各種医療技術の進展により、従来からの "開腹手術" が、患者への負担軽減との理由から "腹腔鏡手術" へと移行し、また "手術操作" が支援されたり、自動化されたりといった安全・便宜まで図られているとのことである。
◆ 参照 当誌過去の "腹腔鏡" 関連記事
(1) 手術中の手ぶれ抑えます!手術支援ロボット「アイアームス」開発(信州大/デンソー)!/当誌 2014.09.27 )
(2) 内視鏡ロボット手術 (腎細胞がん部分切除手術/神戸大病院)!国の先進医療に8月承認!/当誌 2014.09.05
今回注目する下記引用サイト記事 : >腹腔鏡手術後8人死亡...高難度の肝切除、同一医師が執刀/yomiDr. ヨミドクター/2014.11.14> は、そうした "腹腔鏡" を使う "肝臓切除手術" でも "高度な技術が必要とされる「区域切除」" の患者8人が、その手術後約3か月以内に、肝不全などで亡くなったという事実を報じている。
<群馬大学病院(前橋市)で2011~14年、腹腔鏡(ふくくうきょう)を使う高難度の肝臓手術を受けた患者約100人のうち、少なくとも8人が死亡し、病院が院内調査委員会を設置して調べていることがわかった。 8人を執刀したのはいずれも同じ医師。同病院ではこれらの手術は事前に院内の倫理審査を受ける必要があるとしているが、担当の外科は申請していなかった。 病院関係者によると、手術が行われたのは第二外科(消化器外科)。死亡した8人は60代~80代の男女で、肝臓がんなどの治療として腹腔鏡を使う肝臓切除手術を受けた。手術と死亡の因果関係は現時点では不明だが、8人は術後に容体が悪化し、約3か月以内に肝不全などで亡くなった。 事態を重く見た病院側は現在、同科肝胆膵(すい)(肝臓、胆道、膵臓)グループの全手術を停止している。/ 腹腔鏡を使う肝臓切除手術は、比較的実施しやすい「部分切除」などに限り、10年4月に保険適用された。しかし、高度な技術が必要な「区域切除」などは有効性や安全性が十分に確認されていないとみなされ保険適用外だ。 同外科ではこうした保険適用外の手術を多く手がけており、8人が受けたのも同様の手術だったとみられている。これらの手術は、病院の倫理審査委員会に臨床研究として申請しなければならなかったが、第二外科は行っていなかった。/ 今年4月には千葉県がんセンターで、膵臓などの腹腔鏡手術を受けた患者が相次ぎ死亡していたことが明らかになり、10月時点で計11人の死亡患者について調べている。 群馬大病院は、725の病床を持つ北関東の医療拠点。重粒子線治療など最先端の医療も導入している。/ 消化器がんに詳しいがん研有明病院の山口俊晴・消化器センター長の話「一般的には腹腔鏡による肝切除を受けた患者が短期間で死亡することは非常にまれだ。8人が亡くなるのはきわめて多いといえる。調査委員会は原因を究明し、再発防止に努めるべきだ」(2014年11月14日 読売新聞)> とある。
腹腔鏡手術後8人死亡...高難度の肝切除、同一医師が執刀/yomiDr. ヨミドクター/2014.11.14
群馬大学病院(前橋市)で2011~14年、腹腔鏡(ふくくうきょう)を使う高難度の肝臓手術を受けた患者約100人のうち、少なくとも8人が死亡し、病院が院内調査委員会を設置して調べていることがわかった。
8人を執刀したのはいずれも同じ医師。同病院ではこれらの手術は事前に院内の倫理審査を受ける必要があるとしているが、担当の外科は申請していなかった。
病院関係者によると、手術が行われたのは第二外科(消化器外科)。死亡した8人は60代~80代の男女で、肝臓がんなどの治療として腹腔鏡を使う肝臓切除手術を受けた。手術と死亡の因果関係は現時点では不明だが、8人は術後に容体が悪化し、約3か月以内に肝不全などで亡くなった。
事態を重く見た病院側は現在、同科肝胆膵(すい)(肝臓、胆道、膵臓)グループの全手術を停止している。
腹腔鏡を使う肝臓切除手術は、比較的実施しやすい「部分切除」などに限り、10年4月に保険適用された。しかし、高度な技術が必要な「区域切除」などは有効性や安全性が十分に確認されていないとみなされ保険適用外だ。
同外科ではこうした保険適用外の手術を多く手がけており、8人が受けたのも同様の手術だったとみられている。これらの手術は、病院の倫理審査委員会に臨床研究として申請しなければならなかったが、第二外科は行っていなかった。
今年4月には千葉県がんセンターで、膵臓などの腹腔鏡手術を受けた患者が相次ぎ死亡していたことが明らかになり、10月時点で計11人の死亡患者について調べている。 ......
群馬大病院は、725の病床を持つ北関東の医療拠点。重粒子線治療など最先端の医療も導入している。
消化器がんに詳しいがん研有明病院の山口俊晴・消化器センター長の話「一般的には腹腔鏡による肝切除を受けた患者が短期間で死亡することは非常にまれだ。8人が亡くなるのはきわめて多いといえる。調査委員会は原因を究明し、再発防止に努めるべきだ」
◇ 腹腔鏡 腹部の内側を観察するためのカメラ。これを使った手術は、体に開けた数か所の穴からカメラと手術器具をさし入れ、内部の映像を見ながら切除や縫合をする。開腹手術より体への負担が少なく、患者の回復が早いとされる。大腸や胃の手術では普及してきているが、リスクの高い肝臓や膵臓(すいぞう)の手術では限定的な活用にとどまっている。
(2014年11月14日 読売新聞)
<「一般的には腹腔鏡による肝切除を受けた患者が短期間で死亡することは非常にまれだ。8人が亡くなるのはきわめて多いといえる。調査委員会は原因を究明し、再発防止に努めるべきだ」> という専門医(他病院)の言葉に耳を傾けることにならざるを得ないが、医師側は、何はともあれ第一義である "生命尊重" を再確認してもらいたいものである...... (2014.11.16)
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