健康に良い "睡眠" の内実が、その量としての "睡眠時間" と、質としての "睡眠の深さ" とによって決まることは、よく知られている。
◆ 参照 当誌過去の "睡眠時間" 関連記事
○ <睡眠が1時間減れば、翌日の満足度や生産性、健康、思考能力が低下する/ 人間の能力に関する研究の1つでは、最も能力を発揮する人々は1日あたり8時間36分睡眠をとっていることが分かった/ 睡眠が十分取れていないときには同じ人物とは思えないようになり、それは明確に現れる。睡眠が十分でなければ、ネガティブな出来事の連鎖につながりかねない。仕事ではあまり成果を出せず、いつもしている運動ができず、食生活も乱れる......> ( こんな時代環境だからこそ改めて注目して良い"良質な睡眠/睡眠時間"が秘めた起爆力!/当誌 2013.12.26 )
"適切な睡眠" が、快適な気分と高い生産性を促すという点は、日常の経験からも十分了解できるところだ。
ただ、いま一歩踏み込んでみるならば、現在、社会的にも憂慮されている "高齢者の認知機能低下" という問題などと "睡眠(時間)" との関係はどうなのかが気になる。
今回注目する下記引用サイト記事 : 睡眠時間が短い人の脳は老化が早い:研究結果/WIRED/2014.08.24 - SUN は、"平均的な睡眠時間" と "認知機能" との関連性について、常識的にも説得性のある結果、つまり、<睡眠時間が少ない人ほど脳の老化が早まり、認知力が低下しやすくなる> という結果、そして<大人には7時間の睡眠が最適であること> などを伝えている。
< 睡眠時間が少ない人ほど脳の老化が早まり、認知力が低下しやすくなるという研究結果が発表された。はたして、健康的な人生を送るためにわたしたちは何時間寝るのがいいのだろうか。/ 睡眠時間は生産性と密接にかかわっている。シリコンヴァレーの起業家でエンゼル投資家のケヴィン・ハーツは、成功の3条件のひとつとして睡眠の大切さを挙げている/ 社会の高齢化や平均寿命が長くなるにつれて、看過することのできない社会問題がある。加齢にともなう認知力の低下や、パーキンソン病やアルツハイマーなどの神経変性疾患だ。しかし、お年寄りの全員がこれらの病気に悩まされるわけではない。今回デュークNUSシンガポール校が行った研究によると、睡眠時間が少ない人ほど脳の老化が早まり、認知力が低下しやすくなるのだという/ 脳の老化が早まるには、もって生まれた遺伝子に加え、おそらくいくつかの環境要因があると思われる。なかでも、ジャーナル誌「Sleep」で発表された研究が注目したのは、「平均的な睡眠時間」と「認知機能」の関連性だ/ デュークNUSシンガポール校では、55歳以上の中国人被験者66人を対象に、睡眠の長さと質について尋ねた。研究者らは、炎症の度合いを調べるための血液検査や、認知力を試す神経心理学的検査を行い、加えて、脳の容積もMRIで測定。睡眠時間が脳にどう影響するかを調べるために、同調査を2年ごとに行った/ 「睡眠時間は脳の老化のマーカーとして使えます」と話すのは、研究を率いたジューン・ロー博士だ/ 彼らの結果によると、被験者の一部は年齢を重ねたにもかかわらず、神経心理学的検査に練習効果とみられるスコアの上昇があった。しかしほかは、睡眠時間が少なかった人ほど脳室の拡大が早く、認知能力にも低下がみられた。年齢、性別、学歴やBMIを考慮した後も、睡眠時間の影響は統計的に有意なままだったという。また今回の調査では、睡眠時間と炎症反応には関連がみられなかった/ 睡眠は、食事や適度な運動と同様に気を配る必要があるということだ/ 今回の結果を受け、デュークNUS認知神経科学のディレクターであるマイケル・チー教授は次のように述べている/ 「神経心理学的検査の大規模な研究結果をみると、大人には7時間の睡眠が最適であることがわかります。これからは何が心血管の代謝に良いのかを調査し、脳の長期的健康を保つ方法を模索していきたいですね」> とある。
睡眠時間が短い人の脳は老化が早い:研究結果/WIRED/2014.08.24 - SUN
睡眠時間が少ない人ほど脳の老化が早まり、認知力が低下しやすくなるという研究結果が発表された。はたして、健康的な人生を送るためにわたしたちは何時間寝るのがいいのだろうか。
TEXT BY SANAE AKIYAMA
睡眠時間は生産性と密接にかかわっている。シリコンヴァレーの起業家でエンゼル投資家のケヴィン・ハーツは、成功の3条件のひとつとして睡眠の大切さを挙げている。hands of a senior woman image from Shuttertsock
社会の高齢化や平均寿命が長くなるにつれて、看過することのできない社会問題がある。加齢にともなう認知力の低下や、パーキンソン病やアルツハイマーなどの神経変性疾患だ。しかし、お年寄りの全員がこれらの病気に悩まされるわけではない。今回デュークNUSシンガポール校が行った研究によると、睡眠時間が少ない人ほど脳の老化が早まり、認知力が低下しやすくなるのだという。脳の老化が早まるには、もって生まれた遺伝子に加え、おそらくいくつかの環境要因があると思われる。なかでも、ジャーナル誌「Sleep」で発表された研究が注目したのは、「平均的な睡眠時間」と「認知機能」の関連性だ。
デュークNUSシンガポール校では、55歳以上の中国人被験者66人を対象に、睡眠の長さと質について尋ねた。研究者らは、炎症の度合いを調べるための血液検査や、認知力を試す神経心理学的検査を行い、加えて、脳の容積もMRIで測定。睡眠時間が脳にどう影響するかを調べるために、同調査を2年ごとに行った。
「睡眠時間は脳の老化のマーカーとして使えます」と話すのは、研究を率いたジューン・ロー博士だ。
彼らの結果によると、被験者の一部は年齢を重ねたにもかかわらず、神経心理学的検査に練習効果とみられるスコアの上昇があった。しかしほかは、睡眠時間が少なかった人ほど脳室の拡大が早く、認知能力にも低下がみられた。年齢、性別、学歴やBMIを考慮した後も、睡眠時間の影響は統計的に有意なままだったという。また今回の調査では、睡眠時間と炎症反応には関連がみられなかった。
睡眠は、食事や適度な運動と同様に気を配る必要があるということだ。
今回の結果を受け、デュークNUS認知神経科学のディレクターであるマイケル・チー教授は次のように述べている。
「神経心理学的検査の大規模な研究結果をみると、大人には7時間の睡眠が最適であることがわかります。これからは何が心血管の代謝に良いのかを調査し、脳の長期的健康を保つ方法を模索していきたいですね」
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自分の睡眠の質を知りたいという人は、睡眠を評価してくれるアプリ「Sleep Rate」を活用するという方法もある。
<睡眠時間は脳の老化のマーカーとして使えます> という記述がある。<「平均的な睡眠時間」と「認知機能」の関連性> の "密接さ" から来るものであろう。
ただ、ここには "少ない睡眠時間 → 脳の老化" という因果関係のみならず、"脳の老化" に起因する "睡眠時間の縮小(より早く目覚めてしまう?)" という因果関係も潜んでいるかに思える...... (2014.08.26)
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