"完治する・がん治療法" が見出されているならば言うことがない "がん早期発見" ではある。が、今のところ、"がん早期発見" は、"有難くもあり、有難くもなし" というところか......。( ex.「検診による早期発見に意味はない......」近藤 誠『抗がん剤だけはやめなさい』文春文庫/2013.10.10 )
それにしても、一方では、"がん早期発見" を礼賛する声がありそうなのが現状である。
そんな趨勢に呼応して、"血液検査" で "がんを発見する" という方法も研究されてきた。
◆ 参照 当誌過去の "がんを血液で発見" 関連記事
○ <早期の大腸がんを数時間で見つける方法を、国立がん研究センターなどの研究チームが開発した。ごくわずかな血液で調べることができ、従来の方法よりも精度が高い。数年以内の実用化を目指すという/ 細胞が分泌する「エクソソーム」という微粒子に着目。大腸がん細胞のエクソソームに特異的に多く含まれる物質を発見し、0・005ミリリットルの血液からそれをとらえて光らせる方法を開発した。1時間半から3時間で検出できる/ 大腸がん患者194人の血液を調べたところ、約5割から検出。健康な191人から検出されたのは、1人だけだった。大腸がん特有のほかの物質も特定し、検査の精度をさらに上げることを目指す> ( 微量の血液で大腸がん発見(国立がんセンター)!細胞が分泌する"エクソソーム"に着目!/当誌 2014.04.19 )
さて、今回注目する下記引用サイト記事 : 新たな血液検査法開発へ/NHK NEWS WEB/2014.08.18 - 17:56 は、そうした "血液検査 → がん発見" という方法の "集大成(?!)" を目指すかのような研究プロジェクトがスタートした、と報じている。
<がん細胞が血液中に出す特殊な物質を目印に乳がんや大腸がんなど、日本人に多い13種類のがんを血液を調べるだけで早期発見できるようにする新たな検査法の開発を国立がん研究センターなどのグループが始めると発表/ これは、国立がん研究センターやNEDO=新エネルギー・産業技術総合開発機構、それに東レなどの企業4社が共同で行うと18日、記者会見し、明らかにしたもの/ これまで以上にがんを早期に発見できるという新たな検査法の開発のカギとなるのはマイクロRNAという特殊な物質 マイクロRNAは、ヒトの細胞が血液中に出す物質で、細胞ががん化すると分泌されるマイクロRNAの種類や量が変わることが最新の研究で分かってきたということ/ グループでは、国立がん研究センターに保存されている大量のがん患者の血液を詳しく分析し、乳がんや大腸がんなど日本人に多い13種類のがんについて初期のがんの目印となるマイクロRNAを見つけ出し、新たな検査法の開発につなげたいとしています/ 研究は、今後5年間行い、最終的には、健康診断などの血液検査でがんの早期発見が行えるようなシステムの開発を目指す/ 国立がん研究センターの落谷孝広分子細胞治療研究分野長は、「将来的には、血液1滴で、どんながんがあるのか、早期に発見できるようにしたい」と>
<「腫瘍マーカー」との違いは/ 多くは進行したがんの状態を把握するのに使われ、早期診断に使えるよう確立されたものはまだない>
<がんの早期発見はどう変わる/ 今回開発を目指す新たな検査法は血液を採るだけ。毎年の健康診断などの際に行う血液検査で合わせて実施できるようにすれば、検査を受ける人の数は増加し、これまで以上に初期のがん患者を見つけ出せると期待されます> とある。
がん早期発見の新たな血液検査法開発へ/NHK NEWS WEB/2014.08.18 - 17:56
がん細胞が血液中に出す特殊な物質を目印に乳がんや大腸がんなど、日本人に多い13種類のがんを血液を調べるだけで早期発見できるようにする新たな検査法の開発を国立がん研究センターなどのグループが始めると発表しました。
がんを治すうえで極めて重要な早期発見で画期的な変化を起こせるのか注目されます。これは、国立がん研究センターやNEDO=新エネルギー・産業技術総合開発機構、それに東レなどの企業4社が共同で行うと18日、記者会見し、明らかにしたものです。
それによりますと、これまで以上にがんを早期に発見できるという新たな検査法の開発のカギとなるのはマイクロRNAという特殊な物質です。
マイクロRNAは、ヒトの細胞が血液中に出す物質で、細胞ががん化すると分泌されるマイクロRNAの種類や量が変わることが最新の研究で分かってきたということです。
グループでは、国立がん研究センターに保存されている大量のがん患者の血液を詳しく分析し、乳がんや大腸がんなど日本人に多い13種類のがんについて初期のがんの目印となるマイクロRNAを見つけ出し、新たな検査法の開発につなげたいとしています。
研究は、今後5年間行い、最終的には、健康診断などの血液検査でがんの早期発見が行えるようなシステムの開発を目指すことにしています。
国立がん研究センターの落谷孝広分子細胞治療研究分野長は、「将来的には、血液1滴で、どんながんがあるのか、早期に発見できるようにしたい」と話しています。「腫瘍マーカー」との違いは
血液を使ったがんの検査には、「腫瘍マーカー」があります。
がんになった時、血液中に増えてくる物質を目印に、がんの進行の具合をみるもので、国内では40種類以上が医療現場で使われています。
しかし多くは進行したがんの状態を把握するのに使われ、国立がん研究センターによりますと、早期診断に使えるよう確立されたものはまだないということです。がんの早期発見はどう変わる
新たな検査法が開発できれば、がんの早期発見はどう変わるのか。
例えば、女性に最も多い乳がん。
厚生労働省は、40歳以上の女性に対しマンモグラフィーなどを使った乳がん検診を2年に1度受けるよう呼びかけています。
しかし受診率は去年の調査で43.4%。
国が掲げる50%という目標に達していません。
これに対し、今回開発を目指す新たな検査法は血液を採るだけ。
毎年の健康診断などの際に行う血液検査で合わせて実施できるようにすれば、検査を受ける人の数は増加し、これまで以上に初期のがん患者を見つけ出せると期待されます。
<日本でだけ盛んながん検診 がん検診は、日本でだけ盛んに行われています。欧米では肺がん検診や胃がん検診はほとんど行われていません。なのに欧米では日本より数十年早く、胃がんが減ってきています。......>( 近藤 誠『「余命3カ月」のウソ』ベスト新書/2013.04.20 )
"がん" という医療事情に関しても、"グローバルな視点" と "合理的な視点" に立ってジックリと考察してみる必要がありそうだと思えるが...... (2014.08.20)
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