"iPS細胞の医療応用" には、"再生医療" に加えて、次のような "『創薬』" という重要な分野があることは、既に良く知られている。
<iPS細胞の医療応用は大きく二つの流れがある。 一つは再生医療。iPS細胞からつくった細胞や組織を患者に移植し、病気やけがで失った機能の回復を目指す。iPS細胞を使った臨床研究は目の難病ですでに始まり、理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーらは12日に世界初の手術を実施し、注目を集めた。/ もう一つが今回のような難病の治療薬の研究だ。筋萎縮性側索硬化症(ALS)、筋ジストロフィー、アルツハイマー病など様々な病気でも同様の取り組みが進む。「再生医療は順調にいろんな先生が進めているが、やはり『創薬』をもっと強力に推進したい」。京都大iPS細胞研究所の山中伸弥所長は昨年末の朝日新聞のインタビューでこう話し、iPS細胞技術の普及に力を入れる意向を示していた。> ( iPS細胞の医療応用"二つの流れ"!(1)"再生医療"分野、(2)難病向け治療薬研究"創薬"!/当誌 2014.09.21 )
◆ 参照 当誌過去の "iPS細胞" 関連記事
○ iPS細胞から"胃の粘膜組織"作製に成功!この組織を使った試験管内の実験観察に期待!/当誌 2014.11.02
今回注目する下記引用サイト記事 : iPS創薬、海外勢追い上げ激しく 日本は大丈夫? 編集委員 安藤淳/日本経済新聞/2014.11.03 - 07:00 は、その "『創薬』" という分野における、"海外勢!" の目覚ましい展開ぶりに注目し、報じている。
<カナダ屈指の神経系疾患専門機関、マクギル大学・モントリオール神経科学研究所・病院(MNI)は米欧の研究機関や製薬企業と組み、iPS細胞を使う大規模な創薬研究を始めた。パーキンソン病やALS(筋萎縮性側索硬化症)の治療薬開発を目指す。 英オックスフォード大学付属オックスフォード・パーキンソン病センターや米国のファイザー、メルク、スイスのノバルティスが参加する。「MNIオープン・アクセス・プラットフォーム」を結成済みで、細胞や解析データ、知識を出し合い創薬の基盤研究をする。 成果に関する特許は出願せず、誰もが自由に使えるようにする決まりだ。「初期の段階から特許を主張すれば、素早い開発の妨げになる」とMNIのプポン戦略的提携推進部長は狙いを説明する。参加企業は他社よりも先に、先端的な研究の動きやデータを把握できる利点がある。......> とある。
iPS創薬、海外勢追い上げ激しく 日本は大丈夫? 編集委員 安藤淳/日本経済新聞/2014.11.03 - 07:00
理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーらがiPS細胞を使う世界初の臨床研究を始め、再生医療に注目が集まるが、iPS細胞には「創薬革命をもたらす」との期待も大きい。再生医療に力を入れてきたカナダや英国でも産官学による大がかりな創薬研究の枠組みができ、使いやすい細胞培養システムの普及も進む。日本に先行して創薬革命の幕が上がる可能性がある。
■カナダや英国、共同研究のプラットフォーム
カナダ屈指の神経系疾患専門機関、マクギル大学・モントリオール神経科学研究所・病院(MNI)は米欧の研究機関や製薬企業と組み、iPS細胞を使う大規模な創薬研究を始めた。パーキンソン病やALS(筋萎縮性側索硬化症)の治療薬開発を目指す。英オックスフォード大学付属オックスフォード・パーキンソン病センターや米国のファイザー、メルク、スイスのノバルティスが参加する。「MNIオープン・アクセス・プラットフォーム」を結成済みで、細胞や解析データ、知識を出し合い創薬の基盤研究をする。
成果に関する特許は出願せず、誰もが自由に使えるようにする決まりだ。「初期の段階から特許を主張すれば、素早い開発の妨げになる」とMNIのプポン戦略的提携推進部長は狙いを説明する。参加企業は他社よりも先に、先端的な研究の動きやデータを把握できる利点がある。
―― 以下略 ――
■パーキンソン病の新薬、5年以内に製品化へ
■日本では京大研究所の独壇場、広がり乏しく
■周辺産業も海外では多彩な企業が参画
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
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