善命令を受けている。ノ社は29日、命令に基づいて、社員の研修計画などを盛り込んだ改善計画書を提出した。>
<製薬会社ノバルティスファーマ(東京)が4月に開催された日本内科学会に出席した医師71人の旅費計約510万円を不当に肩代わりしたとして、業界団体「医療用医薬品製造販売業公正取引協議会」が27日、指導した。製薬会社が学会参加者の旅費を肩代わりすることは、医師への不当な便宜供与に当たるとして規約で禁止されている。> とある。
【 引用記事 1 】
ノバルティス:重篤な副作用2579例 未報告、死亡例も/毎日新聞/2014.08.29 - 21:51
◇ 厚労省が薬事法違反の疑いで調査開始
製薬会社ノバルティスファーマは29日、同社が販売する白血病治療薬など複数の薬に関係する2579例の未報告の重い副作用情報があったと発表した。この中には死亡例もあるという。他にも重篤度などを評価中の6118例を含めた計8697例の未報告例について、厚生労働省は、薬事法違反の疑いがあるとして調査<を始めた。
ノ社は白血病治療薬の臨床試験に社員が不適切に関与していた問題<を受けて、4月中旬に全社員約4500人を対象に副作用情報に関する調査を実施。その結果、約1万例で社内の安全性評価部署に連絡せずに放置していたことが判明し、厚労省から8月末までに内容を精査して報告するよう求められていた。
ノ社が重い副作用があったと評価したのは、白血病治療薬イマチニブ(商品名グリベック)1313例 ▽ ニロチニブ(同タシグナ)514例 ▽ 抗がん剤のエベロリムス(同アフィニトール)261例 ▽ がんの骨転移などに使うゾレドロン酸水和物(同ゾメタ)130例−−など。
未報告の原因について、ノ社は「営業担当者が副作用を報告するという重要性を十分認識していなかったうえに、上司の監督も不十分だった」と釈明している。
ノ社を巡っては、降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の虚偽広告事件で東京地検特捜部が同社を薬事法違反の罪で起訴。また、別の臨床試験や医療機関へのアンケート調査などで把握した白血病治療薬の重い副作用16例21件を把握しながら国への報告を怠ったとして、7月末に厚労省から業務改善命令を受けている。ノ社は29日、命令に基づいて、社員の研修計画などを盛り込んだ改善計画書を提出した。
厚労省は「薬との因果関係や国に報告義務のある重篤な副作用だったのか精査し、薬事法違反に該当すれば行政処分を検討する」としている。【八田浩輔、河内敏康、桐野耕一】
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
【 引用記事 2 】
ノバルティス:学会で医師71人の旅費510万円肩代わり/毎日新聞/2014.08.27 - 21:10
製薬会社ノバルティスファーマ(東京)が4月に開催された日本内科学会に出席した医師71人の旅費計約510万円を不当に肩代わりしたとして、業界団体「医療用医薬品製造販売業公正取引協議会」が27日、指導した。製薬会社が学会参加者の旅費を肩代わりすることは、医師への不当な便宜供与に当たるとして規約で禁止されている
協議会が、学会の旅費肩代わりで指導したのは初めて。
ノ社と協議会によると、ノ社は4月13日に東京で自社製品に関する全国講演会を開催。これに出席することを条件に、同じころ東京で開催された日本内科学会総会にも参加した医師71人の宿泊費と交通費を負担した。
ノ社のダーク・コッシャ社長は「深くおわびする。二度と起こすことがないよう、再発防止を徹底したい」とのコメントを発表した。ノ社は、降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床試験を巡る虚偽広告事件で、元社員とともに薬事法違反(虚偽広告)で起訴されている。【河内敏康】
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
ノ社の一連のアクションは、やはり、がんに慄く一般国民の心情を逆撫でするものであり、ひいては、薬剤認可に関する医療行政や監督官庁/政府に対する不信感をも助長しかねないのではなかろうか。関係当局による説得力のある対応が求められている...... (2014.08.31)
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