現在の "がん治療薬" 開発の主要なポイントは、その "薬効" が <がん細胞だけを狙い撃ちする> という点にあるようだ。
これは、これまでの "抗がん剤" が、"がん細胞" への攻撃力(殺細胞力)を実現するために、"副作用" として "がん細胞" 以外の "正常細胞" をも害してしまうことに由来している。
新しい種類の "抗がん剤" である "分子標的薬" にしても、また "がん細胞攻撃型抗体" のがん治療薬にしても、とにかく "がん細胞だけを......" というポイントが踏まえられているわけである。
◆ 参照 当誌過去の "がん細胞" 関連記事
(1) がん細胞を狙い撃ちする"分子標的薬"の有力候補となる新物質発見!シカゴ大=中村教授/当誌 2014.10.24
(2) 抗がん剤、"がん細胞だけを狙い撃ち"する"極小カプセル化"に成功!副作用軽減に効果!/当誌 2014.10.04
(3) 副作用抑止の"がん分子標的薬"開発につながるか?!"血管新生"関連遺伝子発見(三重大)!/当誌 2014.09.23
(4) 副作用のない抗体医薬品開発が可能に!がん細胞だけ攻撃!新抗体の作製成功(東北大)!/当誌 2014.08.04
今回注目する下記引用サイト記事 : 病原菌の細胞攻撃を解明 北大など、がん新薬に期待/【共同通信】/2014.10.29 - 05:52 は、その がん細胞だけを狙い撃ちする という "機能" を、"病原菌" が持つ "特殊機能" によって賄わせようとするアプローチであり、これによってがん細胞などに的を絞って破壊する薬の開発につながる可能性を追及したものである。
<病原菌が狙った細胞に取り付き「膜孔」と呼ばれる穴を開けて攻撃するメカニズムを突き止めたと、北海道大や東北大などの研究チームが29日までに、英科学誌の電子版に発表した。がん細胞などに的を絞って破壊する薬の開発につながる可能性があるという。 主導した北海道大大学院先端生命科学研究院の田中良和准教授によると、今回の研究は黄色ブドウ球菌が毒素になるタンパク質を分泌し、赤血球に穴を開けて破壊する経過を解析した。 毒素は赤血球の表面に取り付いた後、まずドーナツ形に変形し、さらに中央部から筒状の組織が下に伸びて赤血球の細胞膜に穴を開け始め、最後には貫通したという。> とある。
病原菌の細胞攻撃を解明 北大など、がん新薬に期待/【共同通信】/2014.10.29 - 05:52
病原菌が狙った細胞に取り付き「膜孔」と呼ばれる穴を開けて攻撃するメカニズムを突き止めたと、北海道大や東北大などの研究チームが29日までに、英科学誌の電子版に発表した。がん細胞などに的を絞って破壊する薬の開発につながる可能性があるという。
主導した北海道大大学院先端生命科学研究院の田中良和准教授によると、今回の研究は黄色ブドウ球菌が毒素になるタンパク質を分泌し、赤血球に穴を開けて破壊する経過を解析した。
毒素は赤血球の表面に取り付いた後、まずドーナツ形に変形し、さらに中央部から筒状の組織が下に伸びて赤血球の細胞膜に穴を開け始め、最後には貫通したという。
今回の研究は、<病原菌が狙った細胞に取り付き「膜孔」と呼ばれる穴を開けて攻撃するメカニズム> を突き止めたとする、"がん治療薬" 開発以前の、いわば前提段階に位置するものかと思われる。今後の挑戦的な展開が期待される...... (2014.10.30)
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