"心臓の手術法" には、"オンポンプ手" と "オフポンプ手術" との二つの方法があるという。
<これまでの冠動脈バイパス手術は、心臓を止め、「人工心肺装置」というポンプに全身の血液循環を代替させる「オンポンプ手術」が主流だった。だが1990年代に、こうした装置を使わず、心臓を動かしたまま行う「オフポンプ手術」が登場、急速に広がっている。>( NIKKEI NET いきいき健康 心臓病治療の実力病院調査 )
なお、"オフポンプ手術" が広がる背景には、"人工心肺を使った場合(オンポンプ)のリスク" として以下の "3つのデメリット" が横たわっていたと指摘される。
< (1) 動脈硬化の進んだ血管に勢いよく血液が流れ込み、血栓がはがれて脳梗塞を起こす (2) 十分な血液が肺や腎臓などに行き渡らず、肺機能や腎機能の低下を招く (3) 心臓機能が落ちた高齢患者の場合、一度心臓を止めると血流を再開しても心臓が十分に拍動しない恐れがある―― >(同上)
さて、今回注目する下記引用サイト記事 : 人工心肺使わず、高齢者の心臓バイパス手術急増/yomiDr. ヨミドクター/2014.08.11 は、上記の「オフポンプ手術」の普及が奏功してのことか、"80歳以上の高齢者" における "心臓手術(冠動脈バイパス手術)" 比率が大きく増加したことを伝えている。
<心臓の主要な手術の一つ、冠動脈バイパス手術を昨年受けた8人に1人が80歳以上の高齢者だったことが日本冠動脈外科学会の調査で分かった/ 割合は10年前に比べ倍増した。体に負担をかけない手術法の普及が背景にある。20日発行の同学会英文誌に掲載する/ 冠動脈バイパス手術は、心筋梗塞や狭心症などに対する手術。調査は心臓手術をしている442病院を対象として、330病院(75%)から回答を得た。集計によると、昨年行われた初回手術9187例(緊急を除く)のうち、80歳以上は1130例(12・3%)、70歳以上は4850例(52・8%)。2003年は80歳以上が6・2%、70歳以上が44・3%だった/ 駿河台日本大学病院の折目由紀彦心臓血管外科部長は「心臓を動かしたままで行うオフポンプ手術が普及してきた。脳梗塞などの心配が低く、回復も早いため、高齢者にも広がった」と話す> とある。
人工心肺使わず、高齢者の心臓バイパス手術急増/yomiDr. ヨミドクター/2014.08.11
心臓の主要な手術の一つ、冠動脈バイパス手術を昨年受けた8人に1人が80歳以上の高齢者だったことが日本冠動脈外科学会の調査で分かった。
割合は10年前に比べ倍増した。体に負担をかけない手術法の普及が背景にある。20日発行の同学会英文誌に掲載する。
冠動脈バイパス手術は、心筋梗塞や狭心症などに対する手術。調査は心臓手術をしている442病院を対象として、330病院(75%)から回答を得た。集計によると、昨年行われた初回手術9187例(緊急を除く)のうち、80歳以上は1130例(12・3%)、70歳以上は4850例(52・8%)。2003年は80歳以上が6・2%、70歳以上が44・3%だった。
駿河台日本大学病院の折目由紀彦心臓血管外科部長は「心臓を動かしたままで行うオフポンプ手術が普及してきた。脳梗塞などの心配が低く、回復も早いため、高齢者にも広がった」と話す。
(2014年8月11日 読売新聞)
<心臓を動かしたままで行うオフポンプ手術が普及してきた。脳梗塞などの心配が低く、回復も早いため、高齢者にも広がった> との事実は、文面で記せば簡単なことのようでもあるが、実に飛躍的な進展であり、これによって勇気づけられる高齢者は少なくないはずである...... (2014.08.12)
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