"iPS細胞の医療応用" については、ややもすればわれわれの関心は "再生医療" 分野での展開に集中しがちとなる。この点は、昨日も目を向けたとおりであり、今回は、"まとめ" のような意味合いを持つ。
◆ 参照 当誌過去の "iPS細胞と「創薬」" 関連記事
○ "iPS細胞"技術は"再生医療"分野での成果に加え、「創薬」研究においても手堅く展開!/当誌 2014.09.20
今回注目する下記引用サイト記事 : 難病の治療薬研究にはずみ iPS細胞使い薬の効果確認/朝日新聞/2014.09.18 - 05:14 は、今や、<二つの流れ> を持つことが鮮明となった "iPS細胞の医療応用" 動向について、分かり易く解説している。
<iPS細胞の医療応用は大きく二つの流れがある。 一つは再生医療。iPS細胞からつくった細胞や組織を患者に移植し、病気やけがで失った機能の回復を目指す。iPS細胞を使った臨床研究は目の難病ですでに始まり、理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーらは12日に世界初の手術を実施し、注目を集めた。/ もう一つが今回のような難病の治療薬の研究だ。筋萎縮性側索硬化症(ALS)、筋ジストロフィー、アルツハイマー病など様々な病気でも同様の取り組みが進む。「再生医療は順調にいろんな先生が進めているが、やはり『創薬』をもっと強力に推進したい」。京都大iPS細胞研究所の山中伸弥所長は昨年末の朝日新聞のインタビューでこう話し、iPS細胞技術の普及に力を入れる意向を示していた。/ 薬の開発には膨大な時間と費用がかかる。動物実験で効果がみられても、人で効くかわからず、人で試す臨床試験(治験)が始まっても重い副作用などで開発が止まることは少なくない。特に患者の少ない難病は、病気自体の研究が進みにくい。/ iPS細胞はこうした困難を解決する手助けになると期待される。まずは、患者の細胞からiPS細胞を作り、病気を起こしている組織や細胞を試験管で再現させる。これを使えば、実際の患者から取り出せない患部の組織を調べたり、有望な薬の候補を細胞レベルで絞り込んだりできる。/ 高脂血症薬スタチンが難病の軟骨無形成症に有効かは、実際の治験を経なければわからない。ただ、既存の薬で新たな効果を見いだせれば、開発の費用も期間も大幅に削れる可能性がある。(阿部彰芳)> とある。
難病の治療薬研究にはずみ iPS細胞使い薬の効果確認>/朝日新聞/2014.09.18 - 05:14
iPS細胞の医療応用は大きく二つの流れがある。一つは再生医療。iPS細胞からつくった細胞や組織を患者に移植し、病気やけがで失った機能の回復を目指す。iPS細胞を使った臨床研究は目の難病ですでに始まり、理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーらは12日に世界初の手術を実施し、注目を集めた。
もう一つが今回のような難病の治療薬の研究だ。筋萎縮性側索硬化症(ALS)、筋ジストロフィー、アルツハイマー病など様々な病気でも同様の取り組みが進む。「再生医療は順調にいろんな先生が進めているが、やはり『創薬』をもっと強力に推進したい」。京都大iPS細胞研究所の山中伸弥所長は昨年末の朝日新聞のインタビューでこう話し、iPS細胞技術の普及に力を入れる意向を示していた。
薬の開発には膨大な時間と費用がかかる。動物実験で効果がみられても、人で効くかわからず、人で試す臨床試験(治験)が始まっても重い副作用などで開発が止まることは少なくない。特に患者の少ない難病は、病気自体の研究が進みにくい。
iPS細胞はこうした困難を解決する手助けになると期待される。まずは、患者の細胞からiPS細胞を作り、病気を起こしている組織や細胞を試験管で再現させる。これを使えば、実際の患者から取り出せない患部の組織を調べたり、有望な薬の候補を細胞レベルで絞り込んだりできる。
高脂血症薬スタチンが難病の軟骨無形成症に有効かは、実際の治験を経なければわからない。ただ、既存の薬で新たな効果を見いだせれば、開発の費用も期間も大幅に削れる可能性がある。(阿部彰芳)
"難病「軟骨無形成症」" に対する "新薬候補" として、"既存の薬:高脂血症薬スタチン" を見出した "立役者" が、"iPS細胞" 技術であったことは、昨日も確認したところだ。
このように、"iPS細胞" 技術を活用するならば、"難病" に対して "効き目のある物質" 探しに、既に他の効能で使われている数多くの "既存薬"を対象とすることも可能だというわけだ。 このアプローチの意義は大きい!と思われる...... (2014.09.21)
コメントする