"胃がん" と "食道がん" は良く知られた "がん" である。また、"食道と胃" は当然ながら両部位は接しており、その "接合部" に "がん" が発生するといったケースも少なくないのだそうだ。いやむしろ、近年は増加傾向にさえあると言われている。
ここで問題となっているのが、"食道と胃" という "がんの部位" の違いに応じて "治療法/手術のあり方(切除範囲!など)" が異なり、"学会" もまた別になっている、という点なのだそうである。
今回注目する下記引用サイト記事 : 「食道胃接合部がん」手術基準...学会が公表/yomiDr. ヨミドクター/2014.10.07 は、"両学会" にまたがって生じているこうした齟齬(そご)、問題に対して、いわば "交通整理(?)" をするかのように "対策((=手術基準の設定)!" を講じた、と報じている。
<切除範囲の縮小期待/ 肥満や食の欧米化を理由に増加が指摘されている「食道胃接合部がん」について、日本胃癌(がん)学会と日本食道学会は初の手術基準をまとめ、公表した。 部位の明確な定義がなく、手術の切除範囲がバラバラだった現状に対し具体的な基準を示したもので、胃の全摘など過剰な切除を減らす効果が期待される。 食道と胃の接合部にできるがんは、胃酸の逆流が主な原因とされる。逆流は高齢者や、肥満の人、脂っこい食事を続ける人に起こりやすい。胃がんと同じく粘液を分泌する部分で発生し、一般的な食道がんとは性質が異なる。/ 米国の報告によると、多くのがんが減少する中、このタイプのがんが増えており、患者数は1975年から30年間で約5倍増。手術基準の作成を進めた東大病院胃・食道外科の瀬戸泰之教授は「日本では、胃がんか食道がんのいずれかに分類されてきたため、正確な患者数は不明だが、全国の状況を見ると、10年で2倍になった印象がある」と説明する。/ 両学会は、胃が専門の外科医と食道が専門の外科医で切除範囲が大きく異なることを問題視し、2011年から共同研究を開始。273病院で過去に手術を受けた3177人の情報を分析した結果、直径4センチ以下のがんの多くは、胃の全摘をせず、半分近く残せることなどが判明した。(2014年10月7日 読売新聞)> とある。
「食道胃接合部がん」手術基準...学会が公表/yomiDr. ヨミドクター/2014.10.07
切除範囲の縮小期待
肥満や食の欧米化を理由に増加が指摘されている「食道胃接合部がん」について、日本胃癌(がん)学会と日本食道学会は初の手術基準をまとめ、公表した。
部位の明確な定義がなく、手術の切除範囲がバラバラだった現状に対し具体的な基準を示したもので、胃の全摘など過剰な切除を減らす効果が期待される。
食道と胃の接合部にできるがんは、胃酸の逆流が主な原因とされる。逆流は高齢者や、肥満の人、脂っこい食事を続ける人に起こりやすい。胃がんと同じく粘液を分泌する部分で発生し、一般的な食道がんとは性質が異なる。
米国の報告によると、多くのがんが減少する中、このタイプのがんが増えており、患者数は1975年から30年間で約5倍増。手術基準の作成を進めた東大病院胃・食道外科の瀬戸泰之教授は「日本では、胃がんか食道がんのいずれかに分類されてきたため、正確な患者数は不明だが、全国の状況を見ると、10年で2倍になった印象がある」と説明する。
両学会は、胃が専門の外科医と食道が専門の外科医で切除範囲が大きく異なることを問題視し、2011年から共同研究を開始。273病院で過去に手術を受けた3177人の情報を分析した結果、直径4センチ以下のがんの多くは、胃の全摘をせず、半分近く残せることなどが判明した。
(2014年10月7日 読売新聞)
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
上記記事中にある<切除範囲の縮小期待> という見出しが目を引く。"がん患者" にとっての "切なる願い!" かと思える。
最近の "がん治療法" は、かつての "臓器全摘" 手術から、次第に "臓器温存" 治療へと移行していると言われている。"QOL 概念" の普及もそれを表わしているかに思われる。
"切除範囲の縮小" という手術スタンスは、"がん治療法" が、"臓器温存" 治療アプローチへとますます接近していくその一過程であることを物語っているかに思える...... (2014.10.11)
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