"iPS細胞" 技術の可能性は、"再生医療" 分野での "移植臓器再生" にとどまらず、「創薬」研究(治療薬の開発、その開発過程・検査過程での貢献!)においても手堅く展開し始めているという。
患者から作ったiPS細胞を使い、治療薬の候補となる物質を特定する というかたちで、いわば、"患者から作ったiPS細胞" が "患者自身" の "病状" の "代理(?)" 的役割を果たす! かのようなのである。
今回注目する下記引用サイト記事 : iPS細胞が変える"薬の常識" ~最前線からの報告~/NHK ONLINE クローズアップ現代/2014.09.18 および iPS細胞使い治療薬の候補の物質特定/NHK NEWS WEB/2014.09.18 - 02:26 は、難病「軟骨無形成症」を対象として、<iPS細胞を使った「創薬」が、大きな進展を見せている> という画期的な成果などについて報じている。
【 引用記事 1 】 <山中伸弥京都大学iPS細胞研究所教授が、ノーベル賞を受賞してから2年。iPS細胞を使った「創薬」が、大きな進展を見せている。根本的な治療法のない難病「軟骨無形成症」の新薬候補の化合物が見つかったとの研究成果がきょう発表された他、アルツハイマー治療薬への応用、新薬の副作用の検査など、多岐にわたる研究が進められている。さらに、iPS細胞を使うことで、現在、動物実験が前提となっている創薬の流れを根本から変える可能性もあるという。iPS細胞によって創薬の未来はどう変わろうとしているのか、そして課題は何か、研究の最前線を追う。>
【 引用記事 2 】 <骨を形づくる元となる軟骨ができず、手足などが成長しない難病の患者から作ったiPS細胞を使い、治療薬の候補となる物質を特定することに京都大学の研究グループが成功したと発表しました。
2年以内に臨床試験を始める計画で、iPS細胞を使った治療薬の開発が具体的な成果に結びつくのではないかと期待されています。/ 研究を行ったのは、京都大学iPS細胞研究所の妻木範行教授のグループです。 研究グループは、全身の骨を形づくる元となる軟骨ができず、手足などがあまり成長しない「軟骨無形成症」という難病の患者からiPS細胞を作り、それを軟骨の細胞に変化させたところ、細胞があまり増えないという病気の状態を再現できたということです。 そのうえで、「スタチン」という物質を加えると細胞が増殖し、軟骨の組織を作り始めることを突き止めました。 この病気のマウスにスタチンを投与した場合も、骨がほぼ正常な長さに伸びたということです。/ スタチンは血液に含まれるコレステロールの合成を抑える薬として広く服用されていますが、子どもに投与した場合の安全性は確認されていないということで、研究グループは適正な量や投与の方法などを調べたうえで2年以内に臨床試験を始めることにしています。 妻木教授は「できるだけ早く臨床試験を始め、新たな治療薬を患者に届けたい。安全な方法が確立されるまで、勝手に服用することは絶対にやめてほしい」と話しています。/ 山中教授「治療薬開発への貢献に期待」/ 今回の研究成果について、京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥教授は「患者由来のiPS細胞を使うことで、すでに薬となっている既存薬が、他の病気にも効果がある可能性を明らかにした重要な成果だ。同様の手法が他の多くの病気でも使われ、治療薬の開発に貢献することを期待している」とするコメントを出しました。/ iPS細胞を使って新薬の開発などを進めるJST=科学技術振興機構のプロジェクトでアドバイザー役を務める吉松賢太郎さんは「これまで動物実験で効くと思われた薬の候補が実際の患者では効かないことが多くあったため、iPS細胞から変化させたヒトの細胞が薬作りに使えるのは、効果や安全性を見るのに非常に強い味方になると思う」と話しています。> とある。
【 引用記事 1 】
iPS細胞が変える"薬の常識" ~最前線からの報告~/NHK ONLINE クローズアップ現代/2014.09.18
出演者 山中 伸弥 さん(京都大学iPS細胞研究所 教授)
