心臓に対する手術において、従来からの "開胸手術" の場合は患者への負担が大きく、特に高齢者にとってはリスクが高過ぎると考えられてきた。
そこで、採用されているのが、"カテーテル" を活用した治療法である。
◆ 参照 当誌過去の "心臓,腹部大動脈,カテーテル" 関連記事
(1) "致死率90%!"で突然の死につながる"腹部大動脈瘤(りゅう)の破裂"!原因は動脈硬化!/当誌 2014.08.29
(2) "超音波"に"血管新生"作用があると発表(東北大)!"狭心症"の新たな治療法として期待!/当誌 2014.08.24
(3) 別室のモニター凝視で否応なく張り詰める緊張感 ....../当誌 2008.11.07
今回注目する下記引用サイト記事 : 心臓弁膜症にカテーテル 人工弁植え込み、高齢者も負担軽く/朝日新聞/2014.10.03 は、"心臓の大動脈弁" の異常(心臓弁膜症)に対する手術における、"カテーテル" を活用した場合の治療法について分かりやすく説明している。
<【福島慎吾】 心臓の出口にある弁が硬くなって、しっかり開け閉めできなくなる心臓弁膜症。カテーテル(細い管)で心臓まで人工弁を運び、留め置く治療法が普及してきた。胸を切り開いて人工弁に取り換える一般的な手術と比べ、体への負担が小さい利点がある。高齢化によって、さらに広がるとみられている。/ 大阪府豊中市で一人暮らしをする武内冨二恵さん(84)は、高齢のため、体にかかる負担に耐えられるか心配され、大阪大病院に転院し、7月末に経カテーテル的大動脈弁植え込み術(TAVI)を受けた。/ TAVIは、足の付け根や肋骨(ろっこつ)の間からカテーテルを入れ、折りたたんだ人工弁付きの網目の筒(ステント)を心臓に運んで広げる治療法。心臓の拍動を止めずに済み、体への負担が抑えられる。武内さんは手術の翌日からリハビリのために歩き始め、10日ほどで退院。「すぐに以前の生活に戻れた」と笑顔で話した。 心臓には、血液の逆流を防ぐために大動脈弁、僧帽弁、肺動脈弁、三尖(さんせん)弁の四つの弁があり、弁がうまく動かなくなるのが心臓弁膜症だ。日本胸部外科学会によると、全国での手術件数は2000年に約1万件だったが、11年には約2万件に倍増。なかでも大動脈弁狭窄症が多いという。/ TAVIができる条件には、 ・以前に開胸手術を受けた ・心臓以外の臓器も状態が悪い ・80歳前後の高齢者 などがある。 13年から公的医療保険の対象になり、現在では全国34カ所の施設で実施できる。阪大の坂田泰史教授(循環器内科)は「高齢化が進むことで、さらに件数が増えるのは間違いない」と話す。> とある。
心臓弁膜症にカテーテル 人工弁植え込み、高齢者も負担軽く/朝日新聞/2014.10.03
【福島慎吾】 心臓の出口にある弁が硬くなって、しっかり開け閉めできなくなる心臓弁膜症。カテーテル(細い管)で心臓まで人工弁を運び、留め置く治療法が普及してきた。胸を切り開いて人工弁に取り換える一般的な手術と比べ、体への負担が小さい利点がある。高齢化によって、さらに広がるとみられている。
■ 翌日からリハビリ
大阪府豊中市で一人暮らしをする武内冨二恵さん(84)は1月末、突然息切れがして歩けなくなった。洗濯物を干すだけで息が上がり、足がむくむようになった。近くの病院では、貧血や肺炎などと言われた。
しかし、3月に自宅で倒れ、救急車で運ばれた別の病院で、心臓の大動脈弁の働きが悪くなる「大動脈弁狭窄(きょうさく)症」と診断された。血液の逆流を防ぐ弁が動脈硬化などによって石灰化し、全身に血液が送り出されにくくなっていた。
胸を切り開き、大動脈弁を人工弁にする手術が必要だったが、高齢のため、体にかかる負担に耐えられるか心配された。大阪大病院に転院し、7月末に経カテーテル的大動脈弁植え込み術(TAVI)を受けた。
TAVIは、足の付け根や肋骨(ろっこつ)の間からカテーテルを入れ、折りたたんだ人工弁付きの網目の筒(ステント)を心臓に運んで広げる治療法。心臓の拍動を止めずに済み、体への負担が抑えられる。武内さんは手術の翌日からリハビリのために歩き始め、10日ほどで退院。「すぐに以前の生活に戻れた」と笑顔で話した。
心臓には、血液の逆流を防ぐために大動脈弁、僧帽弁、肺動脈弁、三尖(さんせん)弁の四つの弁があり、弁がうまく動かなくなるのが心臓弁膜症だ。日本胸部外科学会によると、全国での手術件数は2000年に約1万件だったが、11年には約2万件に倍増。なかでも大動脈弁狭窄症が多いという。
TAVIができる条件には、
以前に開胸手術を受けた
心臓以外の臓器も状態が悪い
80歳前後の高齢者などがある。13年から公的医療保険の対象になり、現在では全国34カ所の施設で実施できる。阪大の坂田泰史教授(循環器内科)は「高齢化が進むことで、さらに件数が増えるのは間違いない」と話す。
上記記事にあるとおり、<・開胸手術をしない、・心臓を止めない、・社会復帰が早い> という "メリット" が注目される。
その反面 "デメリット" としての<・血管をカテーテルで傷つける、・脳梗塞を引き起こす、・石灰化した弁が損傷して出血する> などの点が警戒されるわけだが、今後の改善策が期待されるところだ...... (2014.10.06)
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