山中伸弥京都大学iPS細胞研究所教授が、ノーベル賞を受賞してから2年。iPS細胞を使った「創薬」が、大きな進展を見せている。根本的な治療法のない難病「軟骨無形成症」の新薬候補の化合物が見つかったとの研究成果がきょう発表された他、アルツハイマー治療薬への応用、新薬の副作用の検査など、多岐にわたる研究が進められている。さらに、iPS細胞を使うことで、現在、動物実験が前提となっている創薬の流れを根本から変える可能性もあるという。iPS細胞によって創薬の未来はどう変わろうとしているのか、そして課題は何か、研究の最前線を追う。
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
【 引用記事 2 】
iPS細胞使い治療薬の候補の物質特定/NHK NEWS WEB/2014.09.18 - 02:26
骨を形づくる元となる軟骨ができず、手足などが成長しない難病の患者から作ったiPS細胞を使い、治療薬の候補となる物質を特定することに京都大学の研究グループが成功したと発表しました。
2年以内に臨床試験を始める計画で、iPS細胞を使った治療薬の開発が具体的な成果に結びつくのではないかと期待されています。研究を行ったのは、京都大学iPS細胞研究所の妻木範行教授のグループです。
研究グループは、全身の骨を形づくる元となる軟骨ができず、手足などがあまり成長しない「軟骨無形成症」という難病の患者からiPS細胞を作り、それを軟骨の細胞に変化させたところ、細胞があまり増えないという病気の状態を再現できたということです。
そのうえで、「スタチン」という物質を加えると細胞が増殖し、軟骨の組織を作り始めることを突き止めました。
この病気のマウスにスタチンを投与した場合も、骨がほぼ正常な長さに伸びたということです。
スタチンは血液に含まれるコレステロールの合成を抑える薬として広く服用されていますが、子どもに投与した場合の安全性は確認されていないということで、研究グループは適正な量や投与の方法などを調べたうえで2年以内に臨床試験を始めることにしています。
妻木教授は「できるだけ早く臨床試験を始め、新たな治療薬を患者に届けたい。安全な方法が確立されるまで、勝手に服用することは絶対にやめてほしい」と話しています。
iPS細胞を使った治療薬の開発で、臨床試験の具体的な計画が明らかになったのは国内で初めてです。
iPS細胞を巡っては、目の網膜の組織を作り重い目の病気の患者に移植する世界で初めての手術も先週行われ、iPS細胞を使った医療への応用に弾みがつくものと期待されています。山中教授「治療薬開発への貢献に期待」
今回の研究成果について、京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥教授は「患者由来のiPS細胞を使うことで、すでに薬となっている既存薬が、他の病気にも効果がある可能性を明らかにした重要な成果だ。同様の手法が他の多くの病気でも使われ、治療薬の開発に貢献することを期待している」とするコメントを出しました。
iPS細胞を使って新薬の開発などを進めるJST=科学技術振興機構のプロジェクトでアドバイザー役を務める吉松賢太郎さんは「これまで動物実験で効くと思われた薬の候補が実際の患者では効かないことが多くあったため、iPS細胞から変化させたヒトの細胞が薬作りに使えるのは、効果や安全性を見るのに非常に強い味方になると思う」と話しています。
そのうえで、「早い時期に薬が臨床の場で試せる可能性が見えてきたことは、非常に喜ばしいことだ。他の多くの病気でも治療薬が生まれる可能性を示したといえる」と評価しています。
一方、今後の課題については、「細胞が病気になるまで10年、20年かかるようなものもあり、まだまだ難しい部分もある。また、薬の候補となるさまざまな物質を試すためには品質のよい細胞を大量に用意する必要があり、さらに研究が必要だ」と話しています。
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
<iPS細胞を使った「創薬」> 研究は、<難病「軟骨無形成症」の新薬候補の化合物が見つかったとの研究成果> にとどまらず、<アルツハイマー治療薬への応用、新薬の副作用の検査など、多岐にわたる研究> が進められ、さらに、<iPS細胞を使うことで、現在、動物実験が前提となっている創薬の流れを根本から変える可能性もある> という画期的な展開ぶりなのだそうである...... (2014.09.21)
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